JRA【プロキオンS(G3)予想】評価の高いラーゴムは危険な人気馬!昨年に続き荒れるコースだからこそ買える穴馬をピックアップ
今回はダート重賞、プロキオンS(G3)を予想していく。
まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。京都競馬場改修の影響で本来は中京開催の重賞であるのだが、20年は阪神、昨年と今年は小倉と開催場が変更されている。また、小倉開催分は本来の距離より300m延長された1700mで施行されている。
天保山S(OP)、アハルテケS(OP) 各5頭
かしわ記念 3頭
栗東S(OP)、欅S(OP) 各2頭
目黒記念、函館記念、アンタレスS、東京スプリント、さきたま杯、かきつばた記念、北海道スプリントC 各1頭
オープン特別 3頭
条件特別(3勝クラス) 2頭
海外遠征 1頭
となっている。JRAのダート重賞が少ないせいもあって、オープン戦を経由してきた馬が多い。重賞組は交流重賞ばかりだが、かしわ記念のようにG1格付けのレースから転戦してきている馬もいるので、この辺のパワーバランスは精査が必要だろう。条件戦を使ってきた馬は意外にも2頭しかいないので、こちらは軽視しても構わないだろう。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-2-2-4
2番人気 2-2-2-4
3番人気 0-2-0-8
4~6番人気 4-2-2-22
7~9番人気 1-1-2-26
10番人気以下 1-1-2-61
となっている。1番人気と2番人気は相応にアテにできそうな数字ではある。中京開催時には上位人気がすべて飛ぶようなことはなかったのだが、開催場が変更されたこの2年は上位人気がすべて飛んでしまい、昨年は194万馬券、一昨年は82万馬券と荒れ放題になっている。今年もこの傾向は続くことが予想されるので、人気薄は要チェックだろう。
これを踏まえて「◎」は人気薄の14番ヴェルテックスとする。
前走はダイオライト記念(G2)。中団から競馬を進めるが、前が止まらなかった上に直線での伸びを欠いて6着に敗れている。
この馬は2歳から3歳夏まで7回の2着はあれど未勝利を勝ち上がることができず、一旦園田へ転出している。これが良かったのか園田で連勝して再び中央へ戻り、昨年春のうちに1勝クラスからアッという間に3勝クラスまで脱けてオープン入りした。
そこからの3戦が案外だったものの、秋に入って再び調子を上げて近5走は前走の6着を除くと1勝3着3回と好成績を収めている。この中には名古屋グランプリ(G2)勝ちや川崎記念(G1)3着も含まれ、交流重賞ばかりながら実績はメンバー中でも見劣りしない。
昨年のこのレースは1分40秒9というスーパーレコードで決着しているが、重馬場だった昨年と違って今年は良馬場確実。となると、それなりの時計になるだろうが高速決着にならない可能性が高い。そう考えると地方で好成績を収めてきたこの馬に出番が回ってくる可能性が十分にある。中央での実績でない分人気はないが、だからこそ狙いたい1頭だ。
「○」は昨年の3着馬、5番メイショウウズマサを挙げる。
前走はアハルテケS。59kgを背負いながらハナを奪い、直線でもよく粘ったが斤量が堪えたのか後ろに交わされ3着となった。
昨年のスーパーレコードの立役者とも言える馬だが、キャリアを通じて成績が安定していない馬で、近5走を見ても前走の3着以外に1勝2着1回を挙げている一方で、人気を背負いながら不可解な大敗を喫してもおり、馬の調子によるところが大きいとも考えられる。
陣営からはデキの良さをアピールする声が聞こえてくるが、前走の走りを見る限り問題はなかろう。ハナを奪って自分のペースで走れれば、ということだが、今回は前走より斤量も3kg減と楽になるだけでなく、メンバーに同型馬がいないので自分の形に持ち込んで昨年の再現も可能と見た。
「▲」は人気しそうだが、15番サンライズウルスを推したい。
前走は立夏S(3勝クラス)。中団から前を見る競馬で直線に入って抜け出し、そのまま後続を振り切って3馬身差で完勝している。
昨年まで2勝クラスで若干足踏みしつつも秋に脱出し、年を越して今年の初戦で3勝クラスを3着。だが、前走であっさり3勝クラスも脱けてオープン入りした初戦がこのレースとなる。
