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JRAいずれはゴールドシップかキタサンブラックか…セントライト記念(G2)ドウデュースを苦しめた素質馬ガイアフォースに注目!

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 19日に行われる菊花賞トライアル・セントライト記念(G2)は注目の一戦だ。クラシック最後の一冠である菊花賞(G1)を目指す実力馬が顔を揃え、しかも台風14号の接近も重なり馬場状態の悪化も懸念されることで予想が難しいレースとなりそうだからだ。

 過去にキタサンブラックがここを勝利して菊花賞も制し、昨年はこのレースでブービーに敗退しながら、菊花賞では5馬身差で圧勝して見せたタイトルホルダーが出走するなど、セントライト記念が菊花賞に与える影響も再び高まりつつある。

 そして、今年も多種多様なメンバーが出走する中、是非とも菊花賞に向けて権利を獲得して欲しい馬がいる。それがガイアフォース(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。

デビュー戦ではドウデュースとクビ差の接戦を演じた

 美しい芦毛の馬体は、かつて菊花賞を制したゴールドシップを彷彿させるもの。さらに芦毛のステイヤーといえば他にもメジロマックイーンやビワハヤヒデなどがいて、ガイアフォースには新たな芦毛のスター誕生の期待が高まる。

 上記のように同馬の父キタサンブラックは2015年にセントライト記念を制し、続く菊花賞も勝利。オーナーである北島三郎氏に初めてG1の勲章を届けた。その後、名馬の階段を駆け上がりG1レースを7勝。引退して種牡馬となり、初年度産駒はイクイノックスが皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)で2着。この秋は菊花賞を回避して天皇賞・秋(G1)へ向かうようだが、菊花賞親子制覇に向けてガイアフォースが狼煙を上げたのである。

 まだ2勝馬のガイアフォースが確実に菊花賞へ出走するためには、このセントライト記念で3着以内に好走し権利を獲る必要がある。しかし、同馬にはそれ以上の可能性を感じるのだ。

 デビューから4戦2勝2着2回2回と安定した成績。デビュー戦では後の日本ダービー馬ドウデュースとクビ差の接戦を演じ、しかも3着フェーングロッテン(ラジオNIKKEI賞1着・新潟記念3着)以下に3馬身の差を付けているのだから、重賞級の実力があるといっていい。

 2戦目で2着に4馬身差を付けて初勝利を挙げ、昇級戦のあずさ賞も2着に好走。その後は膝の故障の影響で間隔を空け、7月の国東特別では後続に1.1秒の差をつけるレコードタイムで圧勝と力の違いを見せつけた。しかも道中2番手に付けながら、上がり最速での勝利と内容も文句なし。その後も調整は順調で、夏を越しての充実ぶりには目を見張るばかり。夏を代表する上がり馬の一頭と言えよう。

 ここまで4戦すべて騎乗してきた松山弘平騎手のコメントをチェックしてみると、期待の高さがひしひしと伝わっている。

初勝利時の3歳未勝利
「まだまだ余裕もあり、強い内容でした。これからさらに良くなってくると思います」

2勝目の国東特別
「とても能力が高い。これからが楽しみ。順調に上まで行ってほしい」

 同馬を生産した追分ファームは、2012年にフェノーメノでセントライト記念を勝利し、さらに菊花賞馬ソングオブウインドを送り出すなど長距離馬の生産に定評がある。今年の3歳馬は安田記念(G1)にも挑戦したセリフォス、ローズS(G2)に出走するパーソナルハイと素質馬が揃ったが、このガイアフォースが一気に主役に躍り出るかもしれない。

 今年の菊花賞は皐月賞馬ジオグリフが天皇賞・秋(G1)に向かい、日本ダービー馬ドウデュースが凱旋門賞に挑戦、ともに2着のイクイノックスも不在という混戦模様。どの馬にもチャンスがあり、多くの陣営が権利獲りに勝負をかけてくるだろう。

 このセントライト記念にはアスクビクターモア、オニャンコポンなど重賞勝ち馬や、プリンシパルSを勝ったセイウンハーデスをはじめ、冒頭にも触れた通り素質馬が揃って登録しているが、それでもガイアフォースに底知れぬ可能性を感じる。

 父キタサンブラックと同じく、このガイアフォースもこのセントライト記念を皮切りに、菊花賞そして父が歩んだ大一番で結果を出すような存在になれるかもしれない。

 そのためにもここで足踏みをせず、一気に菊花賞候補へ名乗りを上げてほしい。今週行われるセントライト記念は、ガイアフォースの走りに注目したい。

仙谷コウタ

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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