
JRA安田記念(G1)「世界的マイラー」でさえ屈した“魔のペース”…シュネルマイスター、イルーシヴパンサーら“末脚自慢”も油断出来ない先行馬の存在
先月29日に行われた日本ダービー(G1)は、武豊騎手の騎乗したドウデュースが優勝。
前半1000m通過タイム58秒9とペースが流れたことも手伝って、勝ち時計2分21秒9はダービーレコードを記録。2着イクイノックスと演じたゴール前の追い比べは、ファンの記憶に残る名勝負となった。
5日に行われる安田記念(G1)においても、昨年のNHKマイルC(G1)を制したシュネルマイスターや前走の東京新聞杯(G3)を含め4連勝中と勢いのあるイルーシヴパンサーなどの末脚自慢が集結。東京コースの長い直線で繰り広げられる最後の追い比べには見応えがありそうだ。
過去10年の安田記念を振り返っても、4コーナー10番手以降からの差し切り勝ちはストロングリターン(2012年)、ジャスタウェイ(2014年)、サトノアラジン(2017年)、モズアスコット(2018年)など4頭が該当し、傾向的にみれば差し馬有利なレースでもある。
しかし、有力馬に差し馬が多いことで互いに牽制し合い、仕掛けが遅れて前の馬を捕らえられないケースも多々あるのが競馬。2016年の同レースで有力馬達を差し置いて逃げ切ったロゴタイプは、まさにその典型例ともいえる。
当時の主役は世界的マイラーとなったモーリス。前年の安田記念から数えてマイルCS、香港マイル、チャンピオンズマイルと国内外のマイルG1を含めて4連勝中とまさに無双状態だった。当日も単勝1.7倍の断然人気を背負い、下馬評でも「連覇濃厚」と考えられていた。
レースでは、前走のダービー卿CT(G3)で2番手を走っていたロゴタイプが果敢にもハナを主張。モーリス、リアルスティール、サトノアラジンら有力差し馬達を尻目に、良馬場で行われた過去10年で最も遅い前半3ハロン通過タイム35秒0の超スローペースに落とし込んだ。
そのまま後続を引き連れて最後の直線に入ると、完全な外差し馬場だったにもかかわらず、鞍上の田辺裕信騎手は迷わずピッタリ内ラチ沿いをつく奇策。その後もゴールまで驚異の粘り腰をみせたロゴタイプが、結局最後まで有力差し馬達を寄せ付けなかった。
シュネルマイスター、イルーシヴパンサーら“末脚自慢”も油断出来ない先行馬
あれから6年経った今回。出走予定のメンバーを見渡すと、前走で逃げた馬は一頭もおらず、先週のような速い流れは想像しづらい。

逃げる可能性もありそうなレシステンシア(牝5、栗東・松下武士厩舎)は、前走のヴィクトリアマイル(G1)では距離が不安視されていたものの、前半3ハロン通過34秒7のやや遅めの流れに道中2番手を追走して3着に粘りこんだ。
鞍上を務めた横山武史騎手も「個人的にはマイルは長いかなと思っていました」と振り返っていた通り、結果的にハイペースが仇となった高松宮記念(G1)の教訓を生かしてのマイペース。逃げたとしても、無理にハイペースを刻むことは考えにくい。
また、前走のマイラーズC(G2)で道中2番手から2着に粘りこんホウオウアマゾン(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)や前走で距離1200mの高松宮記念2着のロータスランド(牝5、栗東・辻野泰之厩舎)も逃げ候補として想定されるが、いずれも近5走内のマイル戦で逃げた際は前半3ハロン通過タイム35秒を超えるスローペースで、元からハイラップを刻むペースメーカー的存在ではない。
上位人気必至のシュネルマイスターやイルーシヴパンサーら差し馬たちが後ろで牽制し合えば、今週はペースを味方にアッと驚く前残り決着があるかもしれない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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