
JRAアナウンサー泣かせの「珍名馬対決」が東京新馬戦で実現!あなた「ゴノミ」はどっち?
今年の宝塚記念(G1)は、珍しくフルゲートを超える20頭がエントリー。2頭が除外され、2年ぶりの18頭立てで行われる。
宝塚記念前日の土曜日には東京競馬場で注目の2歳新馬戦(芝1800m)も組まれている。このレースにも20頭がエントリーしていたが、フルゲートが16頭のため4頭が除外された。
出走が確定した中で有力視されるのはシャンドゥレールとレッドディライトあたりか。どちらもエピファネイア産駒らしく、2歳戦から能力を発揮してくれそうだ。
その2頭のライバルになり得る存在を探そうと出馬表を眺めていると、一瞬デジャブかと勘違いしてしまいそうな、そっくりな馬名を発見した。
「珍名馬対決」が東京新馬戦で実現!
フェノーメノ産駒のオレゴノミ(牡2歳、栗東・加藤和宏厩舎)とジャングルポケット産駒のイロゴノミ(牡2歳、栗東・牧田和弥厩舎)である。
同馬主の2頭出しかと思いきや、どうやら単なる偶然のもよう。申し合わせたかのような“ゴノミ”対決が初戦から実現することになった。
実はこの2頭はその一族も珍名馬で占められている。
オレゴノミの母はアナタゴノミで、その母はアララットサンという特徴的な響きの持ち主。どちらも珍名馬オーナーで知られる小田切有一氏の所有馬だった。ちなみにオレゴノミを所有するのはスピードファームで、小田切氏の意志を受け継いでの名づけなのだろう。
そんなオレゴノミの兄姉も珍名ぞろい。サアドウゾに始まり、オマワリサン、コリャコリャ、ワラッチャオ、オモシロソウ、ハハハなど思わず笑みがこぼれる馬名が並ぶ。中でも特に有名なのは、オマワリサンだろう。逃げて初勝利を飾ったときは「追いかけられたオマワリサンが逃げ切った」と話題になった。
そんなオレゴノミだが、実は隠れた良血馬でもある。アララットサンの母はダイナフェザーという馬で、全妹があのダイナカール。つまりエアグルーヴの一族と近親の関係にあたる。
一方のイロゴノミの一族も負けじと珍名馬がそろっている。
母の名は色気がムンムン漂う、その名もイロジカケ。兄姉は3頭いるが、上からイロゴトシ、イロエンピツ、イロコイザタという「イロ」シリーズになっている。
馬主の内田玄祥氏は、他にもオトナノジジョウやヨアソビ、コアクマなど“魅惑的”な馬名が多いことでも有名だ。
さて、肝心のオレゴノミとイロゴノミの競走馬としての実力だが、調教タイムなどを見る限り、苦戦は免れそうにない。それでも走ってみないとわからない2歳戦。出るからにはチャンスはあるだろう。
もしゴール前でこの2頭が競り合う展開になれば……。「インからイロゴノミ!大外オレゴノミ!イロゴノミか、オレゴノミか、まったく並んでゴールイン!」
ぜひ2頭には、そんなアナウンサー泣かせのデッドヒートを演じてもらいたいところだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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