GJ > 競馬ニュース > 武豊「異常察知」で重なった誤算!?踏んだり蹴ったり外枠発走
NEW

武豊「異常察知」で重なった誤算!?踏んだり蹴ったり外枠発走

【この記事のキーワード】, , ,

武豊「異常察知」で重なった誤算!?踏んだり蹴ったり外枠発走の画像1

 競馬においてスタート直前に行われる「輪乗り」は、レースの結果を大きく左右する重要な要素の1つである。

 まさに今からゲートに入って、全力を尽くすレースを始めるための最後の工程。特に体の幅がおおむね70~80cmの競走馬にとって、幅約1mしかないゲートに入るということは大きなストレスとなるようで、輪乗りの時間はそういった馬たちの気持ちをなだめる重要な時間でもある。

 しかし、レース直前における極限の集中を強いられる待機時間があまり長くなると、これもまた馬にとって大きなストレスとなるのは言うまでもないだろう。

 実際に今春のオークス(G1)では、出走馬の1頭サウンドビバーチェが放馬してしまった関係で、15分もの待機時間ができてしまった。グレード制導入以降、最長の待ち時間となったレースでは出遅れる馬が続出するなど、レースにも少なからぬ影響があったようだ。

 それだけレース直前はデリケートな時間が続くわけだが、この日もそんな煽りをモロに受けてしまった気の毒な馬がいた。30日、札幌5Rの新馬戦に出走していたショーモン(牡2歳、栗東・橋口慎介厩舎)である。

 舞台となった札幌・芝1500mのコースは、中山・芝1600mのコースと同じようにスタート直後にコーナーが控える難コース。それだけにショーモンが引いた1枠1番は、インを通るための絶好枠に思われた。

武豊「異常察知」で重なった誤算!?踏んだり蹴ったり外枠発走の画像2
武豊騎手

 しかし、まさにレース直前の輪乗りを行っているところ、1番人気だったコモドアーズの武豊騎手が馬体の異常を察知。数分の馬体検査が行われた後に除外となる、まさかのアクシデントがあった。

 1番人気馬がいなくなったことで、他馬のチャンスが大きくなったことは確かだ。だが、同時に馬体検査の結果が出るまで待たされたことは、この日初めてのレースを迎える若駒たちにとって、小さくはないストレスとなったことは想像に難くないだろう。

 ましてや、この時間帯は夏の炎天下。北海道の札幌とはいえ、30度を超す真夏日になるとの報道もあった。

踏んだり蹴ったり外枠発走

 そんな中で“やってしまった”のがショーモンだ。ゲート内で暴れて前扉を破損してしまい、挙句の果てに外枠発走に……。絶好枠の1枠1番から一転、大外“13番”という最悪のスタートとなってしまった。

「結果ハナ差の2着ですか、もったいないレースでしたね。スタート時間が遅れた影響もあって11頭中4頭が出遅れる波乱のスタートでしたが、ゲート入りが心配されたショーモンは上手にスタートを切っていましたよ。

ただ、やはり馬が掛かってしまって、鞍上の鮫島克駿騎手は道中ほぼずっと手綱を引っ張り通しでした。ショーモンもあんな競馬でハナ差の2着だったのですから、能力は明らかに上位。それだけにスムーズにレースをできなかったことが悔やまれます」(競馬記者)

 最後は2頭の叩き合いとなったが、皮肉にも内を進んだのが“旧”大外枠のブライトファントムで、外にいたのが“新”大外枠のショーモンだった。それだけに、本来の1枠1番から内々の経済コースを進めていれば「ハナ差だけに勝っていたかも」というのは前出の記者だ。

「ファイトの仕方とか、いい根性がありますね。まだまだ伸びしろがありそうです」

 レース後、そう語ったのはハナ差の接戦を制したブライトファントムの横山和生騎手だ。一方、ショーモンと鮫島駿騎手にとってこの日は残念なレースとなってしまったが、コンビのキャリアはまだ始まったばかり。アクシデントが重なった影響もあって本来の走りができなかったが、今回はいい経験になったに違いない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

武豊「異常察知」で重なった誤算!?踏んだり蹴ったり外枠発走のページです。GJは、競馬、, , , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
  2. クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
  3. 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
  4. 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
  5. C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
  6. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
  7. 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
  8. 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
  9. 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
  10. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