「史上初5連勝」JRA秋のG1レース1番人気連勝記録が継続中! 記録達成はグランアレグリアに託された!
今週は秋のマイル王決定戦マイルCS(G1)が行われるが、この秋のG1シリーズでJRA初となる意外な記録が継続していることをご存じだろうか。なんとスプリンターズSから先週のエリザベス女王杯まで、G1レースで1番人気が5レース連続で勝利しているのである。
■スプリンターズS
グランアレグリア 1番人気1着
(クリストフ・ルメール騎乗)
■秋華賞
デアリングタクト 1番人気1着
(松山弘平騎乗)
■菊花賞
コントレイル 1番人気1着
(福永祐一騎乗)
■天皇賞(秋)
アーモンドアイ 1番人気1着
(クリストフ・ルメール騎乗)
■エリザベス女王杯
ラッキーライラック 1番人気1着
(クリストフ・ルメール騎乗)
これは秋華賞が創設された1996年以降で初めてのこと。そもそもG1レースで1番人気が勝利するのは、強い馬がファンの期待通りに勝つということでもあり、それは素晴らしいことでもある。
しかし1番人気であれ簡単に勝つことができないのが競馬。これまでの連勝記録を見てみると、なんと1997年、2002年、2015年、2018年のスプリンターズSから秋華賞までのわずか2連勝が4回のみ。つまり3連勝ですらなかったのが、今年はなんと5連勝なのである。これまでの成績からこの連勝がいかに困難で、そして見事な記録かお分かりいただけるだろう。それだけにこの5連勝の価値は非常に高いといえるが、それほど今の現役世代は人気と実力を備えたタレント揃いなのである。
しかし今年は、なぜここまでの結果を残しているのだろうか。
まず考えられるのは、人馬ともに人気に応えられるだけの実力を備えているということだろう。秋華賞のデアリングタクトや菊花賞のコントレイルは、ともに無敗の三冠馬であり、実力は抜きんでている。この勝利はある意味必然ともいえるだろう。
もう一つは、ノーザンファームとルメールにあるといえる。スプリンターズSを制したグランアレグリア、天皇賞(秋)を勝利したアーモンドアイ、エリザベス女王杯を連覇したラッキーライラック、いずれもノーザンファームの生産馬であり、鞍上はC.ルメール騎手なのである。つまりノーザンファームとルメールのコンビで1番人気になれば、この秋のG1レースは全勝という結果となっているのだ。
グランアレグリアもアーモンドアイもラッキーライラックも、いずれも1番人気にふさわしい実力馬であるが、もし鞍上がルメールでなければ、それらのレースを勝利できたか疑問に感じるファンもいるだろう。
スプリンターズSのグランアレグリアは、安田記念以来の休み明けでプラス12キロの馬体増。しかもレースはスタートで出遅れてしまい最後方から。並みの騎手ならここで慌ててしまうだろうが、ルメールは無駄に脚を使わず直線勝負にかけ、大外一気で14頭をごぼう抜きという圧勝をやってのけたのである。これが他の騎手であれば、あんな競馬ができただろうか。
またエリザベス女王杯のラッキーライラックは乗り替わりで初めての騎乗、しかも阪神芝2200mで不利とされる大外18番枠に入った。実際に枠を不安視する声も多く聞かれたが、そんな周囲の声とは裏腹に、ルメールは完璧な騎乗で同馬を勝利に導いたのである。これも他の騎手であればどんな乗り方になっただろうか。いずれにせよ、この秋のG1レースにおける1番人気の5連勝は、騎手の実力と馬と実力が噛み合った結果と言えるだろう。
今週のマイルCSは、おそらくルメールが騎乗するグランアレグリアが1番人気、そして2番人気は3歳馬のサリオスと思われる。もしこの人気が逆転するようであれば、6連勝の連勝記録に黄色信号が灯るかもしれない。しかしこのままグランアレグリアとルメールのコンビが1番人気であれば、G1レースの1番人気連勝記録がさらに伸びる可能性は非常に高そうだ。
そして来週のジャパンCで1番人気に支持されるのは、アーモンドアイかコントレイルか、それともデアリングタクトか。現時点でははっきりしないが、もし今週のマイルCSで1番人気が勝利すれば、その勢いを受けジャパンカップも1番人気が勝利する可能性は高い。
そして再来週のチャンピオンズCには、現役最強ダート馬のクリソベリルが出走を予定している。国内ダート8戦8勝の実績からも、同馬が1番人気に支持され連覇を果たす可能性も非常に高い。
その後は阪神JF、朝日杯FS、ホープフルS、有馬記念と続くが、もしスプリンターズSから有馬記念まですべてのG1レースで1番人気が勝利すれば、まさにJRA史に残る快挙といえるだろう。
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