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JRA安田記念(G1)モーリスやアーモンドアイの「裏切り」にも共通点…シュネルマイスターが抱える「末脚不発」の不安

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シュネルマイスター 撮影:Ruriko.I

 日本競馬最大のビッグレース・日本ダービー(G1)を終え、クラシック戦線は一区切り。3月末の高松宮記念から続いた春のG1戦線も、残すところ2レースのみとなった。

 5日、東京競馬場で行われる安田記念(G1)は上半期のマイル王決定戦。昨年末にはグランアレグリア、インディチャンプ、ダノンキングリーといった名馬が相次いでターフを去った。新たにマイルの頂点に君臨するのはどの馬なのか。

 今年のメンバーを見渡すと、成長著しい4歳馬や条件戦から勢いをつけてきた新興勢力力が数多く名を連ねている。その中でも最有力候補と目されているのがシュネルマイスター(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 昨年は3歳馬ながら古馬相手に安田記念で3着、マイルCS(G1)でも2着に好走し、グランアレグリアには0.1秒差に迫る走りを見せた。1600mのレースでは現役馬に一度も先着を許しておらず、これまでの戦績を考えればマイル王の座に最も近い存在といえる。

『netkeiba.com』の予想オッズでも1番人気となっており、世間からも大きな期待を受けるシュネルマイスターだが、その評価に一石を投じる2つの「不安要素」が存在する。

 1つ目は、海外からの帰国初戦である点だ。過去10年の安田記念における前走が海外だった馬の成績は(1-1-1-15)と振るっていない。3頭が馬券内に好走しているが、ここに含まれるのはジャスタウェイ(14年・1着)、モーリス(16年・2着)、アーモンドアイ(19年・3着)といった怪物級の馬たちであり、それぞれが海外のビッグレースを制しての転戦であった。

 この数字は裏を返せば、モーリスやアーモンドアイでさえも勝利できなかったと捉えられる。この2頭は共に単勝オッズ1.7倍という圧倒的な支持を受けながらも、期待を裏切る敗戦を喫している。

シュネルマイスターが抱える「末脚不発」の不安

 シュネルマイスターは確かに高い能力を持つ馬だが、先述の怪物級の面々に比べればスケール感はまだ及ばない。加えて、前走のドバイターフ(G1)で8着に敗れている。「海外帰り」の馬の過去の戦績を踏まえれば、過度な期待は禁物かもしれない。

 2つ目の懸念はハイペースへの対応力である。シュネルマイスターが古馬を相手に好走した昨年の安田記念、毎日王冠(G2)、マイルCSはいずれも道中がスローな流れであった。マイルCSに至っては前半3ハロンが35.6秒という緩いペースであり、最大の武器である瞬発力が存分に活きる展開であった。

 一方で、前走のドバイターフは大逃げが身上のパンサラッサの存在もあり、かなりタイトなレース展開に。慣れないペースに苦しんだことが、8着に惨敗した要因の1つとも考えられる。

 シュネルマイスターが好走した昨年の安田記念はスローペースとなったが、安田記念は本来G1らしい速いラップが続く傾向にあるレース。今年はおそらくフルゲートであり、レシステンシア、ホウオウアマゾンといった積極的な競馬を好むタイプも存在するため、よどみのないペースが予想される。ドバイターフと同様に道中の追走で消耗を強いられ、最後の直線で伸びを欠くことも十分に考えられる。

 このように大きな2つの「不安要素」を抱えるシュネルマイスター。奇しくも今年のG1は1番人気馬が10連敗中であり、この「春の嵐」が安田記念でも猛威を振るうかもしれない。嵐すらも置き去りにする末脚でマイル王の座を掴むのか、はたまた思わぬ苦戦を強いられるのか、大本命・シュネルマイスターの走りに注目したい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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