GJ > 競馬ニュース > 戸崎圭太は奮闘も「G1級」実力馬を襲った残酷な現実
NEW

戸崎圭太は奮闘も「G1級」実力馬を襲った残酷な現実

戸崎圭太は奮闘も「G1級」実力馬を襲った残酷な現実の画像1

 30日に新潟競馬場で行われた関越S(OP)は、3番人気のイクスプロージョンがオープン初挑戦で勝利。3歳時のクラシック戦線を沸かせた強豪を相手に、前走からの連勝で勝ち切った。

 だが、レース前だけでなく、レース後も最も注目を集めていたのは、間違いなくグレートマジシャン(牡4、美浦・宮田敬介厩舎)だっただろう。

 本馬は1番人気に支持された毎日杯(G3)で後のダービー馬シャフリヤールとクビ差の接戦を演じて2着。大一番の日本ダービー(G1)でも4着に入り、その後判明した脚部不安で休養を余儀なくされていた。

「G1級」実力馬を襲った残酷な現実

 あれから1年2か月が過ぎた今回、待望の大物候補の復帰を喜ぶファンは多数。願わくば快勝、勝てなくともまずは無事に回って来て欲しいという声も出ていたのだが、最後の直線半ばでアクシデントに見舞われた。

 競走中止となった結果、右第1指関節脱臼が判明。最終的に予後不良と診断され、安楽死の措置が取られた。秋の飛躍を期待された舞台で、あまりにも残酷過ぎる結末だったといわざるを得ない。

戸崎圭太は奮闘も「G1級」実力馬を襲った残酷な現実の画像2
戸崎圭太騎手

 そして、ダービーで手綱を取った戸崎圭太騎手にとっても、その胸中は複雑だったに違いない。

 今回はキングストンボーイと初コンビを組み、結果的に福永騎手にグレートマジシャンを譲った格好となった中でハナ差の2着。元パートナーに先着して意地を見せたものの、相手が予後不良では虚しい。

 また、戸崎騎手と福永騎手の関係でいえば、31日の佐渡S(3勝クラス)でもグレートマジシャン同様にクラシックを期待された馬で乗り替わりがあった。

 こちらはククナに騎乗した福永騎手に対し、戸崎騎手が騎乗したのはロールオブサンダー。同馬は2年前の兵庫特別(2勝クラス)で福永騎手がコンビを組み、2着ヒートオンビートに9馬身の差をつける独走劇を演じた実力馬だった。

 約2年ぶりの復帰戦となった舞台で果敢にハナを奪ったものの、直線では抵抗することなく11頭中11着の最下位に惨敗。中間の乗り込みも順調で、陣営の期待も大きかったとはいえ、レース勘を取り戻すにはまだ早かったかもしれない。

「今週末のレースで個人的に期待の大きかった2頭だけに、非常に残念な結果だったというしかありません。それでもロールオブサンダーはまだ無事に戻ってこられただけ、ホッとしたというのが正直な感想です。

グレートマジシャンについては、ただただ残念としかいいようがないです。ここを善戦するようなら秋のG1も視野に入る存在でした。故障が発生したとしても、せめて命だけは助かって欲しかったです」(競馬記者)

 ディープインパクト産駒のグレートマジシャンは、今は亡き父の後継種牡馬の1頭としても期待する声のあった馬だ。自身が早世した7月30日は3年前に安楽死となった父の命日でもあるのだから悲し過ぎる偶然も重なった。

 1週前のジュライS(L)に登録があったことでも話題となったが、芝に比べて脚元に負担の少ないとされるダート戦のこちらに出走していれば、もしかしたらと思いもしたがそれも結果論。今となっては冥福を祈るしかない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

戸崎圭太は奮闘も「G1級」実力馬を襲った残酷な現実のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【阪神JF】リバティアイランド、アスコリピチェーノ、ソダシを超える逸材!? 2歳女王決定戦で買うべき“大物馬主”推奨の2頭
  2. 【香港C(G1)展望】絶対王者ロマンチックウォリアーVS逆襲の女王リバティアイランド! ダービー馬タスティエーラ完全復活なるか
  3. 【阪神JF(G1)展望】L.デットーリ×米国2歳女王メイデイレディが日本襲来! フォーエバーヤング妹など日本の女王候補が迎撃
  4. 武豊「来年が楽しみ」ヤマニンウルス不在でも大健闘…フォーエバーヤング擁する世代レベルの高さも証明
  5. ミホノブルボンvsライスシャワー連想させた「100分の1」の攻防!同一馬によるワンツースリーは平地競走史上初
  6. 【香港マイル(G1)展望】3歳マイル王ジャンタルマンタルが待望の戦線復帰! 悲願達成のソウルラッシュと世界制覇に挑む
  7. 武豊「非常識な最高速」でチェルヴィニア置き去り…他馬を凌駕する切れにC.ルメール「ドウデュースと同じ走りは出来ない」
  8. JRA福永祐一ケイティブレイブ「西日で負けた」はサービス精神!?「面白いんじゃないかと……」ネットを炎上させた”言い訳”の真意
  9. ジャパンCでも天皇賞・秋でも下馬評覆す4歳馬の好走…「最弱世代」の汚名返上着々、出遅れて逃げてもダービー馬に先着の逸材が待望の復帰
  10. ハーツクライ産駒でも走りはディープインパクト?有馬記念に潜むファンの夢と希望とロマンと甘い罠