GJ > 競馬ニュース > C.ルメール「消極的騎乗」に元JRA田原成貴氏も遺憾、「満点回答」武豊と何が違ったのか…勝負を分けたそれぞれの想い
NEW

C.ルメール「消極的騎乗」に元JRA田原成貴氏も遺憾、「満点回答」武豊と何が違ったのか…勝負を分けたそれぞれの想い

【この記事のキーワード】, ,
C.ルメール「消極的騎乗」に元JRA田原成貴氏も遺憾、「満点回答」武豊と何が違ったのか…勝負を分けたそれぞれの想いの画像1
C.ルメール騎手

 日本ダービー(G1)が開催された29日、6万人の大観衆が詰めかけた東京競馬場は、武豊騎手とドウデュースの勝利に称賛の声が止まらない1日だった。

 皐月賞(G1)は、前の馬を捕まえ切れずに3着惜敗。結果的に前の馬が残る展開での後方待機策には、賛否が分かれることになった。

 しかし、プレッシャーの懸かる大一番でもスタイルを崩さないところは、さすが武豊騎手である。日本ダービーでも4コーナーの位置取りは、前走と同じ14番手だったものの、直線の長い東京で末脚を存分に炸裂させた。

 既に史上最多ダービー5勝を誇るレジェンドは、50代にも6勝目を加算。戦前は混戦模様に思われた3歳世代を統一し、秋には凱旋門賞(仏G1)への挑戦も視野に入るだろう。

 会心の勝利を挙げた武豊騎手とドウデュースのコンビに対し、惜しくも2着に敗れたのが、C.ルメール騎手とイクイノックス(牡3、美浦・木村哲也厩舎)のコンビだ。3ハロン33秒6という最速の上がりで勝ち馬に迫ったが、皐月賞に続いて2着に敗れてしまった。

 ハナを奪ったデシエルトが刻んだラップは、前半1000mの通過58秒9とやや速めのペース。同じ8枠18番からのスタートで積極的な位置取りで運んだ皐月賞とは異なり、「リズム重視で我慢させた」というルメール騎手の後方待機策も響いたか。

 マークしたドウデュースの後ろから、最後の直線で外に出したが、クビ差まで迫ったところでゴール。レース後のコメントでは「結果的に18番枠は難しかった」と振り返らざるを得なかった。

「満点回答」武豊と何が違ったのか…

 ただ、この敗因は「18番枠」だけだったのかとなると、そうとも言い切れない。

 注目したいのは、勝負どころとなった最終コーナーでの判断だ。道中はドウデュースを後ろから見る格好で進めていたルメール騎手だが、距離のロスを嫌ったのか外ではなく内に入れる判断をしているのだ。結果論とはいえ、ここでのコース取りが武豊騎手との明暗を分かつポイントとなったのかもしれない。

「直線入り口では同じような位置にいながら、スムーズに外の進路が開けたドウデュースは、豊ジョッキーのゴーサインに反応して豪快に末脚を炸裂させることに成功しています。ところが、ルメール騎手は内を狙いながらも、横一線に広がった馬群を捌くことが出来ないまま、カニ歩きのような感じで外に進路を取り直すロスがありました。

結局、一瞬ドウデュースとジオグリフの間にスペースが出来ましたが、そこにも割り込むことが出来ず、さらに外々を回されることに……。その間に勝ち馬はリードを作っただけに、最初から外を回していればもっと際どい結果だったように感じます」(競馬記者)

 また、元JRA騎手の田原成貴氏もTwitterで、日本ダービーのルメール騎手の騎乗について自身の見解をツイート。「ルメールさんは、18番枠で外を回りたくないという気持ちが消極的なレースに繋がったと思う。ドウデュースの前でレースして欲しかったね」と、大外枠だったことに理解は示しつつも、もう少し強気に乗ってもよかったのではないかといったニュアンスの言葉を残した。

 積極的に乗った皐月賞では「交わされて」2着、消極的に乗った日本ダービーでは「交わせず」に2着。皐月賞に続いて8枠18番を引いてしまったルメール騎手としても、踏んだり蹴ったりの結果になってしまった。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

C.ルメール「消極的騎乗」に元JRA田原成貴氏も遺憾、「満点回答」武豊と何が違ったのか…勝負を分けたそれぞれの想いのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
  2. 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
  3. 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
  4. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  5. 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
  6. 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
  7. 【オークス】石川裕紀人が滑り込みでラストチャンスをゲット!?血統的に距離延長歓迎の穴候補に浮上…カワカミプリンセス、カレンブーケドールに続けるか
  8. 「うまく力を出せた」2年目女性騎手が2ヶ月ぶり白星! 「負担重量の注意義務」を怠り戒告処分も…翌日1Rで名誉挽回の好騎乗
  9. 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
  10. 【NHKマイルC】“アスコリピチェーノVSジャンタルマンタル”仁義なき社台グループの頂上決戦に決着をつける不気味な伏兵!