
函館記念でも期待大!? マイネル軍団の「必勝パターン」
みなさんは人生で“勝負所”を経験したことはあるだろうか。
若き日の高校・大学受験、仕事で任された大きな取引、もしくは軍資金を一挙投入した勝負レース……。大小は様々だが、こうした“勝負所”で結果を出せるかどうかは後の運命を大きく左右することとなる。
17日に行われる函館記念(G3)の中にも1頭、今後の命運を左右する“勝負所”を迎える馬が存在する。その馬こそがマイネルウィルトス(牡6歳、栗東・宮徹厩舎)である。
マイネルウィルトスは昨年のアルゼンチン共和国杯(G2)、そして前走の目黒記念(G2)でそれぞれ2着に好走している実力馬。この2つのハンデ戦では、いずれも56kgの斤量を背負って結果を残しているものの、今回の函館記念ではG3にも関わらず斤量は据え置きの56kg。ハンデに関しては恵まれたといっていいだろう。
こうした点が評価されてか『netkeiba.com』の想定オッズでも1番人気となっており、メンバーの中では勝利に最も近い1頭といえる。昨年の札幌記念(G2)では好メンバーが揃った中で4着に好走しているように、洋芝への適性も証明済み。あと一歩で逃している重賞初制覇に向けて、今回は必勝態勢といえるだろう。
マイネルウィルトス陣営にとっても“勝負所”といえる今回の函館記念。その姿勢は騎手起用にも表れている。

マイネル軍団の「必勝パターン」
今回のレースでマイネルウィルトスにはM.デムーロ騎手が騎乗するが、実はこの騎手起用こそがマイネル軍団の「必勝パターン」。マイネル軍団の馬は柴田大知騎手や丹内祐次騎手といった“お抱え騎手”の騎乗が定番といえるが、近年では勝負所といえるレースに関してはリーディング上位の騎手の騎乗が目立つようになっている。
その中でも特に信頼を置かれているのがデムーロ騎手だ。昨年はユーバーレーベンに騎乗してオークス(G1)を制したほか、最近の宝塚記念(G1)でもマイネルファンロンに騎乗し14番人気ながら5着と善戦を果たしている。
こうした大舞台でのデムーロ騎手のマイネル軍団への貢献は数字にも表れており、重賞レースでサラブレッドクラブ・ラフィアンの所有馬にデムーロ騎手が騎乗した際の成績は2021年以降で(2-2-1-6)と良好だ。
また、上記の11レースの中で2桁着順に大敗したのは1度のみであり、残りのレースでは全て6着以上の結果を収めている。マイネル軍団の側から「ある程度勝負になる」と見込んだケースにおいてデムーロ騎手を起用しているということだ。
マイネルウィルトスに関しても、デムーロ騎手が騎乗したのはキャリア33戦の3戦のみ。この3戦全てが重賞レースでのものであり、そのうち2戦で2着に食い込みしっかりと結果を残している。今回もデムーロ騎手が騎乗するということは、陣営もここを勝負所と見込んでいる証左といえる。
マイネル軍団が必勝を期して送り込んでくるといえるマイネルウィルトス。果たして函館記念で念願の初タイトルを獲得することができるのか、その走りに期待したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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