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名牝に選ばれしエピファネイアに「疑惑」見え隠れ

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 エピファネイアの人気が止まらない。

 短距離G1を6勝し、昨年秋に引退したグランアレグリアとグランプリ3連覇を果たし、昨年の有馬記念(G1)で引退したクロノジェネシス。どちらも記録と記憶に残る名牝であるが、この2頭がエピファネイアを種付けし、無事受胎したことがわかった。

 エピファネイアと言えば、初年度産駒に無敗の3冠牝馬デアリングタクトを出し、2年目の産駒には昨年の年度代表馬エフフォーリア、3年目の産駒からも阪神JF(G1)を勝ったサークルオブライフなど毎年のようにG1馬を輩出しており、種牡馬入りした当時の評価を覆す名種牡馬への道を進んでいる、まさに今をときめく種牡馬だ。

 ただ当初は中堅どころの種牡馬といった250万円の種付け料だった。2016年から種付けが始まり、19年まではこの価格だったが、20年からは500万円に倍増。21年はさらに倍の1000万円、今年はついに1800万円とわずか3年で3倍以上に高騰。まさに「種付けバブル」が訪れていると言ってもいいだろう。

 種付け数も初年度から200頭超えで、今年分はすでに満口。2019の新種牡馬のうちではキズナも人気種牡馬ではあるが、それでもキズナの今年の種付け料は1200万円。エピファネイアとは大きく差がついてしまっている。

 エピファネイアといえば上記2頭だけではなく、一昨年引退した希代の名牝アーモンドアイの最初のお相手でもある。これだけでなく、2021年種付けした牝馬にはNHKマイルC(G1)を制したアエロリット(不受胎)、3冠牝馬ジェンティルドンナ(不受胎)、エリザベス女王杯(G1)・宝塚記念(G1)を制したマリアライト、オークス(G1)・エリザベス女王杯を制したメイショウマンボなど綺羅星のような名牝が名を連ねている。

エピファネイアに「疑惑」見え隠れ…

 まさにハーレム状態にあるエピファネイアだが、ご存じの通りいろいろ言われる種牡馬でもある。

 無論、一流種牡馬であることは間違いない。上記のように3年連続でG1馬を輩出している実績は文句なし。G1だけでも3世代で7勝という圧倒的な成績を収めている。

 ただ、一方で重賞全体を見るとわずか10勝しか挙げていない事実もある。同年種牡馬デビューのキズナはG1勝ちこそソングラインの安田記念とアカイイトのエリザベス女王杯の2勝しかないが、一方で重賞全体では18勝と倍近い成績を挙げている。

 さらにエピファネイアがマイル以上でしか勝ち鞍がないのに対し、キズナはスプリント戦から3000m戦まで幅広い距離で勝ち鞍を挙げている。加えて巷間言われている「エピファネイア早熟疑惑」がある。重賞ならアリストテレスが21年のAJCC(G2)を勝って以降、古馬重賞を1勝もしていないことが挙げられるものの、2歳や3歳の早い時期から活躍していることは魅力でもある。

 これほど極端に3歳までの成績に偏った種牡馬が人気になっているのか。ひとつには名牝だけに「箔を付ける」ためという理由が考えられる。付ければ走るかもしれないが、種付け料が安い馬を下手に付けて失敗するわけにはいかない、というわけだ。トップクラスの種牡馬であれば走らなくてもこれだけの馬を付けたんだから、と諦めがつくと言える。

 3歳までに好成績を挙げて、その後鳴かず飛ばずになったら早々に引退させる可能性もある。3歳クラシックや秋からの古馬混合G1で勝ち星を挙げられれば、それだけで種牡馬入りもできるし繁殖入りさせても箔が付く。

 サラブレッドが「産業動物」と言われるのは周知の通り。走って高額賞金のレースを勝ちまくり、儲けを生み出すのが存在意義と言ってもいい。

 競馬は「ブラッドスポーツ」と呼ばれる側面もあり、そこにはドラマやロマンもあるが、エピファネイアがこれだけの名牝の相手に選ばれたということは、関係者からの評価が高いからこそなのだろう。

(文=ゴースト柴田)

<著者プロフィール>

 競馬歴30年超のアラフィフおやじ。自分の中では90年代で時間が止まっている
かのような名馬・怪物大好きな競馬懐古主義人間。ミスターシービーの菊花賞、
マティリアルのスプリングS、ヒシアマソンのクリスタルCなど絶対届かない位置から
の追い込みを見て未だに感激できるめでたい頭の持ち主。

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