JRA「いい勉強ができました」川田将雅と19勝差…大逆転の6年連続リーディングへ! 超A級マイラーゲットのC.ルメールが逆襲の幕開け!
4日、東京競馬場で行われた“東”の最初の新馬戦は、1番人気のノッキングポイント(牡2歳、美浦・木村哲也厩舎)が3馬身差で圧勝。今年の皐月賞馬ジオグリフ、2着イクイノックスを擁する新鋭厩舎から、今年も大物候補が現れた。
「いいスタートが切れて我慢できて、だんだんペースアップして、ゴールまで伸びてくれた」
13頭立て芝1600mのレース。飛び上がるような格好で抜群のスタートを決めたノッキングポイントだが、無理せず好位から。外枠の発走だったため前に馬を置けず、隣にいたコンイルヴェントが頭を大きく上げて掛かり通しと難しい展開になったが、鞍上のC.ルメール騎手が上手く折り合わせていた。
最後の直線で各馬がスパートを開始する中、ノッキングポイントもルメール騎手に促されてじょじょに加速。先頭集団に並びかけたところで鞍上のアクションが大きくなると、一気に後続を突き放した。
「非常に強い競馬でした。この日は西でも1番人気のダイヤモンドハンズが1600mの新馬戦を勝ち上がりましたが、向こうはマイルが短いようで、内容面ではノッキングポイントの方が上ですね。ルメール騎手も『1600mはちょうどいい』と話しているように、こちらは高いマイル適性を秘めていそうです。近年でも勝ち馬にグランアレグリアやステルヴィオらが名を連ねる東京開幕の新馬だけに、今後も非常に楽しみな馬だと思いますね」(競馬記者)
「(ノッキングポイントにとって)いい勉強ができました」
ルメール騎手の逆襲は、まさにこれから
まさに「これぞルメール騎手」という勝利だった。
ここまで5年連続リーディングという騎手界の絶対王者は、毎年とにかく「新馬戦」で稼ぐことで有名だ。今回のノッキングポイントにしても母は2016年のオークス(G1)で2着したチェッキーノという良血馬。戦前から木村調教師が「注目されていることはわかっています」というほどの有望株だった。
さらに、ノッキングポイントはこの日の鳴尾記念(G3)で復活勝利を飾ったヴェルトライゼンデを始め、数々の有力馬が所属するサンデーレーシングの所有馬であり、生産は11年連続で生産界のトップに立つノーザンファーム。
典型的なエリートをしっかりとデビュー勝利に導いていることが、ルメール騎手が“王朝”を築く大きな原動力となっている。
「ちなみにルメール騎手が昨年、2歳新馬で挙げた勝利は19勝。これは昨年リーディング2位の川田将雅騎手や3位の松山弘平騎手、4位の福永祐一騎手を上回る数字です。
ちなみにルメール騎手は昨年78回も2歳新馬戦で騎乗していますが、1番人気は驚異の36回。ここ3年の2歳新馬で5番人気を下回ったことは一度もありません」(別の記者)
5年連続でリーディングを獲得しているルメール騎手だが、今年の上半期は自身が新型コロナウイルスに感染してしまうなど、例年にない苦戦を強いられている。その結果、4日現在ルメール騎手は19勝差でリーディングトップに立つ川田騎手を追いかける展開となっている。毎年激しいリーディング争いを見せる2人だが、今年は特に白熱しそうだ。
「能力がありそうだね」
レース後、そうノッキングポイントを手放しで称賛したルメール騎手。有力馬でデビュー戦を勝つということは当然、その後の重賞やG1にも大きく繋がっていく。今年も今週から新馬戦が幕を開け、ルメール騎手がリーディング獲得へ“必勝態勢”を築く時期がやってきた。
まずは朝日杯フューチュリティS(G1)へ、牡馬の有望マイラーを手に入れたルメール騎手。大逆転劇へ、絶対王者の逆襲はここから始まる。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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