勢いに乗れれば好成績を挙げる反面、つまずくと成績を落としてしまうのがキャリアを見た印象。と考えると、昨年秋からのこの勢いがあればいきなりの重賞制覇もあっておかしくない。陣営も器用さに欠けるところがあったがブリンカーの着用で改善されたとし、決め手勝負でも引けを取らないと自信のほどをのぞかせている。
マイルが主戦場で、2走前に走った初の中山ダート1800m戦で3着となっているので距離や小倉の小回りコースへの対応が気になるところはあるが、能力値で超えてしまうのではないか。期待値込みではあるが人気でも押さえたい。
「△」は7番アルドーレと12番ゲンパチルシファーの2頭とする。
アルドーレの前走はスレイプニルS(OP)で、1番人気を背負って中団で競馬していたが、4コーナーでポジションを下げ、そのまま直線でも伸びを欠いて6着となった。
オープン入りしたのは19年のことだが、そこからオープン戦でも重賞でも、もう一息の競馬がずっと続いていた。2走前で1年9カ月ぶりの勝ち星を挙げたものの、前走では再び負けという流れだが、陣営が言うように前走の敗戦は58kgの斤量が堪えた可能性がある。その証拠に2走前の勝利は56kg、3走前は59kgで4着と56kg以下に良績がある。その点、今回は56kgで出られるので斤量面では有利に働くはず。小倉の今回のコースも経験済みで勝っているので押さえは必要だろう。
ゲンパチルシファーも前走はスレイプニルSで、こちらは番手から競馬を進めて直線でも粘って3着を確保した。
昨年秋にオープン入りを果たしているが、オープンでは今ひとつの成績で、重賞も今年の東海S(G2)で7着だけというところ。ただ、前走は8カ月ぶりに馬券に絡む好走を見せたところから、調子が上がりつつある可能性がある。今回のこのコースも4戦してすべて馬券に絡んでおり、勝ち負けまではないだろうがコースとの相性も含めて押さえておきたい。
今回は「×」として13番ユニコーンライオンを押さえたい。
前走は宝塚記念(G1)でハナを奪って直線でも粘りきり、クロノジェネシスの2着と大健闘している。
詳しくはこの記事(ユニコーンライオンの記事リンクへお願いします)に詳しいが、この宝塚記念以降、脚部不安に悩まされ丸1年棒に振った格好になった。
19年のキャリアでダート戦はわずか2戦のみで、いずれも二ケタ着順の大敗を喫しており、芝G1で2着に入るほどの馬にダート適性があるとは到底思えない。が、血統面から見ると欧州血脈が強いのでダート向きとは言い切れないがパワーはあるはずで、近4走を見る限りこれまで馬場が渋ると凡走していたのが、好走しているあたりその血が目覚めてきた可能性がある。ダートの2戦はいずれも重馬場で足抜きが良かった分、却ってこの馬には向いていなかったと言えなくもない。速い時計を持っている馬ではないので、案外良馬場のダートであれば突然の好走も十分考えられる。陣営も試走のつもりで使うわけではなさそうなので、印は軽いが押さえてみたい。
人気の軸になりそうな16番ラーゴムは消し。
前走は吾妻小富士S(OP)で、3番手から抜け出してそのまま粘り切って勝利している。ダート1700m戦のタイムとしては悪くないタイムで勝っているのも人気のポイントだろう。
ただ、2走前のダート2000m戦ではあっさり負けており、このときは良馬場でパワーの要るコンディションだった。過去のキャリアを見てみても馬場が渋ると凡走しており、基本的に軽い芝向きの馬という印象だ。前走もダートで勝っているとは言え、足抜きのいい重馬場だったので、やはりパワータイプではないのだろう。
馬場が渋れば出番もあっただろうが、良馬場確実な今回は用なしと見て切りとする。
ということで、今回は5番、7番、12番、13番、14番、15番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。
人気が割れているようなので、人気薄が来ても高配当を望みにくいが、組み合わせ次第では意外な配当にありつける可能性がある。ユニコーンライオンについては個人的に押さえたいと考えているが、ないと感じれば切って10点勝負としてもいいだろう。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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