桜花賞(G1)大逆転へ武豊リスグラシューの追い切りに見る「変身」の跡。クラシックの勝ち方を知る男が施す「英才教育」とは

先月4日に行われた桜花賞の王道トライアル・チューリップ賞(G3)。本番の切符を狙う12頭が集まったが、阪神ジュベナイルフィリーズから出走してきたのは、覇道を行く女王ソウルスターリングを除けば、リスグラシュー(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だけだった。
それはつまり、無敗の女王に対し「逆転の希望」を持っていたのが、唯一リスグラシューだけだったのかもしれない。
アルテミスS(G3)を制した盟友・武豊騎手を迎えて挑んだ一戦。阪神JFでは大外枠から出遅れるという散々な内容ながら、最後の直線で豪快に追い込んでソウルスターリングから0.2秒差の2着。1馬身1/4の差は決して小さくはないが、本番の桜花賞に向けて着差を詰めておくことが最低条件といえた。
枠順は阪神JFから大きく好転し、リスグラシューが3番。阪神JFで内々を上手く立ち回ったソウルスターリングは10番枠と”立場”は逆転。課題のスタートも決まり、ここから「反撃」が始まるはずだった。
ところが、蓋を開けてみれば着差は1馬身1/4から、2馬身半に広がった。
何よりも無念だったのは、末脚自慢の本馬が上がり3ハロンで前を行くソウルスターリングに後れを取ったこと、そして後ろからミスパンテールに差されて3着になったことだ。この結果には矢作芳人調教師も「少なくとも2着は獲らなければいけませんでした。申し訳ありません」と頭を下げる他なかった。
同距離同コースでの連敗だけに、立場としては極めて厳しい状況だ。チューリップ賞の段階ではソウルスターリングが単勝1.5倍、リスグラシューが単勝2.7倍と「2強」の状態だったが、『netkeiba.com』の桜花賞予想オッズでは1.7倍のソウルスターリングに対し、8.7倍と大きく水を開けられた。
ただ、それでも矢作調教師と武豊騎手が「本番は次」と口を揃えていたように、あくまでトライアルの結果。本番に向けて、リスグラシューは目に見えて上昇カーブを描いている。
リスグラシューはほぼ一貫して坂路で調整されているが、1週前追い切りをびっしりと行い、最終追い切りはやや軽めというのが基本形となっている。
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