【ローズS(G2)予想】オークスで注目された川田将雅×アートハウスは今回も切り!馬場悪化必至のなら道悪巧者の穴が開く予感
今回は秋華賞(G1)への最終切符をかけて争われるトライアル・ローズS(G2)を予想していく。
先週の振り返り。まず紫苑S(G3)は◎スタニングローズと△サウンドビバーチェは順当過ぎるほど順当に来たが、3着が切ったライラック。予想外に外から良い脚で伸びてきた。これを実力と見るか展開のアヤと見るかで、本番での取捨が決まるか。
京成杯AH(G3)は▲ファルコニアが勝ち、3着に△クリノプレミアムが来たまでは良かったが、2着はノーマークのミッキーブリランテ。まさか1コーナーを回ったところでハナに立ち、そのまま直線で粘るとは予想だにしなかった。近3走はいずれも二ケタ着順で買い要素ゼロ。これは岩田康誠騎手の好騎乗がすべてだった。
セントウルS(G2)は◎→△→○で的中。メイケイエールが圧倒的な1番人気になったせいで、それほど美味しい馬券にならなかったのが少々残念ではある。ダディーズビビッドはやはり本番でどう変わるか、ソングラインも予想で指摘した通り、本番への叩きだったことと本質的にスプリント向きではなかったのだろう。
では、予想に戻ろう。
まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。昨年、一昨年は中京2000mと施行条件が若干変わっているが、区別せずピックアップする。
オークス 13頭
条件戦(1勝クラス) 5頭
三面川特別(2勝クラス) 2頭
フローラS、未勝利戦 各1頭
条件特別(2勝クラス) 5頭
条件特別(1勝クラス) 3頭
となっている。オークス(G1)からの転戦馬が約半数。過去にはオークス馬が秋の初戦にココを選んで好走する例が多かったが、近年はオークスで大敗した馬がここで巻き返しを図る例が多い。これを除くと条件馬が秋華賞への切符をかけてガチで出走している。条件馬だけに比較が難しいが、特に吟味が必要になってくるだろう。
続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気 4-1-1-4
2番人気 1-2-2-5
3番人気 1-0-2-7
4~6番人気 2-2-1-25
7~9番人気 2-1-1-26
10番人気以下 0-4-3-61
となっている。1番人気がそこそこ信用できそうな数字を残しており、近5年でも1勝3着1回とまずまず。10年分の数字では今ひとつ信用できない2番人気と3番人気も、近5年ならそれぞれ2頭が馬券に絡んでいるので、取捨は要検討だろう。ただし、上位人気だけで決まったのは12年だけでその後は人気薄が激走して馬券に絡むパターンが多い。二ケタ人気の馬も近5年で4頭馬券になっており、見極めが必要だ。
ちなみに当日の天気は曇り時々雨の予報。前日、当日ともに降水確率が60%ということで、パンパンの良馬場というわけにはいかなそうだ。重適性も考慮しつつピックアップしていきたい。
これを踏まえて「◎」は人気しそうだが1番セントカメリアとする。
前走は月岡温泉特別(2勝クラス)。逃げ馬を前に見ての番手で競馬を進め、直線で前の馬を交わしたものの後ろから来た馬に差されての2着となった。ちなみにこのレースで勝ったラーグルフはセントライト記念(G2)に出走する。
昨年10月の中京でデビューしているが、この時は出遅れも響いて2着。未勝利脱出は今年3月で4戦を要した。しかし、ここから連勝で1勝クラスを勝ち上がっての前走2着という流れ。
負けた4戦のうち3戦はマイル戦で、4戦目の未勝利で2000m戦を使ってあっさり勝ち上がったところを見ると中距離以上に距離適性があるのだろう。今回の中京2000mの舞台も未勝利、1勝クラスと連勝を飾っているだけにコースとの相性も申し分なさそうだ。
加えて、この連勝したレースがどちらも重馬場。それでいながら、1勝クラスでは1分59秒6と重馬場にしては速いタイムで勝ち上がっている。さらにこの1勝クラスで下したのがセントライト記念で有力馬と目されているガイアフォースだ。
一線級とまでは言わないが、世代上位の実力馬を下して臨んできているのは実力あってのもの。重馬場適性もあり、前が残りやすいレース傾向は前で競馬したいこの馬向き。ここは人気になっても押さえたいところだ。
「○」は多少穴っぽいところで14番ルージュリナージュを挙げる。
前走は1勝クラスの条件戦。好スタートから前を譲って中団からの競馬。直線に向いて同じような位置取りだった馬と叩き合いになり、これを制して勝利している。
10月東京でデビューするも4着。その後、一息入れた今年2月に未勝利を勝ち上がっている。1勝クラスの条件特別で惜しい競馬が続いていたところでの前走勝利ということで、未勝利勝ち上がりから前走までの4戦はいずれも馬券圏内の堅実な走り。そして、前3走までが渋った馬場でのレースで重馬場適性も十分あると見た。
2走前、3走前で負けた相手はどちらも秋華賞直行ということで、戦ってきた相手も中の上くらいの実力はある馬。今回のメンバーは重賞連対経験馬が1頭いるだけで大半は1勝クラスか2勝クラスかといったところ。十分以上に好勝負できる実力はあるはずだ。
陣営からはレースで一生懸命になりすぎる点が課題とコメントが出ているが、最近は我慢が利くようにもなったとして、権利取りに色気十分。押さえるだけの理由にはなるだろう。
