関係者が激白!?日本馬が豪州へ行かなくなった“裏事情”

近年、日本調教馬の世界の舞台への積極的な挑戦が目立っている。従来から地理的に近い香港や中東・ドバイへの遠征は多くみられたが、近年では米国や欧州への挑戦も増加。昨年の米国・ブリーダーズカップではラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌが歴史的な勝利を挙げ、今年は欧州のG1にもシャフリヤール、バスラットレオンらが挑戦している。
また、今秋の凱旋門賞(G1)へはドウデュース、タイトルホルダーら日本馬が4頭出走予定。新型コロナウイルスに関係した世界的な移動制限が緩和されつつあることもあり、今後も世界の舞台へ続々と日本馬が挑んでいくことが予想される。
だがこうした流れの一方で、オーストラリア(以下:豪州)への日本馬の遠征の話を全く耳にしなくなった。
日本競馬が豪州に挑戦しなくなった理由
豪州といえば、最近では19年にリスグラシューがコックスプレート(G1)を制したことが記憶に新しい。また、遡れば2006年にはデルタブルースがメルボルンC(G1)を勝利。その他にもクイーンエリザベスS(G1)やコーフィールドC(G1)など、豪州の数々のビッグレースに多くの日本馬が挑んできた。
しかし、豪州への日本馬の遠征は20年にダノンプレミアムがクイーンエリザベスSに挑んだのが最後となっている。過去に日本馬の好走例もあり、地理的にも比較的近い、一見すると欧米と比べても好条件の遠征先に思えるのだが……。
この不可解な現象について理由を明かしたのが、豪州にて競走馬シンジケート会社『Rising Sun Syndicate』の代表取締役を務める川上鉱介氏。川上氏は過去に豪州で障害騎手として活躍し、日本馬の海外遠征のサポートなども手掛けてきた豪州競馬に精通する人物である。
川上氏がYouTubeチャンネル『節約大全シーズン2☆目指せJRA馬主』内の動画に出演した際に語った内容によると、豪州では動物愛護の観点から、近年では遠征馬に対して厳しい馬体検査を行うようになったとのこと。
この馬体検査が相当に厳しく、競走能力に全く影響のない古傷などが原因でレースの直前に出走をストップされる例もあるようだ。日本から遠征する陣営からみれば大きなリスクとなっており、豪州遠征に踏み切れない要因となっていると川上氏は語っている。
後に川上氏は自身のTwitterアカウントにて、この厳しい馬体検査はメルボルン地域特有のもので、それ以外の地域では輸送便さえあれば遠征は十分に可能と補足を入れている。
ただし、豪州の代表的な競馬場の多くはメルボルン地域に属しており、コックスプレートやメルボルンCといった日本のファンにもなじみ深いビッグレースも同地域で行われる。こうした状況を踏まえれば、日本馬の豪州遠征が突如として行われなくなったことも頷ける。
かつては多くの馬が現地のビッグレースに参戦したほか、季節が逆であることを利用してシャトル種牡馬を供用するなど日本との関係も深かった豪州。しかし気づけば思わぬ形で、日本競馬にとって“近くて遠い国”となってしまったようだ。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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