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ジャパンC(G1)凱旋門賞馬アルピニスタら大挙登録も「ぬか喜び」が怖い理由

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 13日、JRAは11月に行われるジャパンC(G1)に予備登録を行った外国調教馬を発表した。先日の凱旋門賞(G1)を制したアルピニスタを筆頭に、欧州のみならず米国や豪州などの世界各国から、29頭もの馬が登録馬として名を連ねている。

 近年のジャパンCは2019年に史上初となる外国馬の出走がゼロとなり、20年にも1頭、21年も3頭の出走に留まるなど国際招待競走としての盛り上がりを欠く印象があった。予備登録を行った今年の29頭のうち何頭が実際に来日を果たすかはわからないが、久しぶりにジャパンCの趣旨に相応しい国際色豊かなレースが見られそうだと期待を膨らませるファンも多いはずだ。

 また、数多くの外国馬がジャパンCへの参戦を視野に入れている理由として、東京競馬場に新設された国際厩舎の存在が追い風となっていると言われている。

 これまで日本のレースに出走する外国馬は、検疫の関係でJRAの競馬学校(千葉県白井市)にて7日間滞在することが必要であった。しかし国際馬房の完成によって今年からは東京競馬場に空港から直接移動することが可能になり、複数施設間の輸送や環境の変化といった馬への負担が軽減できると期待されている。

 そのほかにもジャパンCの1着賞金が今年から4億円へと引き上げられたことなど、様々な要因が海外陣営の来日意欲を後押ししていると考えられる。いずれの理由にせよ予備登録馬が昨年の11頭から29頭へと大幅に増加したことには、外国馬の誘致推進に尽力してきたJRA関係者も胸を撫でおろしているはずである。

 だが今回の予備登録馬の数をみて、今年こそは多数の外国馬がジャパンCへと参戦するはずと考えるのは早計といえるかもしれない。

大挙登録も「ぬか喜び」が怖い理由…

 今回の予備登録馬の増加は、当然ながら新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に対する各国の移動制限が緩和されつつあることが大きな要因となっているはずだ。コロナ禍の最中であった20年は8頭、21年は11頭の登録に留まっていたのに対して、コロナ禍前の19年には27頭、18年には28頭の登録があった。

 また、19年には27頭の登録馬がいたにもかかわらず、実際にジャパンCへと参戦を果たした馬は1頭もいなかった。

 予備登録を行ったとはいえ、外国馬にとってジャパンCは数ある世界各国のG1レースの選択肢の1つに過ぎない。外国馬が来日を敬遠する要因として挙げられる日本の高速馬場が解消されているわけではなく、登録馬が同時期に行われる他国のG1レースに流れてしまうことは十分に考えられる。

 凱旋門賞馬・アルピニスタを筆頭に29頭もの馬がジャパンCへの登録を行ったことは、ファンや関係者にとっても歓迎できることである。だが現段階で、多くの外国馬が来日を果たすとは言い切れない。19年のように蓋を開けてみたら出走馬が1頭もいなかったという、ぬか喜びにならないことを願うばかりである。

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