
重賞「39連敗」の不振続き、伏兵が立て続けの激走も…勝利に届かない「常連軍団」の苦悩
20年以上の歴史を誇り、競馬ファンにとって今やおなじみの存在となった「タイセイ」軍団。この冠名は田中成奉オーナーが使用しているもので、これまでも数多くの馬を重賞戦線へと送り込んできた。
2001年から馬主として活動を始めた田中オーナーであったが、2008年にガーネットS(G3)でタイセイアトムが勝利し重賞初制覇を達成。その後も度々重賞馬を輩出し、2012年にはタイセイレジェンドがJBCスプリント(G1)で悲願のG1タイトルを獲得した。
その後も「タイセイ」軍団は着々と勢力を拡大していき、今となっては重賞戦線でも常連と呼べる存在だ。現役馬にも重賞2勝を挙げているタイセイビジョンを筆頭に、多くのOP馬や期待の若駒が存在する。
このように順調に戦果を積み重ねてきた「タイセイ」軍団だが、最近は重賞で勝利を挙げることができていない。最後の重賞制覇は20年3月に先述のタイセイビジョンが制したアーリントンC(G3)まで遡ることとなり、以来重賞では39連敗を喫してしまっている。
勝利に届かない「常連軍団」の苦悩
勝利からは遠ざかっている「タイセイ」軍団だが、決して所有馬が不振に陥っているわけでは無い。むしろ今年の重賞戦線ではインパクト十分の結果を残している。
ファルコンS(G3)ではタイセイディバインが13番人気ながら2着となり、同馬はその後のアーリントンCでも7番人気で2着と立て続けに激走した。また函館スプリントS(G3)ではタイセイアベニールが13番人気から3着に好走しており、「タイセイ」軍団の伏兵たちは次々と下馬評を覆す活躍を見せている。
その一方で人気の中心となる有力馬も多数送り込んではいるが、CBC賞(G3)、北九州記念(G3)ではタイセイビジョンがそれぞれ3番人気に支持されながらも2着に惜敗。レパードS(G3)ではタイセイドレフォンが大本命の1番人気の評価を受けたが、こちらも2着と悔しい結果に終わってしまった。
今年の重賞レースにはこれまでのべ12頭を送り込んでいる「タイセイ」軍団だが、その成績は(0-5-1-6)と善戦止まり。人気馬・伏兵を問わず5度もの2着という良績を残しながらも、あと一歩のところで勝利を掴めていない状況だ。
歯がゆい夏を過ごすうちに季節は秋へと移り、心機一転して久しぶりの重賞制覇を狙っているはずだ。その先駆けとして今週末に行われるセントウルS(G2)にはタイセイアベニールが出走する。
タイセイアベニールは今年の函館スプリントSで3着、2年前のセントウルSでも4着に好走した実績があるが、近2走の戦績が振るわないこともあって、戦前の評価は伏兵の1角に留まっている。
しかし今回のレースでは“3強”の1頭ジャングロが急遽回避することとなり、残る2頭の有力牝馬も距離適性や気性面に不安を抱えているだけに、タイセイアベニールも一発のチャンスがあるかもしれない。
重賞戦線でシルバーコレクターの状態が続いている「タイセイ」軍団。勝ち切れない現状を打ち破り、今秋こそ久しぶりの重賞制覇を成し遂げることはできるだろうか。セントウルSのタイセイアベニールはもちろん、今後も続々と重賞戦線へと挑むであろう「タイセイ」軍団の活躍に注目していきたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新引退・種牡馬入りが一転して現役復帰!? 数奇な運命をたどることになった競走馬たち
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 「元イエスタカス」ダッシングブレイズ重賞制覇に高須院長も「イエス」!? 名前に翻弄された素質馬の飛躍が話題
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRAヴィクトリアマイル(G1)至高の”1000円”勝負!現場ネタが導く「アノ伏兵」が波乱を!?
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