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函館記念は今年も乱ペース?手塚師“激怒”から1年

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 17日には函館のフィナーレを飾る函館記念(G3)が行われる。

『netkeiba.com』の予想オッズを見ると、サンレイポケット、マイネルウィルトス、アラタ、スカーフェイスが単勝10倍以下。この4頭が他馬をやや引き離しており、今年の函館記念は“4強”といえそうだ。

 4頭に共通しているのは、その脚質。サンレイポケットを筆頭に、いずれも末脚を生かす競馬で結果を残してきた印象が強い。アラタは前走・都大路S(L)こそ逃げの手に出たが、5着に敗れており、今回は以前のように好位~中団に控える可能性もある。

 もし“4強”が末脚を溜める展開になれば、期待したくなるのは人気薄の逃げ馬の存在だろう。過去10年で逃げ馬は3勝しており、直線の短い小回り函館でノーマークの単騎逃げを打てれば、逃げ残るチャンスは十分に出てくる。

 逃げ候補の筆頭はジェネラーレウーノだ。前走・巴賞(OP)で久々にハナを切ったが、59kgの酷量も堪えたのか11着に大敗した。今回は一気に5kg減の54kgで出走できるとあって、ここでも思い切った手に出る可能性は高い。

 レッドライデンも逃げて結果を残している1頭。今年に入ってから自己条件の2勝クラス~3勝クラスを逃げ切って連勝。前走・福島民報杯(L)は大差の最下位に惨敗したが、ハナを切れなかったことも大きい。その反省を踏まえて、今回はハナにこだわる可能性が高そうだ。

1年前の乱ペースに手塚調教師が…

 

 ところで、函館記念におけるハナ争いで思い出されるのは1年前のレースである。覚えているファンもいるのではないだろうか。

「トーセンスーリヤが勝った昨年のレースですね。勝ち馬はかなりのハイペースのなか、離れた3番手からまんまと抜け出し快勝しました。1000m通過が58秒5という乱ペースを作り出したのは、先行馬のマイネルファンロンと、それまでほぼ差しの競馬しかしていなかったレッドジェニアル。

明確な逃げ馬が不在で、スロー濃厚といわれたレースでしたが、マイネルファンロンの秋山稔樹騎手とレッドジェニアルの坂井瑠星騎手がともにテンからハナを譲らず。並走しながら後続との差は広がる一方でした。途中で秋山稔騎手が乱ペースに気づいたのか、抑えにかかりましたが、掛かってしまったマイネルファンロンを御しきれず……。結局、2頭は共倒れという結果に終わりました。秋山稔騎手はレース後、管理する手塚(貴久)調教師からかなり厳しい言葉で批判されていたことを覚えています」(競馬誌ライター)

 現在は閲覧できなくなっているが、レース後には馬主の『ラフィアンターフマンクラブ』のホームページ上で手塚師のコメントが掲載されていた。

「ちぐはぐなレースになって申し訳ありません。騎手にはビデオも見てもらうようにして、稽古でも頻繁に乗ってもらい、途中から行きたがる、難しい面があることを伝えて把握してもらっていたのですが。にもかかわらず、今日は最初から促していきましたからね。状態が良いだけに、これではハミを噛むと抑えるのは難しくなります」(一部抜粋)

 文面からは手塚師の心中穏やかでないところがうかがい知れる。これを見たファンからは「手塚調教師が若手騎手に激怒」、「秋山騎手にガチギレ」など、秋山稔騎手に対する辛辣すぎるコメントが話題に上った。さらに“ダメ押し”となったのが、マイネルファンロンが次走の新潟記念(G3)を勝利した際の手塚師のコメントである。

「勝因は騎手です。うまく抑えてくれてはまったね。難しい馬なのにうまく乗ってくれた。きょうは騎手に尽きます」

 手塚師はテン乗りで12番人気のマイネルファンロンを勝利に導いたM.デムーロ騎手をそう絶賛。勝負の世界は結果が全てとはいえ、師の分かりやすすぎる反応には「デムーロと比べられて秋山騎手もかわいそう」などの声も一部であった。

 若手騎手2人による“暴走事件”から1年。今年も絶対に逃げたい馬は不在だが、果たして誰がどんなペースを作り出すのだろうか。枠順や陣営のコメントにも要注目だ。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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