JRA安田記念(G1)瞬発力はシュネルマイスター以上!? マイル王への資質を有する2頭の「超新星」4連勝の勢いで府中の直線を豪脚一閃!

5日、東京競馬場では安田記念(G1)が行われる。先月8日のNHKマイルCから続く府中の5週連続G1の締めくくりとして行われる本競走、絶対王者不在となったマイル戦線の頂点に立つべく、今年は新進気鋭のメンバーが多く集まった印象だ。
成長著しい4歳馬や連勝中の上がり馬、牝馬路線からも多数の馬が参戦してきており、今年の安田記念は混戦模様。その中でシュネルマイスターが有力視されてはいるものの、惨敗した海外遠征からの帰国初戦であり絶対的な存在とは言い難い。
果たして空位となったマイル王の座に就くのはどの馬なのか、その予想は混迷を極める状況だ。しかし過去の安田記念を分析していくと、勝利のために必要な能力が浮かび上がってきた。
それこそが末脚に活きる「瞬発力」の高さである。
安田記念の勝利を左右するのは直線のキレ
過去10年の安田記念において、前走の上がり3ハロンで2位以内を記録している馬の成績は(7-5-3-35)となっており、実に連対馬の半数以上がこの中に含まれていた。一方で前走の上がり3ハロンが3位以下であった馬は(2-4-6-79)と勝率・連対率ともに大きく落ち込んでいる。
グランアレグリアやインディチャンプ、モーリスといった歴戦のマイル王たちもこの傾向に該当しており、前走で高い瞬発力を発揮した後に安田記念を制している。これは人気馬に限ったものではなく、18年に9番人気で勝利したモズアスコット、17年に7番人気で勝利したサトノアラジン、12年に13番人気から2着に食い込んだグランプリボスといった伏兵も、前走で上がり2位以内をマークした後に安田記念で波乱を巻き起こしている。
安田記念の舞台となる東京1600m、その最大の特徴は500m超に及ぶ最後の直線である。直線で確実に末脚を伸ばすことのできる、高い「瞬発力」の持ち主こそが春のマイル王に最も近い存在といえるだろう。
今年のメンバーを見渡すと、前走で上がり3ハロン2位以内の末脚をみせた馬はダートが主戦場のカフェファラオを除くと3頭のみ。更に上がり1位以内に絞ると、マイル王への資格をもつ「瞬発力」を前走で見せた馬はわずか2頭に絞られる。
末脚自慢の筆頭は人気の一角でもあるイルーシヴパンサーだ。マイル戦を中心に府中で4連勝中であるが、この4戦はいずれも上がり最速をマークしている。
特筆すべきは前走の東京新聞杯(G3)、後方2番手からの競馬となったが、上がり3ハロン33.1秒という圧巻の末脚で差し切ってみせた。このレースで上がり2位をマークしたカラテのタイムが33.9秒であることからも、イルーシヴパンサーの瞬発力が際立つレースであったといえる。
もう1頭、前走で上がり最速をマークしているのがソウルラッシュである。当初は中距離を中心に使われていたが、昨年12月にマイル転向以降4連勝でマイラーズC(G2)を制覇した上がり馬。マイル転向後は4戦中3戦で上がり最速をマークしており、前走は稍重馬場ながら上がり34.1秒を記録している。
キャリアを通して33秒台の上がりを使った経験が無く、府中の高速決着への対応に不安を感じるかもしれない。だがマイル転向初戦であった1勝クラスのレースでは馬なりの楽な手ごたえで上がり34.0秒をマーク。本気で追っていれば33秒台の上がりは優に出ていたはずで、高速馬場でも侮れない存在だ。
前走の上がりタイムが結果に大きく関係している安田記念。シュネルマイスターやソングラインといった強烈な末脚が印象深い馬もいるが、意外にも前走に芝のレースで上がり最速をマークしたのは先述の2頭のみ。奇しくも「4連勝中の4歳馬」という共通項のあるイルーシヴパンサーとソウルラッシュ、高い瞬発力を持つ2頭の新星が繰り出す強烈な末脚に期待したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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