
【セントライト記念(G2)展望】日本ダービー3着アスクビクターモアVS遅れてきた大物ガイアフォース! エアグルーヴ一族の上がり馬にも注目

19日、中山競馬場では菊花賞トライアルのセントライト記念(G2)が行われる。今年は春の牡馬クラシック上位組が次々と菊花賞(G1)を回避。3冠目は混戦模様を呈している。セントライト記念を制した馬が、本番で1番人気に推される可能性もありそうだが……。早速展望していこう。
出走予定馬で最も菊花賞に近いのはアスクビクターモア(牡3歳、美浦・田村康仁厩舎)だろう。
その素質をうかがわせたのは3月の弥生賞(G2)だった。この時が重賞初出走ということもあって、3番人気に甘んじたが、2番手追走からドウデュースの末脚を封じ込めて見事に優勝を飾った。
続く皐月賞(G1)も6番人気と評価は上がらなかったが、逃げて5着に粘り込んだアスクビクターモア。日本ダービー(G1)では7番人気とさらに人気を下げたが、ここでもファンの低評価を覆し、2番手から直線早め先頭に立つ積極的な競馬で大健闘の3着に入った。
中山は4戦3勝と得意にしているだけに、たとえ前哨戦でも負けるわけにはいかない。今回はさすがに1番人気が濃厚だが、いつも通りの先行策で後続の末脚を封じこむことはできるか。ここで結果を残して、菊花賞にリーチをかけたい。
ダービー3着馬には実績面で劣るが、素質では決して負けていないのが対抗格と目されるローシャムパーク(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)である。
3代母が女傑エアグルーヴという良血馬ながら、2歳時は2戦して連続2着と勝ち上がれず。今年2月の3戦目でようやく初勝利を挙げた。
4戦目は自己条件の山藤賞(3歳1勝クラス)に出走。向正面でハナを奪う積極策を見せると、直線で後続との差をさらに広げ、最後は2着に7馬身差をつける圧勝だった。
その後は無理をせず休養に入っていたローシャムパーク。満を持して5か月ぶりに迎える実戦でついに重賞初挑戦を果たす。連勝中の過去2戦と同様、早め先頭から押し切る競馬を見せるのか。C.ルメール騎手の手綱さばきにも注目だ。

1月の京成杯(G3)を勝利するなど、中山では4戦2勝のオニャンコポン(牡3歳、美浦・小島茂之厩舎)も虎視眈々と主役の座を狙っている。
春はアスクビクターモアとともにクラシック2冠レースに出走。8番人気で迎えた皐月賞ではジオグリフと0秒4差の6着に好走し、ダービーでも8着とまずまずの成績を残した。得意とする中山なら大いにチャンスはありそう。
ただし、鞍上の菅原明良騎手は、トリッキーな中山芝2200mのコースに課題がある。中山芝2000mは通算「8-8-6-49」という好成績だが、外回りの芝2200mは「1-0-1‐17」とイマイチ。上位人気馬の騎乗が少なく、2000mに比べるとレース数も少ないだけに“コース経験”不足が露呈する可能性もある。
中山経験が豊富で、皐月賞にも出走した2頭も一発を狙う。

1頭目は皐月賞で8着に健闘したラーグルフ(牡3歳、美浦・宗像義忠厩舎)。昨年夏の新潟2歳未勝利で勝ち上がると、続く芙蓉S(OP)で連勝を飾った。
年末のホープフルS(G1)では8番人気ながら3着に好走。年明け初戦の弥生賞は最下位11着に沈んだが、皐月賞で8着に巻き返していた。
その後は4か月の休養を挟んで、夏の新潟で2勝クラスを勝利。2歳時の昨年と同じように夏の新潟→秋の中山で2連勝をもくろむ。
2頭目のボーンディスウェイ(牡3歳、美浦・牧光二厩舎)は、ホープフルS5着、弥生賞3着と3歳春にかけて重賞路線で堅実な走りを見せていた。しかし、皐月賞で14着に敗れると、1番人気に支持されたラジオNIKKEI賞(G3)は6着に敗退。終始外を回るロスもあったが、ここで復活を期す。
今回は一息入れて2か月ぶりの実戦となるボーンディスウェイ。2勝している中山が舞台なら巻き返してもおかしくないはずだ。
昨夏のデビュー戦でドウデュースの2着に好走したガイアフォース(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)も注目の1頭だ。
ドウデュースに惜敗後は骨折のため長期休養していたが、3月に復帰。そこから3戦2勝とポテンシャルを発揮しつつある。前走の国東特別(1勝クラス)では7馬身差の圧勝を飾っており、ここでも楽しみな存在だ。
この他には、春のプリンシパルS(L)覇者でダービー11着のセイウンハーデス(牡3歳、栗東・橋口慎介厩舎)、そのプリンシパルSで2着に入ったキングズパレス(牡3歳、美浦・戸田博文厩舎)、そして毎日杯(G3)2着のベジャール(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)などが賞金加算を見据えている。
アスクビクターモアが順当に勝利して菊花賞に進むのか、それともローシャムパークやガイアフォースといった重賞初出走組が下克上を果たすのか。注目のセントライト記念は19日の15時45分に発走を迎える。
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