
川田×中内田「JRA史上最速」の末脚で圧勝!新女王大本命が出現

30日、新潟競馬場で行われた5Rの新馬戦は、1番人気のリバティアイランド(牝2歳、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。単勝2.1倍に推された本命馬が“異次元の末脚”で3馬身差の圧勝を飾った。
ケタ違いの末脚で突き抜けた。
12頭立て、芝1600mのレース。ゲートでやや立ち遅れたリバティアイランドだったが、鞍上の川田将雅騎手が促して中団へ。馬群の内々で脚を溜めている。
圧巻だったのは最後の直線だ。新潟外回りコースの長い直線を迎えたリバティアイランドは、川田騎手に外へ持ち出されると、そこからケタ違いの末脚が爆発。鞍上のモーションが大きくなるにつれて鋭く加速すると、並ぶ間もなくライバルたちを置き去りにしてしまった。
「JRA史上最速」の末脚で圧勝!
「この日の新潟は開幕日で、新潟ジャンプS(G3)でもコースレコードが飛び出したように絶好の馬場コンディションでした。ただ、それでもリバティアイランドが記録した上がり3ハロン31.4秒には目を疑いましたね。結局、川田騎手はムチを使っていませんし、他馬とはレベルの違う走りでしたが、まさかここまで速いとは思いませんでした。
手元の資料で申し訳ないですが、同じ新潟で行われる千直のレースを除けば、おそらく歴代最速の上がり3ハロンではないでしょうか。それを2歳牝馬が、しかもノーステッキでやってしまうのだから末恐ろしいとしか言えませんね。あくまで現段階の話ですが、今年の2歳馬で一番インパクトのある走りでしたし、12月の阪神ジュベナイルF(G1)へ向けては大本命が現れたと言って良いと思います」(競馬記者)
「調教通りいい内容でした。これからの成長が楽しみな1頭です」
レース後、川田騎手が手放しで称賛すれば、管理する中内田調教師も「いい脚を使ってくれて、いい内容で競馬してくれました。スピードがあって、動いてくれましたね」と高評価。レース後しばらくして「リバティアイランド」がトレンド入りを果たしたように、全国の競馬ファンにとっても衝撃的なレースだった。
「前評判通りの強い競馬でしたね。この馬自身はサンデーレーシングにおいて総額4000万円(100万円×40口)で募集された馬ですが、1つ上のロムネヤは2019年のセレクトセールで当歳牝馬最高額の2億2680万円(税込み)で落札されていますし、1つ下のヤンキーローズの2021に至っては昨年4億700万円(税込み)で取引された馬と、今非常に期待値の高い血統馬と言えます。
母のヤンキーローズは豪州の2歳、3歳女王と仕上がりも早い印象で、現時点でもかなりの完成度だと思いますが、最後の直線で何度か手前を替えていたので、その辺りが改善されればもっと良くなると思いますね」(別の記者)
レース後、中内田調教師は「1600mがベストだと思って、このレースを選択しました」と今後はマイルを中心に使っていくことを示唆。気になる次走については「馬の(状態を)確認してからですね」と具体的に明言はしなかった。
中内田厩舎といえば、これまで制したG1・3勝がすべて2歳G1という仕上がりの早い馬の扱いに長けた厩舎としても有名だ。そして、一昨年の2歳王者グレナディアガーズを始め、2018年の2歳女王ダノンファンタジー、2017年のダノンプレミアム、いずれも川田騎手とのコンビだった以上、リバティアイランドもまたエリートコースに乗ったと言えるだろう。
ネット上のSNSなどでは、早くも2歳No.1という声さえ聞こえるリバティアイランド。今春、二冠牝馬スターズオンアースを輩出したドゥラメンテから、また1頭大物候補が出現した。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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