GJ > 競馬ニュース > アドマイヤ軍団「忘れ形見」たちの苦境、存在感薄れていく名門の悲哀
NEW

アドマイヤ軍団「忘れ形見」たちの苦境、存在感薄れていく名門の悲哀

アドマイヤ軍団「忘れ形見」たちの苦境、存在感薄れていく名門の悲哀の画像1

 10日に東京競馬場で行われたグリーンチャンネルC(L)では、2番人気に支持されたデシエルトが快勝。東京ダート1600mのコースレコードを0.3秒も更新する圧巻の走りで、2桁着順に沈んだ春のクラシックからの復活を鮮烈に印象付けた。

 一方で、このレースでデシエルトと並んで期待を受けていたアドマイヤルプスは対照的に9着に惨敗。1番人気に支持されたものの、ファンの期待を裏切る結果に終わった。

 アドマイヤルプスはオープン昇級初戦となった4月のオアシスS(L)でいきなり2着に好走し、続く前走のアハルテケS(OP)では後続に0.6秒もの差をつけて圧勝。この際に手綱を握っていたC.ルメール騎手は「今日は楽でしたし、より上でもやれると思います」ともコメント。先々の重賞戦線での活躍も見据えていただろう。

 今回は近2走で結果を残している東京1600mの舞台で賞金を加算し、今後の重賞挑戦へ向けて弾みをつけたいと陣営も考えていたはずだ。だがその目論見は外れ、キャリアの中で初めて掲示板を外す大敗を喫することとなってしまった。

 アドマイヤルプスは、その冠名からも分かるように近藤旬子氏が所有している馬の1頭である。同氏は2019年に亡くなった夫の近藤利一さんから「アドマイヤ」軍団を引き継いだことで知られているが、最近の重賞戦線では不振が続き、以前よりもその存在感は薄れつつある。

「忘れ形見」たちの苦境…

「アドマイヤ」軍団のオープンクラスの馬は6頭いるのだが、その中で今年に入って重賞に出走しているのはアドマイヤハダル、アドマイヤジャスタ、アドマイヤアルバの3頭のみ。

アドマイヤ軍団「忘れ形見」たちの苦境、存在感薄れていく名門の悲哀の画像2

 この3頭で7度の重賞レースへと挑んでいるが、好走を果たしたのはアドマイヤハダルが3着に食い込んだ中山記念(G2)のみ。その他のレースでは1度も掲示板に食い込むことすらできておらず、全て2桁着順の大敗となっている。

 重賞戦線で唯一の健闘をみせたアドマイヤハダルは5月の新潟大賞典(G3)へ登録をしており、『netkeiba.com』の想定オッズでは当初、1番人気に支持されるなど注目を集めていた。しかし有力馬の一角として臨むはずだったこのレースでは、賞金不足による除外の憂き目に遭い出走が叶わず。それから約半年が経とうとしている現在までに、入厩や次走予定などの情報は明らかになっていない。

 アドマイヤジャスタ、アドマイヤアルバの2頭に関しては、それぞれ6歳、7歳と競走馬としての能力のピークが過ぎていてもおかしくない年齢を迎えている。実際にこの2頭はオープンクラスのレースで凡走を繰り返しており、今後の更なる活躍を見込めるとは言い難い状況だ。

 その他の所有馬には、「6億円ホース」としてデビュー当初から話題を呼んだアドマイヤビルゴがいるが、3歳時にアンドロメダS(L)で勝利を挙げたのを最後に約2年、勝ち星からは見放されている。2日のポートアイランドS(L)では約半年ぶりの出走となったが3着に好走したのがせめてもの救いか。

 このように「アドマイヤ」軍団の面々が中々結果を残せていない状況で、7戦連続連対中と好調を維持していたアドマイヤルプスへとかかる期待は大きかったはずだ。名手・ルメール騎手も太鼓判を押し、重賞戦線でも活躍できる器と見られていただけに、今回の敗戦は「アドマイヤ」軍団にとっても大きな痛手といえるだろう。

 アドマイヤベガ、アドマイヤグルーヴ、アドマイヤマーズなどG1戦線で数々の勝利馬を輩出してきた「アドマイヤ」軍団。重賞戦線ではファンにとってもお馴染みの存在であったが、最近ではかつての威光が影を潜めてしまっている。

「アドマイヤ」軍団は年々規模を縮小している傾向にあり、現3歳世代の所有馬は5頭、デビューを控える2歳世代はわずかに3頭の登録に留まっている。20年には現オーナーの近藤旬子氏が2歳馬7頭を他の馬主に譲渡しており、「物言う馬主」として知られた故・近藤利一さんとは対照的にオーナー業に執心していない様子も伺える。こうした状況を考えれば、「アドマイヤ」軍団がかつての勢いを取り戻すことは難しいのかもしれない。

アドマイヤ軍団「忘れ形見」たちの苦境、存在感薄れていく名門の悲哀のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  2. JRA天皇賞・春(G1)エタリオウの「扱い」が鍵? 「最強コンビ」桃井はること楠原安里梨が占う平成最後の聖戦
  3. 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
  4. JRA矢作芳人調教師「馬場のことは、いつも棟広に聞いているぐらいだから」ジャパンC(G1)にコントレイルを出走させる名伯楽も信頼!『KEIBAコンシェルジュ』棟広良隆氏【特別インタビュー】
  5. 競馬・パチスロ「勝ちまくり」の無双モード!?「キャプテン渡辺」が濃厚すぎる上半期を振り返る!!【特別インタビュー】
  6. 【NHKマイルC】17番人気ピンクカメオの激走!伝説の973万馬券はこうして飛び出した。今年はジャンタルマンタルとアスコリピチェーノに不安話で急浮上の穴馬!
  7. JRA天皇賞・秋(G1)最強の「攻略法」を発見!? 空気階段「鈴木もぐら」渾身の『絆69馬券』に驚愕!!
  8. 天皇賞・秋の注目馬も激白! 秋葉原オタクカルチャーの代表選手・桃井はるこが競馬の魅力を語り尽くす!(後編)
  9. 「競馬愛」が溢れすぎ! 秋葉原オタクカルチャーの代表選手・桃井はるこが競馬の魅力を語り尽くす!(前編)
  10. 【NHKマイルC】初G1タイトル狙う4人の刺客!相棒は配当妙味が十分の穴馬揃い…菱田裕二、川須栄彦に続けるか