JRA「サトノ軍団」史上最大の不振…オーナー期待の3歳世代No.1がデビュー「7連敗」の大誤算。サトノダイヤモンド、サトノクラウン輩出の名門に陰り
かつての名門に苦戦の日々が続いている。
9日、函館競馬場で行われた6Rの3歳未勝利は藤岡佑介騎手の1番人気アメジストブラックが優勝。2019年の中山牝馬S(G3)2着、2021年の愛知杯(G3)で3着したウラヌスチャームを姉に持つ良血が、デビュー3戦目で嬉しい初勝利を飾った。
その一方で、上位人気勢で唯一の二桁着順に敗れたのが、4番人気に推されたサトノドルチェ(牡3、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
サトノドルチェは、パチンコ・ゲーム機器大手セガサミーホールディングスの会長であり、冠名「サトノ」軍団を率いる里見治オーナー(現在の名義は『株式会社サトミホースカンパニー』)がデビュー前に「一番期待している」と語っていた存在。ところがその期待も虚しく、デビューから今回で7連敗といまだ初勝利から遠ざかっている。
姉に重賞2勝のテルツェット、叔母にBCフィリー&メアターフ(G1)を制したラヴズオンリーユーがいる良血でありながら、昨年10月のデビュー戦以来いまだ足踏みが続いている。
14頭立ての芝2000mで行われたレース。3コーナー付近で早くも鞍上が押し上げようとするも、手応えに余力がない。4コーナーにかけてズルズルと後退しながら最後の直線に入ると、ゴールまで挽回することもなく惨敗を喫した。
「うーん、最初に脚を使ってしまったからでしょうか、最後は余力が残っていませんでしたね。デビュー以来何度か2、3着には好走しているのですが、勝ちきれない状況が続いています。現3歳世代の未勝利戦終了の9月まで残りわずか。何かキッカケが欲しいところですね」(競馬誌ライター)
「サトノ」軍団といえば、菊花賞(G1)と有馬記念(G1)を制し、6月から産駒がデビューしている新種牡馬サトノダイヤモンドや、香港ヴァーズ(G1)と宝塚記念(G1)を制したサトノクラウンら名馬を輩出。
他にも昨年新種牡馬としてデビューした安田記念(G1)覇者サトノアラジンや、来年新種牡馬としてデビュー予定の朝日杯FS(G1)覇者サトノアレスなど、近年は幾度となくG1戦線を沸かせてきた精鋭集団だ。
「サトノ軍団」史上最大の不振…
しかし、近年は徐々に一時の勢いを失い、桜花賞(G1)2着、日本ダービー(G1)で5着した看板娘のサトノレイナスが怪我から復帰することなく今年2月に引退すると、ついにG1級が不在となっている。
現3歳世代でも目立っているのは、スプリングS(G2)と先週のラジオNIKKEI賞(G3)でともに3着に好走したサトノヘリオスくらい。前述したサトノドルチェやデビュー戦で単勝1.4倍に推されながらも2着に敗れたサトノアヴァロンも未勝利のまま引退するなど、期待の若駒たちの誤算が続いている。
一方の古馬勢も弥生賞ディープインパクト記念(G2)を制したサトノフラッグが昨年6月のエプソムC(G3)で2着したのち骨折により6か月以上の休養を余儀なくされ、いまだに復帰を果たせていない。
また昨年、富士S(G2)でソングラインの2着に好走したサトノウィザードもマイルCS(G1)を目標に調整を進めていたものの、脚元の不安でこれを回避。今年の安田記念を目標に切り替えていたが、ついに出走は叶わなかった。
昨年には2013年から2020年まで8年間続いていた重賞連続勝利も途絶え、「サトノ」の存在感が徐々に薄れてきた印象だ。
一時は、ディープインパクトの金子真人氏やアドマイヤ軍団の故・近藤利一氏などを差し置いて、クラブ法人を除く個人馬主ランキングでトップに君臨したこともある里見氏。だが、現3歳世代の不振や重賞好走馬の相次ぐ離脱で窮地に陥っている。
一時の勢いが嘘のようにG1の舞台から遠ざかっている「サトノ」軍団。再び大舞台を沸かせる復活の時は訪れるのだろうか。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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