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オーナー「まぁ見ておれ」函館2歳Sの秘密兵器

オーナー「まぁ見ておれ」函館2歳Sの秘密兵器の画像1
撮影:Ruriko.I

 16日、函館競馬場では、2歳世代最初の重賞である函館2歳S(G3)が行われる。

『netkeiba.com』の予想オッズを見ると、武豊騎手のクリダームが1番人気、これに吉田隼人騎手のスプレモフレイバーが続く展開。他には、オマツリオトコや連闘で臨むアスクドリームモアなども人気を集めそうだ。

 そんななか、馬名通り“秘密兵器”になりそうなのがニシノシークレット(牡2歳、美浦・村田一誠厩舎)だ。

 単勝オッズは20倍台で、7番人気前後と予想されている。6月以降にデビューした若駒同士による対戦なので力差を測るのは簡単ではないが、現時点でニシノシークレットは有力馬の1頭とまではいえない存在だ。

 そんなニシノシークレットのデビュー戦を改めて振り返っておこう。

「芝でも行けるな。これでほぼ万全。まぁ見ておれ」

 

 舞台は今月2日に7頭立てで行われた函館ダート1000mだった。今回も手綱を取る勝浦正樹騎手を背に好スタートを決めると、スピードの違いでハナに。直線を迎えても終始楽な手応えのまま後続との差は広がる一方。最後は2着馬に5馬身差をつける完勝だった。

「ハナを切った時点で勝負ありといった感じでしたね。脚抜きのいい馬場(重)だったとはいえ、59秒7という走破時計も初戦としては優秀でした。今回は初めての芝、かつ1200mの距離がどうかですが、陣営はこなせるとみているようですよ。状態も良さそうですし、一発があってもおかしくないと思います」(競馬誌ライター)

 前走から中1週での競馬となるが、中間も元気いっぱいの様子。函館芝コースで行われた最終追い切り後にはオーナーの西山茂行氏が自身のTwitterに「芝でも行けるな。これでほぼ万全。まぁ見ておれ」と笑っている顔文字付きでツイートし、愛馬の出来の良さに自信を見せた。

「3万人を超えるフォロワーがいる西山オーナーの当該ツイートには2000を超える『いいね』がつきました。(ニシノシークレットを)狙っているファンからは『秘密にしておいて』という声も聞こえてきそうですね(笑)

西山オーナーといえば、ブログやTwitterなどSNSを通じて積極的に愛馬の情報を発信していることでも知られています。実はニシノシークレットのデビュー戦直前にもあるツイートが話題に上っていました」(同)

 それが「勝浦対武豊はどう見ても格が違う。武豊さまに任せました」という内容のツイートだった。ニシノシークレットが勝ち上がった新馬戦にはニシノシャイニングとの2頭出しで臨んでおり、武騎手がニシノシャイニングの鞍上を務めていたのだ。ツイートの内容から、西山オーナーは武騎手騎乗のニシノシャイニングを上に見ているのでは、という意見もあったが、終わってみれば7頭立てのブービー6着。2頭出しは明暗が分かれる結果に終わっていた。

「昨日の友は今日の敵?」。十数年前に、そんな題名のテレビドラマがあったが、西山オーナーにとって函館2歳Sは、まさにこの状態。2週間前は味方だった武騎手が今回はクリダームという強敵とともに大きな壁となってニシノシークレットの前に立ちはだかる。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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