「▲」は思うほど人気しなさそうな10番マイシンフォニーを推す。
前走は1勝クラスの条件戦。後方からの競馬でスローペースの中、直線で逃げ馬を追い込むも届かず2着に終わった。
先日のフォワ賞(仏G2)で大差のしんがり負けを喫したが、2歳戦では好成績を収めたマイラプソディが半兄にいることでデビュー前からそれなりに注目を浴びていた馬。だが、期待にそぐわぬ「あと一息」のレースが続いている。
戦績を改めて見てみると8戦のキャリアで1勝2着2回と確かに物足りないのだが、一方で掲示板を外したのは1回しかなく、フィリーズレビュー(G2)、フローラS(G2)の両トライアルでも4着と意外に堅実な走りをしている。
稍重馬場での連対経験もあるので極悪馬場にならなければ対応はできそう。前走は後ろからの競馬だったが、前につけても中団につけてもそれなりに走るので展開不問と言えよう。重賞の割にメンバーレベルが低い今回なら、この馬にも出番はあると見る。
「△」は人気の一角4番パーソナルハイと6番サリエラ、穴っぽいところから7番メモリーレゾンの3頭を挙げる。
パーソナルハイの前走はオークス。逃げるニシノラブウインクを前に見る2番手の競馬だったが直線で力尽きブービー負けを喫している。
2歳条件戦で走っているうちは優等生の成績を残していたが、阪神JF(G1)で16着と大敗するとそこからフラワーC(G3)、桜花賞(G1)をともに6着と重賞の壁に当たる。だが、フローラSでは逃げを打って前で粘り2着を確保し、実力の一端は披露できた。
ただ、重馬場を走った経験がないので、馬場が悪化したときにどう出るかという不安はある。さらに戦績を見ると叩き良化型のようにも見え、陣営もそこを認めるようなコメントを出している。賞金は持っているので叩きの一戦の腹づもりであることは十分考えられるが、力関係で言えば重賞連対経験があるのはこの馬だけ。一枚上と考えれば、勝ち負けはなくとも3着はあるかもと見て押さえたい。
サリエラは前走1勝クラスの条件戦。中団につける競馬から直線で粘る馬を追い込み、差し切って勝利した。
全姉にサラキア、半兄にサリオスがいる言わずと知れた良血馬。体質の弱さで3歳牝馬ながらまだ2戦しか消化していないものの、良血らしくどちらも勝ってメンバー中唯一の無敗馬となっている。
正直なところ2戦の内容だけで他のメンバーとの比較は難しい。さらにサラキアは重馬場巧者、サリオスもそこそここなせるが良馬場しか走っていないサリエラがどうなのかも未知数である。
おそらくここは無敗であること、姉と兄が両方とも一流馬という血統背景、C.ルメール騎手騎乗ということで上位人気になるのだろうが、いささか過剰人気と見ている。とは言え、未知数の可能性に賭けてみるのは一興である。データ云々より可能性で押さえたい。
メモリーレゾンの前走は北海ハンデキャップ(2勝クラス)で、中団より後ろから競馬を進め、前が崩れた直線を伸びてきて勝利を挙げている。
5戦のキャリアで3勝、ここには連勝で臨んできている上がり馬。今年1月のデビューと遅かったが、そこで2着したあと2戦目で勝ち上がっている。1勝クラスの初戦で4着に敗れているが、これも2戦目で勝ち上がり2勝クラスも連勝しているなど、実力は相応にあると見える。
中団に控える競馬をする馬だが、切れる脚があるので展開のアヤがない限りは後ろからでもしっかり届くと考えている。ただ、ここまでマイル以下が主戦場になっており、前走1800m戦で勝ち上がっているものの、もう1ハロン延びてどうかという距離不安はある。この点については陣営もコメントしており懸念する点ではあるので、ここは勢いを買っても押さえとしたい。
人気どころでは8番アートハウスを切り。
前走はオークスで3番手からの競馬だったが、直線で余力をなくして7着に敗れている。
2走前の忘れな草賞(L)で強い勝ち方をしたことや、鞍上の川田将雅騎手が自身の手で人気薄から桜花賞勝利を挙げたスターズオンアースに継続騎乗せず、この馬に騎乗したこともあって2番人気に推された。予想では陣営のコメントが奮わなかったことや、明らかに実績と人気が見合わないとして切りとした。
今回は陣営からも好仕上がり、十分な時計も出ていると好調を伝えるコメントが出ており、オークスの時とは180度変わった印象がある。ただ、同時に陣営は「極端に馬場が悪くならないで欲しい」とも。勝った2戦はいずれも鋭い切れ味を見せてのものだったので、馬場が渋ってこれが封じられるのは痛いところだろう。
だが、予報を見る限り馬場の悪化が避けられない状況。稍重で済めば御の字で、おそらく重馬場までは悪化すると見ている。陣営のコメントをそのまま受け取るならここは用なしだろう。
ただ、ここで大敗したとしても秋華賞の賞金ボーダーはギリギリ超えていそうなので、優先出走権が取れなくても問題ないのかもしれない。叩きの一戦と考えれば必勝を期す必要はないので、余計に切ってもいい裏付けになる。
ということで、今回は1番、4番、6番、7番、10番、14番の6頭で3連複BOX20点で勝負とする。道悪になる可能性が高いということで、単純な力関係の比較にならなかった分だけ結果的に守りの予想になってしまったが、上位人気だけで決着しなければトリガミは避けられるはずだ。
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