JRA【函館記念(G3)展望】宝塚記念除外「鬱憤」晴らすサンレイポケットVS岩田康誠も認める高い「ポテンシャル」スカーフェイス!
17日、函館競馬場では荒れるハンデ戦として知られる函館記念(G3)が行われる。特に過去2年は2桁人気の馬が4頭も馬券に絡んでおり、穴党には見逃せない一戦である。
過去10年で「1-0-0-9」と苦戦を強いられているのが1番人気の馬。今年はG1でも好走実績のあるサンレイポケット(牡7歳、栗東・高橋義忠厩舎)が人気を集めそうだが、キャリア27戦目で初の洋芝など不確定要素も少なくない。
この春は宝塚記念(G1)を大目標に定め、京都記念(G2)で始動。6番人気ながら3着に好走したが賞金加算には失敗した。続く金鯱賞(G2)では逆に3番人気を裏切り7着に敗れると、鳴尾記念(G3)では差し届かずの3着。結局、宝塚記念は賞金不足で除外される羽目になってしまった。
秋のG1出走を見据えて、確実に賞金を加算しておきたいサンレイポケット。命運を握るのが主戦・鮫島克駿騎手だ。
昨年の新潟大賞典(G3)で初タッグを組んで重賞勝利をもたらすと、その後の全レースで手綱を取っている。前走・鳴尾記念は「思っていたより2列くらい後ろになりました」と位置取りの“想定外”を告白。その反省も踏まえて、今回はある程度前目の位置を取りに行くだろう。
8年目を迎えた25歳の鮫島駿騎手は今年好調で、自身初の全国リーディングトップ10入りも狙える位置につけている。ここを勝てば、昨年2位で惜しくも逃したサマージョッキーズシリーズ優勝へ大きく浮上する。
昨年の天皇賞・秋(G1)とジャパンC(G1)で連続4着に好走したパートナーとともに、宝塚記念不参戦の悔しさを晴らすためにも負けられない一戦を迎える。
48歳のベテラン岩田康誠騎手はスカーフェイス(牡6歳、栗東・橋田満厩舎)で、今年重賞6勝目を狙う。
昨秋にオープン入りを果たしたスカーフェイスは、12月のチャレンジC(G3)で5着に入ると、中山金杯(G3)では54kgのハンデも生かして2着に好走。続く小倉大賞典(G3)は5着に終わったが、初G1の大阪杯(G1)で15番人気の低評価を覆し0秒5差の6着に健闘した。
その前走はほぼノーマークの存在だったが、同馬の実力を最も高く評価していたのが岩田康騎手。レース直前の『スポニチ』の取材に対し、「ポテンシャルは凄い。6歳でやっと完成してきたのかな」と、今年に入ってからの充実ぶりを打ち明けていた。
有言実行となるG1での好走を経て、初の洋芝で重賞制覇をつかみ取れるか。
M.デムーロ騎手とのコンビで2年連続参戦を果たすのはマイネルウィルトス(牡6歳、栗東・宮徹厩舎)だ。
昨年は4月に極悪馬場の福島民報杯(L)を大差勝ちし、函館記念に出走。結果次第では凱旋門賞(G1)挑戦の可能性もあったが、3番人気で8着に敗れて国内に専念することになった。
その後は札幌記念(G2)4着、アルゼンチン共和国杯(G2)2着など中長距離のG2戦でたびたび好走している。4か月半ぶりで臨んだ前走の目黒記念(G2)も2着。ひと叩きされた今回は更なる上昇も期待できるだろう。鞍上のデムーロ騎手とともに北の大地で重賞初勝利を狙う。
この夏も函館に滞在中の武豊騎手が騎乗するのは、重賞2勝のフェアリーポルカ(牝6歳、栗東・西村真幸厩舎)だ。
2年前に中山牝馬S(G3)と福島牝馬S(G3)を連勝。その後は勝利こそないが、芝ダート問わず大崩れせず、堅実な競馬を続けている。
北海道の洋芝で走るのは今回が3回目。過去2回はいずれも牝馬限定のクイーンS(G3)で、2年前は6着、函館で開催された昨年は4着と馬券には絡めていない。それでも勝ち馬とのタイム差がどちらも0秒2なら、ここで一発があっても驚けないか。
武騎手は函館記念に過去8回騎乗し、2013年にトウケイヘイローで逃げ切り勝ちを収めている。今年最後の函館重賞で9年ぶり2度目の勝利をつかめるか。
アラタ(牡5歳、美浦・和田勇介厩舎)は、4歳春から秋にかけて4連勝を飾った逸材。重賞は1番人気に支持された昨秋の福島記念(G3)3着が最高だが、函館では2戦2勝と洋芝実績が光る。鞍上はテン乗り横山武史騎手を予定している。
この他には2年前の当レースを15番人気で制し、三連単343万馬券を演出したアドマイヤジャスタ(牡6歳、栗東・石坂公一厩舎)、3歳時に京成杯(G3)とセントライト記念(G2)を制しているジェネラーレウーノ(牡7歳、美浦・矢野英一厩舎)、白毛馬ハヤヤッコ(牡6歳、美浦・国枝栄厩舎)なども虎視眈々と上位をうかがう。
函館のフィナーレを飾る函館記念は17日、15時45分に発走予定だ。
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