【小倉記念(G3)予想】良血ジェラルディーナと3歳馬ピースオブエイトは切り!持ち時計のある小倉巧者に注目!
今回はサマー2000シリーズの第3戦にして、小倉の夏の風物詩となっているハンデ重賞・小倉記念(G3)を予想していく。
いつものようにまずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
七夕賞 7頭
エプソムC、鳴尾記念 各3頭
天皇賞・春、新潟大賞典 各2頭
皐月賞、日本ダービー、宝塚記念、マーメイドS、中日新聞杯、巴賞(OP) 各1頭
条件特別(3勝クラス) 7頭
となっている。こちらもサマー2000シリーズに組み込まれている関係か、1戦目の七夕賞(G3)をステップに臨む馬が多い。エプソムC(G3)や鳴尾記念(G3)など、間隔がそこそこ空いてローテーション的に都合がいい重賞からも参戦しやすいのだろう。3歳クラシックから秋のトライアルより前に賞金上乗せを狙った3歳馬が参戦している場合は注目したい。条件戦からの転戦馬はひとくくりにしているが、こちらは近走成績を見て取捨を判断。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-1-1-6
2番人気 0-3-1-6
3番人気 3-0-1-6
4~6番人気 3-6-4-17
7~9番人気 0-0-2-28
10番人気以下 2-0-1-38
となっている。上位人気がアテにできない成績で、近5年に絞ってみると1番人気と2番人気が2頭ずつ馬券になっている程度。昨年、一昨年は上位人気がすべて飛び、一昨年は3連単137万馬券が出るほどの荒れ模様となっている。
これらを踏まえて「◎」は穴馬16番ヒュミドールとしたい。
前走は七夕賞。終始中団につけて競馬を進めたが、4コーナーでごちゃついた影響もあり直線で伸びきれず5着に終わっている。
近5走を見ると二ケタ着順が二度あるので調子がイマイチのようにも見えるが、前走は掲示板を確保し、4走前の福島記念(G3)では2着に好走するなどイメージより善戦している。キャリアを眺めると3着が一度もなく、基本的にはピンかパーという分かりやすい馬。その中でもローカルの小回りコースに適性があるようで福島2000mと小倉2000mに良績が残り、昨年のこのレースでも2着に入っている。
ハンデは前走から据え置きになっている上、今時計が出やすい小倉でも対応できる持ち時計があるのも魅力。陣営からもデキの良さが伝わってきており、メンバー中唯一の関東馬ながら再び好走の目があると見ている。
「○」はそこそこ人気しそうだが、14番カテドラルを挙げる。
前走は中京記念(G3)。勝った馬がマイペースで逃げ前残りの展開になったが、後方から猛然と追い込んで2着を確保した。
昨年、今年と小倉1800mで開催された関係で、中京記念からの転戦馬がメンバーに多く見受けられるが、データ的にはこのローテーションでの好走例はない。それだけで切る理由にはなるのだが、この馬も小倉コースと相性がいいようで、小倉で行われた昨年の中京記念でも2着に入っている。
重賞勝ちは昨年の京成杯AH(G3)だけだが2着は5回あり、そのいずれも好タイムをマークしている。今の小倉はとにかく前残りしやすい環境になっているが、中京記念で見せた追い込みはここでも実現可能と考えている。
唯一、2000mという距離に不安が残るが新馬戦は2000m戦で勝ち上がっているほか、スタミナが必要な東京のマイルで好走歴があるので、陣営がコメントしているように1ハロンの延長もあっさりこなしてしまうのではないか。
「▲」は3番のムジカを推したい。
前走は博多S(3勝クラス)。後方待機策を採り、直線では上がり最速の脚を使って伸びてきたが前が止まらず2着止まりだった。
5歳で24戦と結構走っているが、勝ち味に遅いのが原因。未勝利脱出に8戦を要し、ここで挙げた1勝が唯一の勝ち星。3歳秋はローズS(G2)で2着に入ったものの、秋華賞(G1)で勝負にならず、結局自己条件で奮闘しているのだが、途中にオープン戦や重賞を挟みつつ、13戦をこなした現在も3勝クラスからの脱出が叶っていない。
今回のメンバーではもっとも格下の存在であるが、上記のローズS2着があるほか、4走前に阪神牝馬S(G2)で掲示板を確保するなど、格上条件でもそれなりに走っているのがポイント。
中団より後ろで競馬することが多いようだが、前目からの競馬でも好走歴がある。小倉は2走して2着2回と好相性。加えて2000mの前走も2着ながら1分57秒2と好タイムをマークしており、現在の小倉の高速馬場にも対応可能。ただし、父エピファネイアということで少なくとも勝ちはないと見ており、その分だけ印を下げた。
「△」は人気しそうだが2番マリアエレーナと6番タガノディアマンテの2頭を挙げる。
マリアエレーナは前走マーメイドS(G3)で中団につける競馬だったが、前にいた勝ち馬が止まらず2着までだった。
前走のマーメイドSと愛知杯(G3)2着があり、重賞でも好走できる実力はあると見ている。ただ、どちらも牝馬限定重賞であり、4走前の勝利もやはり牝馬限定戦。混合戦になってどこまで……という感はあるが、陣営は小回り平坦コースが向いていることに加えて斤量差があるので、好勝負できると見ているようだ。
前で競馬する方が良績があるということも、今の小倉の馬場を考えると推せるひとつのファクターと言える。
タガノディアマンテは前走天皇賞・春(G1)で17着に大敗している。
キャリアを見ると3年前の菊花賞(G1)以来長いところを狙って使われており、万葉S(OP)1着やステイヤーズS(G2)2着など3000m以上のレースでそれなりに走っている。だが、陣営の言う通り折り合いを考えずに済む分、長距離戦より2000m前後の中距離の方が向いているように映る。実際、2走前の京都記念(G2)でも人気薄で2着に突っ込んできており、適性は見せただろう。
持ちタイムが今ひとつ弱いところはあるが、負けていながらも皐月賞(G1)で1分58秒台の時計を出しており、対応は可能と見る。
人気どころでは4番ジェラルディーナと7番ピースオブエイトを切り。
ジェラルディーナの前走は鳴尾記念で、中団より後ろから直線よく伸びて2着を確保してみせた。
この馬は条件戦を3連勝で突破してみせたのはいいが、そこから重賞の壁にぶち当たっていた印象。前走は2着を確保できたが、陣営の言う通り前走は10頭立てと少頭数。対して今回は16頭立てと多頭数の競馬になり、内枠を引いてしまったことで自慢の末脚が発揮できるか疑問が残る。
展開がハマれば人気通りに決着する可能性もあるが、他馬のマークも厳しくなることが予想され、そう簡単に理想の競馬をさせてはもらえないだろう。人気がなければ押さえる価値もあるが、人気になると思われるのでそうなると馬券妙味もなく切った方がいい。
ピースオブエイトの前走は日本ダービー(G1)で、前につける積極的な競馬をしたが直線で脚が上がり最下位に負けている。
ダービーまで3連勝で重賞勝ちも収めているので、ダービーの結果を度外視すれば可能性に懸けるという意味で買えなくもないが、この馬の場合は持ち時計が弱い。ダービーはレコード決着だったが、そこから7.2秒も遅れての入線となるとやはり時計勝負になった場合に疑問が残る。
成長分で高速決着に対応できる可能性もなくはないが、現時点でその可能性に賭けて押さえるほどの旨みがない。
ということで、今回は2番、3番、6番、14番、16番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。ヒュミドールの激走があれば高配当も見えてくるはずだ。
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