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リバティアイランド不在でも影響なし!? 覚えておきたい新潟2歳Sのジンクス

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 28日、新潟競馬場で開催された新潟2歳S(G3)は、戸崎圭太騎手の4番人気キタウイング(牝2、美浦・小島茂之厩舎)が優勝。2着にウインオーディンが入り、連闘策で挑んだ2頭のワンツーフィニッシュという結果に終わった。

 出遅れて最後方からの追走となったキタウイングだが、距離のロスを最小限に留めた戸崎騎手の好判断も光った。敗れはしたものの、ウインオーディンとシーウィザードの2頭出しで馬券圏内に食い込んだ鹿戸雄一厩舎の善戦も評価したい。

 その一方、今年の新潟2歳Sが低レベルといわれていたように、良馬場で1分35秒9の勝ち時計に物足りなさを感じたのも確か。これといった評判馬の出走がなかった理由として考えられるのは、出走していれば断然人気が確実視されていたリバティアイランドの回避が影響しているだろう。

 本馬は7月30日のデビュー戦で上がり3ハロン31秒4という驚異の切れ味をマークした逸材。その走りに2013年の新潟2歳Sを圧勝したハープスターを思い出したファンもいたのではないか。早くも超大物として評判のスター候補に恐れをなして、対戦を避けた陣営がいたことも想像がつく。

 そんな今年の新潟2歳Sだが、仮にリバティアイランドが出走していたとしても、変わらなかった事実があることにも触れておきたい。

 過去の傾向に詳しいファンなら知っているかもしれないが、2002年に現在の芝外回りの1600m条件に変更されて以降、勝ち馬はすべて前走で芝1400mまたは芝1600mを使われていた馬なのである。以下は、2002年から今年までの出走メンバーの前走距離だ。

■新潟2歳S出走馬の前走距離別成績(2002年以降)

1000m 0. 0. 0. 8/ 8 勝率0.0%
1150m 0. 0. 0. 2/ 2 勝率0.0%
1200m 0. 3. 4. 57/ 64 勝率0.0%
1400m 10. 5. 5.104/124 勝率8.1%★
1600m 11. 8. 8. 53/ 80 勝率13.8%★
1700m 0. 0. 0. 1/ 1 勝率0.0%
1800m 0. 5. 4. 43/ 52 勝率0.0%

 ご覧の通り、芝1400mと芝1600m以外の勝ち馬は出ていない。

 これを基に今年のメンバーを見渡してみると、ロードディフィート、スタンレー、キタウイング、ピンクジンの4頭が該当していた。スタンレーが地方・笠松所属馬。前走2着で勝利した例がシンメイフジの例しかないことを踏まえれば、ダリア賞で7着だったピンクジンの苦戦は容易に想像できる。

 そうなると、キタウイングとロードディフィートの2頭まで勝ち馬候補を絞ることが出来たかもしれない。もしリバティアイランドが出走していたとしても、この馬のデビュー戦は芝の1600mであり、条件に変わりはなかった。

 偶然とはいえ、21年間も続いているなら、ちょっとした“ジンクス”といえそうなこのデータ。来年の新潟2歳Sでも覚えておいて損はないはずだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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