
京成杯AH(G3)懸ける想いは段違い!ベレヌス&西村淳也の「一発逆転最終レース」
11日、中山競馬場ではサマーマイルシリーズの最終戦・京成杯オータムハンデキャップ(G3)が行われる。夏のマイル王の座が懸かる重要な一戦でありながら、新たにマイル路線に矛先を向けてきた3歳馬や、秋の大舞台に向けてここから始動する実力馬など、バラエティーに富んだメンバーが集うのが特徴だ。
加えて、難しさに拍車をかけるのが「ハンデ戦」ということ。今回は最軽量が51キロ、トップハンデは57キロとなり、この6キロの差が結果にどのような影響を及ぼすのか。頭を悩ませる要素となる。
どこから入るべきか迷う時、頼りにしたいのが陣営の“本気度”だ。その点、このレースに懸ける想いが人一倍強いのが、ベレヌスと西村淳也騎手のコンビである。
ベレヌス&西村淳也の「一発逆転最終レース」
先ほど触れたように、このレースはサマーマイルシリーズの最終戦なのだ。ベレヌスは第2戦の中京記念(G3)で勝利を挙げており、現在シリーズ2位の10ポイントを保持。もしこの京成杯AHを勝つことができれば、18ポイントで暫定首位のウインカーネリアンを上回り、逆転で夏のマイル王に輝くことができるのだ。
シリーズチャンピオンになれば、褒賞金として馬主には2400万円が、そして厩舎関係者にも600万円が交付される。管理する杉山晴紀調教師も「チャンピオンを狙って調整してきた。間隔や条件もちょうどいい」と語っており、タイトル獲得に意欲を見せている。
これまでのキャリアで芝1600m戦の勝利がない点は気がかりだが、3走前の東風S(L)は同コースで逃げて勝ち馬と0秒2差の4着。2走前の谷川岳S(L)も最後は差されて2着に終わったが、勝ち馬が後に米子S(L)と関屋記念(G3)を連勝するウインカーネリアンだったことを考えれば、悲観する必要はないだろう。師は「西村淳騎手も『中山のマイルは合う』と言ってくれている。どれだけやれるか楽しみ」と強気な姿勢でマイル戦への不安は口にしていない。
重賞を勝ったことでトップハンデの57キロを背負うことにはなるものの、今回のメンバーを見ると本質的な逃げ馬は不在で、展開的な恩恵に期待が持てる。加えて、このレースは夏の間に休みを挟んだ開幕週の芝コースでの開催とあって、絶好の馬場も逃げ・先行馬を後押しする傾向にある。まさに舞台は整ったと言えるだろう。

また、タイトルがかかるのはベレヌスだけではない。西村淳騎手にとっても、大きなチャンスが巡ってきている。
今週で終了するNo.1夏男を決めるサマージョッキーズシリーズで、西村淳騎手はトップの浜中俊騎手を4ポイント差で追う3位につけており、今回のレースで相棒を逆転タイトルに導くことができれば、自身もタイトル獲得に大きく近づくことができるのだ。
若手のホープとして期待をかけられる中で安定した実力を見せ、2019年から3年続けて50勝以上を記録している23歳。しかし、自己最多は2年目にマークした55勝で、ここ2年はそれを超えることができなかった。
ところが、今年はすでに49勝を記録。夏の小倉リーディングは松山弘平騎手に譲ったものの、年間の成績で見れば23勝で松山騎手を上回る。着実な成長の証を見せつけ、キャリアハイの更新も視界に捉えている。
ベレヌスを管理する杉山晴師の信頼も厚く、「西村淳騎手とのコンタクトというか、かなり人馬一体に近づいてきている」と語り、管理馬の快進撃を支えている手腕を絶賛。「この馬の持ち味が生かせるような展開に持って行ってくれるのではないかと期待しています」と、この大一番を託した。
人馬ともに“一発逆転”をかけた最終戦。京成杯AHは人一倍強い気持ちで臨むベレヌスと西村淳也騎手から目が離せない。
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