
JRA M.デムーロ「ウソでしょ!?」エフフォーリアより走るに思わず小躍り!?

「本当に最近は元気モリモリです! だから、もっともっとたくさん乗りたいね」
今週更新された『netkeiba.com』で連載中の『Road to No.1 M.デムーロ世界一になる』にてそう宣言していた通り、23日は1日11鞍に騎乗と元気一杯だったM.デムーロ騎手。「僕は連闘(続けてレースに騎乗すること)が向いていると思う」と話す通り、この日は1勝を挙げるなど5度馬券に絡み、存在感を発揮している。
だが、その一方で得意の大レースでは、その勝負強さが影を潜めている。
今年の目立った勝利はライラックによるフェアリーS(G3)と、プルパレイのファルコンS(G3)のみ。3月を最後に重賞勝利から遠ざかっており、オークス(G1)と阪神ジュベナイルF(G1)をはじめ、重賞7勝を挙げた昨年の勢いが感じられない状況だ。
ただ先月、そんなデムーロ騎手とのコンビで大レースを狙える逸材が現れた。DMMドリームクラブに所属し、6月25日の新馬戦を制したシャンドゥレール(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
「エフフォーリアより走る?」超大物2歳登場
DMMドリームクラブとデムーロ騎手といえば、日本初の米ブリーダーズCフィリー&メアターフ制覇などG1・4勝を挙げたラヴズオンリーユーがあまりに有名だ。キャリア晩年は川田将雅騎手とのコンビで国際G1を制したが、2019年のオークスをはじめ、デムーロ騎手とも苦楽を共にした名コンビとしてファンの記憶に残っている。
実際にシャンドゥレールが東京・芝1800mのデビュー戦を快勝した際、デムーロ騎手は「とても強かったです」と開口一番に絶賛。「まだ何もわかってないのに、能力だけで走ってくれました。能力が高いですし、楽しみ」と今後に向けての印象的なコメントを残している。
ただ、そんな大物候補のデビュー戦の直前には、管理する国枝調教師とちょっとしたやりとりがあったそうだ。
「この馬、エフフォーリアより走るよ!」
レース当日のパドックでのこと。国枝調教師が本番直前になって引き合いに出したのは、言わずと知れた昨年の年度代表馬。シャンドゥレールの父エピファネイアの最高傑作である。これにはデムーロ騎手も思わず「ウソでしょ!?」と、逆にプレッシャーを感じたようだ。
「(エフフォーリアは)他厩舎(鹿戸雄一厩舎)の馬ですし、国枝調教師も冗談半分でしょうけど、それだけ厩舎の期待が大きいことは確かでしょうね。デビュー戦の後には『パワータイプの印象だったけど、軽い馬場でも大丈夫だったね』と東京の芝で勝てたことで大きく展望が開けた様子でしたよ。デムーロ騎手にも『大事に乗ってくれた』とお褒めの言葉がありました。
ただ、デムーロ騎手が『まだ何もわかってない』と言えば、国枝調教師も『まだ子供だから周りに迷惑を掛けてしまった』と口をそろえている通り、ゲート入りはゴネるし、スタートしてすぐに尻っ跳ねをすれば、レース中も物見をしてフラつくなど、まだまだ子供といった印象。その分、上積みが大きいことは確かでしょうけど、気性面は課題になっていくでしょうね。
アーモンドアイ、アパパネと2頭の牝馬三冠馬を手掛けている国枝調教師ですが、意外にも牡馬クラシックとは縁に恵まれていません。『先々が楽しみ』と話していた通り、ここから順調に成長していけば当然、厩舎にとっても待望の牡馬クラシック制覇が見えてくると思います」(競馬記者)
「勝ったあと、めちゃめちゃテンションが上がったね。久々に踊っちゃいました(笑)。楽しみです、本当に!」
デムーロ騎手が思わず小躍りしたのも、シャンドゥレールがそれだけ期待できる逸材だからこそ。次走に予定されている札幌2歳S(G3)は、昨年が皐月賞(G1)を勝ったジオグリフ、一昨年が桜花賞(G1)を勝ったソダシが制すなど、近年は最高レベルの出世レースとなっているだけに、まずはここが試金石となりそうだ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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