「30年ぶり」優勝に際立つ武豊の恐ろしさ、川田将雅も感じた「レジェンドの壁」

先週末、札幌競馬場で2日間に渡って開催された2022ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)は、71点を獲得した武豊騎手が、59点で2位の川田将雅騎手の追撃を退けて優勝。前身のワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)を含め、30年ぶりの頂点に立った。
コロナ禍の影響もあって3年ぶりとなった開催。優勝した武豊騎手は「みんなと乗れることは張り合いがあってすごく充実した2日間でした」と喜びを見せた一方で、「外国から来たジョッキーは、難しい状況だったと思いますが、日本に来てくれてありがたいなと思います」と関係者に感謝した。
「レジェンドの壁はとても分厚かったですね。何とか勝ちたいなと思って頑張ったのですが、最後のレースも外に姿が見えましたので、あっ負けたな、と思いました」
川田将雅騎手も感じた「レジェンドの壁」

こちらは惜しくも2位に敗れた川田騎手のコメントだが、両者の一騎打ちムードの強かった第4戦では、武豊騎手も認めたように「川田騎手をターゲットにして」狙い撃ち。最後までポイントをリードして逆転を許さなかった。今年の全国騎手リーディングのトップを独走している名手をして、完敗を認めさせたレジェンドの手腕には恐れ入る。
振り返れば、武豊騎手がWSJS時代に優勝した前回の1992年は23歳で参戦。今年参加したジョッキーの顔触れで、当時も現役だった騎手は柴田善臣騎手のみ。他の騎手はすでに引退している。
今年、武豊騎手と優勝争いをした川田騎手は当時6歳、福永祐一騎手15歳、松山弘平騎手2歳、横山武史騎手はまだ生まれてさえいなかった。年齢的に体力の衰えも出てくる中、親子ほど年の離れたライバルたちと、今なお互角以上に渡り合う鉄人ぶりに感動すら覚えるほどだ。
ちなみに、92年に参加したJRA騎手は、武豊騎手のほかに岡部幸雄元騎手や南井克巳元騎手の名前を見つけることが出来る。トウカイテイオーやミホノブルボンが活躍していた時代である。
『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)をきっかけに競馬に触れた若い世代のファンも、武豊騎手がレジェンドと呼ばれている理由を実感したのではないだろうか。
そんな武豊騎手だが、この秋にはドウデュースとのコンビで挑戦する凱旋門賞(仏G1)の騎乗も控えている。史上最多となるダービー6勝目を最年長記録で達成するなど、53歳を迎えてなお、一線級の活躍を見せる手腕は健在。次はどのようなサプライズを我々に見せてくれるだろうか。
日本競馬の第一人者への期待は高まるばかりだ。
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