
三冠トレーナー×「崖っぷち騎手」がリベンジへ!
17日、函館競馬場では芝2000mを舞台にハンデ重賞、第58回・函館記念(G3)が行われる。
昨年は2番人気のトーセンスーリヤが優勝したものの、2着に14番人気アイスバブル、3着にも12番人気のバイオスパークが入ったことで、三連単は20万円を超える高配当の決着となった。
そんな波乱の立役者であったアイスバブル(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)が、今年も参戦を予定している。
前哨戦の前走・巴賞(OP)では10着に敗れたが、59キロを背負って勝ち馬から0秒7差なら悪くないだろう。陣営はレース前「いい競馬で次につなげたい」と話していたことから、函館記念へ向けて叩きの意味合いも強かったか。
今回、課せられたハンデは前回から5キロ減の54キロ。昨年55キロで2着だったことを考えると、かなり恵まれたといえるかもしれない。ちなみに54キロは過去【1-2-0-1】で連対率75%、2019年の目黒記念(G2)では2着に入った実績もある。
リベンジの条件は十分に揃ったといえそうだが、『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズでは13番人気と今年もまったくの人気薄が濃厚。このまま行くようなら昨年に引き続き馬券的妙味も十分だろう。
さらに陣営は『スポーツ報知』の取材に対し「洋芝も合うし、環境もいい。ハンデの54キロもいい」とコメントするなど、色気も見え隠れしているだけに、好走が期待できるかもしれない。
「なお管理する池江厩舎は本馬の他にサトノクロニクルも出走を予定。昨年は重賞未勝利に終わった同トレーナーですが、今年は重賞4勝を含む34勝を挙げてリーディングトップを快走するなど、調子を取り戻しつつあります。
かつてはオルフェーヴルで牡馬三冠も達成しているトップステーブルなだけに、この2頭出しは何とも不気味です」(競馬誌ライター)
「崖っぷち騎手」がリベンジへ!

そんな池江厩舎に所属し、昨年に続いてアイスバブルの手綱を執る水口優也騎手にも期するものがありそうだ。
2010年に美浦の加藤征弘厩舎からデビューした同ジョッキーは、その2年後の7月に栗東へと移籍。いくつかの厩舎を渡り歩いた後、18年1月から池江厩舎の所属となったキャリア13年目の苦労人である。
ここまでJRA通算64勝。重賞勝利はないものの、2着は昨年の函館記念と、セカンドテーブルで挑んだ2017年CBC賞(G3)の2回ある。
「17年のCBC賞はシャイニングレイにハナ差で敗れ、水口騎手は悔しさのあまり眠れなかったみたいです。セカンドテーブルは翌年も同レース3着、19年には3度めの正直が期待されましたが、同馬が故障してしまったため、その機会はやってきませんでした。それだけに、今回巡ってきたアイスバブルのチャンスはぜひともモノにしたいところですね」(同)
水口騎手はアイスバブルの全妹レースガーデンでも2勝を挙げるなど、この血統とは何かと縁もあるようだ。今年もまだ4勝の崖っぷちジョッキーが所属厩舎の馬で重賞初制覇するシーンにも期待してみたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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