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JRA武豊「ベタ惚れ」の大物3歳牝馬に復帰の足音。かつて「ドウデュース以上」と評された逸材は秋華賞(G1)に間に合うか

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ウォーターナビレラ 撮影:Ruriko.I

 今春の牝馬クラシックをウォーターナビレラとのコンビで挑んだ武豊騎手。

 昨秋のファンタジーS(G3)を勝つなど、早くから非凡なスピードを見せていた快速牝馬は桜花賞(G1)でも2着と、そのポテンシャルを発揮したものの2400mのオークス(G1)では13着に大敗……。

 レース後、「ゲートで待たされてしまって、突進してしまいました」と主戦騎手が述べたようにスタートの失敗が大きく響いた格好だが、1600mの桜花賞を3番人気で2着したにもかかわらず、2400mのオークスになって7番人気まで評価を落としていたのだから、やはり距離が長過ぎたということなのだろう。

 さらに巻き返しを誓って距離を1800mに短縮した7月のクイーンS(G3)でも、最後の直線で失速して10着と1番人気を裏切る敗戦を喫したウォーターナビレラ。一時の勢いが影を潜めてしまった現在、2000mの秋華賞(G1)へ大きく不安が残る内容と言わざるを得ず、秋はマイル路線を歩む可能性も浮上している。

 無論、競馬に「たられば」は禁句なのだが、もしウォーターナビレラが距離適性を重視して、桜花賞からNHKマイルC(G1)へ進んでいれば、今頃は少し違った未来があったのかもしれない。

武豊「ベタ惚れ」の3歳牝馬に復帰の足音

「将来的にも楽しめる馬です」(武豊公式ホームページより)

 昨秋、武豊騎手には3連勝でファンタジーSを勝ったばかりのウォーターナビレラに勝るとも劣らない期待を抱く牝馬がいた。新馬戦→野路菊S(OP)と連勝したロン(牝3歳、栗東・石橋守厩舎)である。

 昨年8月にデビュー戦を迎えたロンはあっさりと先手を奪うと、そのまま上がり最速の末脚を繰り出して3馬身半差の快勝。5頭立ての少頭数ながら余裕たっぷりのレースぶりには、武豊騎手も「“後ろから5番手”で押し切りました。ここ笑うとこですよ(笑)」と思わずジョークが飛び出すほどの上機嫌だった。

「反応が凄く良いから、少しゴーサインを出しただけでスッと動いてくれた。楽しみな馬です」

 そんなレジェンドの期待に応えるように、ロンは2戦目でさらなる進化を見せた。8頭立ての3番手でピタリと折り合うと、またも上がり3ハロン最速の末脚であっさりと抜け出して、そのまま4馬身差の圧勝劇。最後は流してゴールしたにもかかわらず、レース後にはレコードが記録された。

「思ったよりも折り合いがついたし、抜け出す脚も速かった。今日のレースができるなら、色々と融通も利きそう。楽しみですね」

 まだ身体も出来ていない2歳時に、牡馬を相手に2000mで連勝。2戦合計で7馬身半差という底知れない走りは、武豊騎手ら関係者でなくとも翌年のオークスを強く意識するだろう。

 何よりもロンには、底知れないスケールがあった。今でこそ日本ダービー(G1)を制して、秋の凱旋門賞(G1)に挑むドウデュースが馬主キーファーズの最高傑作で間違いないが、昨秋の頃はこの馬を差し置いて「ついにキーファーズが大物を引き当てた」と話題になっていたほどだった。

 しかし、その後にロンは「心身ともに状態が整っていない」と予定されていた阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を回避。年明けには右前脚屈腱炎を発症し、春のクラシックを棒に振ってしまった。

 あれから約8か月の時が経ったが、7月末に放牧先の三嶋牧場の公式YouTubeでは「ロン始動!」と銘を打たれ、復帰へ向けて調整を重ねているロンの姿が公開されている。気になる方はぜひ動画をご覧いただきたいが、順調にいけば秋には復帰が叶うかもしれない。

 屈腱炎はかつて競走馬にとって不治の病と言われたが、今春には約1年半の休養を乗り越えたヴェルトライゼンデが復帰戦となった鳴尾記念(G3)でいきなり勝利。オールカマー(G2)からの始動が予定されている秋には、再びG1戦線に帰ってくるはずだ。

 生涯1度しかない春のクラシックを棒に振ってしまったロンも、約半年で運動を再開できたのは不幸中の幸いだろう。今年の3歳牝馬には、秋華賞で三冠の懸かるスターズオンアースという女王が君臨しているが、遅れてきた超大物がそこに一石を投じられるか。

 秋華賞に限らず、まずは無事にターフへ戻ってくる姿を心待ちにしたい。

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