JRA【函館2歳S(G3)展望】武豊「25年ぶりV」へ、新馬主インゼルレーシングに「電光石火」の重賞制覇をプレゼント!?

先月11日に開幕した函館開催もいよいよ最終週。フィナーレを飾る函館記念(G3)の前日、16日には2歳世代最初の重賞レース、函館2歳S(G3)が行われる。
どの馬もまだ1~2戦とキャリアが浅く、力の比較は難しいが、中心は同コースで新馬勝ちした3頭だろう。
1頭目は、昨年設立されたばかりの一口馬主クラブ、インゼルレーシングが送り込むクリダーム(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)である。
インゼルレーシングの代表を務めるのは松島悠衣氏。父が松島正昭氏なので、実質キーファーズの傘下といえる新興一口クラブである。クリダームは、初年度に募集された19頭のうちの1頭で、先月12日の2歳新馬戦でクラブの初陣を見事に飾った。
鞍上にいたのはもちろん武豊騎手。2番手追走から直線力強く抜け出す好内容で、開幕週の高速馬場も味方に1分9秒5という優秀な勝ちタイムで駆け抜けている。
武騎手は、クリダームを「能力のある馬」と褒め称えたが、一方で、返し馬では止まらなくなるシーンもあり「気性が少し前向きすぎるのが今後心配」と注文もつけていた。
血統的には父が中長距離向きのハーツクライだが、母系は早熟の短距離志向。母のブーケトウショウは未勝利だったが、祖母マザートウショウは天性のスピードを武器に新馬、函館3歳S(当時)を連勝し、桜花賞(G1)でも4番人気に支持された。しかも母の父がサクラバクシンオーで、まさに1200m戦にうってつけといえるだろう。
新馬戦と同じ舞台なら気性の悪さを露呈する可能性も低いか。武騎手は勝てば、1997年のアグネスワールド以来となる。アグネスワールドとはその後、海外G1を2勝した名コンビとなったが、クリダームで25年ぶりの“夢”を見ることはできるか。
吉田隼人騎手が騎乗予定のスプレモフレイバー(牡2歳、美浦・久保田貴士厩舎)も函館芝1200mを勝ち上がった1頭だ。
こちらは開幕2週目の新馬戦を1分9秒9で走破した。時計的にもクリダームと実力は互角といえそうだ。
その前走は、8頭立ての6番枠から楽にハナに立つと、そのまま2馬身差をつけて逃げ切り勝ち。吉田隼騎手は「今後競馬を覚えて色々な競馬ができるようになれば、可能性も広がると思います」と、逃げにはこだわらない姿勢を見せている。
血統的にはクリダーム以上に短距離向きの可能性もある。父ダイワメジャー、母の父サクラバクシンオーという血統から、2歳戦の1200mはピッタリ。勝ち上がった新馬戦のメンバーレベルも高く、あっさり2連勝を飾っても全く不思議はない。
ブトンドール(牝2歳、栗東・池添学厩舎)は、傷みが出始めたAコース7日目の稍重馬場で1分11秒1をマーク。牝馬にはタフな条件だったが、好位から抜け出す横綱相撲で完勝を収めた。
鞍上を務めた鮫島克駿騎手はレース後「調教をびっしりとやったわけではありませんが、良いレースができました」とコメント。「次回に上積みがありそう」とも話しており、中1週というローテーションにはなるが、3頭の中では最も上がり目に期待できそうだ。
血統を見ると、この馬にもサクラバクシンオーの血が流れている。父は直仔のビッグアーサーで、ブトンドールはその2年目産駒。初年度産駒のトウシンマカオは2歳戦から活躍しており、産駒の重賞初Vがここで叶うか。
函館ダート1000mを勝ち上がったオマツリオトコ(牡2歳、美浦・伊藤圭三厩舎)と、ニシノシークレット(牡2歳、美浦・村田一誠厩舎)の2頭は初の芝となるが、チャンスは十分ありそう。
オマツリオトコは父が1000万下勝ちしかないヴィットリオドーロ、母の父がダートG3を5勝したスマートボーイというかなり地味な血統。それでも調教での動きは目立っており、実戦でも出遅れを挽回しての5馬身差をつける圧勝デビューだった。
ニシノシークレットも同じくデビュー戦は先手を奪っての5馬身差勝ちだった。村田一誠調教師×勝浦正樹騎手の同期コンビに初勝利をお膳立てした西山茂行オーナーの“采配”も見事だった。芝でも同じようなスピードを発揮できるか。
東京芝1400mから2連勝を狙うのはロッソランパンテ(牝2歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)。近親に京成杯(G3)勝ちプロフェットや京都2歳S(G3)勝ちのクラージュゲリエがいて、血統的には2歳戦向きといえそうだ。
この他に、ともに2戦目で勝ち上がったシンゼンイズモ(牡2歳、栗東・荒川義之厩舎)、ミシェラドラータ(牡2歳、栗東・清水久詞厩舎)は、他馬よりも多い経験値を生かしたい。
2020年に生まれた世代の最初の重賞ウイナーになるのは、果たしてどの馬か。注目の函館2歳Sは16日、15時25分に発走を予定している。
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