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競馬の格言「夏は牝馬」はお約束!? 馬券妙味のある穴馬をピックアップ

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 猛暑が続く8月。夏競馬真っ只中の今週末は、札幌と新潟のどちらもダート重賞だった先週とは異なり、芝の重賞のみの開催。2週間の中休みから再開した小倉競馬場では、芝2000mの小倉記念(G3)、新潟競馬場では、芝1600mの関屋記念(G3)が行われる。

 前者はサマー2000シリーズの第3戦、後者はサマーマイルシリーズの第3戦ということもあり、サマーシリーズ2022のポイント争いも左右しそうだ。

 それぞれで注目したいのは、牝馬が人気を集めそうなことである。

 小倉記念には4頭、関屋記念には3頭が登録。『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると、小倉はジェラルディーナとマリアエレーナ。新潟は夏季休暇から復帰するC.ルメール騎手が騎乗予定のスカイグルーヴが人気を集めている。

「夏は牝馬」はお約束!?

 今回、なぜ牝馬を採り上げたのかというと、当然ながら「夏は牝馬」という有名な競馬の格言があるからにほかならない。

 生物学的な根拠は不明とはいえ、数字の上では夏場の牝馬は好走例が多い。どちらかというと、牡馬を圧倒するほど夏場に強いというよりも、互角に渡り合える季節という意味合いに近いか。

 ローカル開催の続く夏競馬の主戦場は、直線に坂のない平坦なコースとなるため、筋肉量で牡馬にパワーに見劣るとはいえ、切れ味で優る牝馬が好走しやすい背景も揃っていることも確か。こういった事例が積み重なって、競馬ファンの印象に残った結果、「夏は牝馬」と言われるようになったのかもしれない。

馬券妙味のある穴馬をピックアップ

 では改めてそれぞれに出走する馬の顔触れを確認してみたい。人気が予想される馬では、馬券的な妙味がないため、当欄ではあえて人気のない馬の好走が期待できるかについてチェックする。

 まず小倉のムジカとタガノパッションから。2頭はともに前走で博多S(3勝クラス・芝2000m)に出走して前者が2着、後者が3着と馬券の対象となった。当時の斤量は、いずれも55キロだった。

 しかし、今回はムジカが51.0キロでタガノパッションは50.0キロで1キロの差がついた。2頭が敗れていたとはいえ、勝ち馬のルペルカーリアがハイペースを押し切る強い勝ち方をしているレース。良馬場で1分57秒0の勝ち時計は、3歳の大物候補と噂されるガイアフォースがマークした1分56秒8とコンマ2秒の差でしかない。

 小倉記念の条件が前走と同じ小倉・芝2000mだけに、展開次第で入着も狙えそうな雰囲気がある。

 対する新潟の関屋記念は、スカイグルーヴが人気でも、ディヴィーナとリアアメリアは侮れない存在だろう。

 前者は武豊騎手も「重賞級」と評している期待馬。前走のヴィクトリアマイル(G1)を11着に敗れたが、外から押し込まれる苦しい競馬でのもの。先週までの札幌から新潟に意欲的な参戦はやる気十分。不完全燃焼に終わった前走のリベンジを狙っている可能性が高い。

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リアアメリア 撮影:Ruriko.I

 最後のリアアメリアは、スカイグルーヴと同世代。3歳秋のローズS(G2)を勝利してから2年近く勝ち星から遠ざかっているものの、2番手の積極策から4着に粘り込んだ前走・マーメイドS(G3)の走りは、復調を感じる走りを披露した。斤量55.5キロのトップハンデから1.5キロ減る54.0キロも魅力。乗れる若手の菅原明良騎手が初コンビを組むのも面白そうだ。

 結論としては、前評判ほど各馬の実力に差がないと感じられるということ。どちらの重賞も牝馬の頭数は手頃なので、思い切って牝馬のボックスで馬券を購入してみるのも、ありかもしれない。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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