【スワンS（G2）予想】マテンロウオリオンは用なし！ 1400mが得意な馬から万馬券狙い

　今回はマイルCS（G1）の前哨戦として伝統のあるG2戦、スワンS（G2）を予想していく。

　まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
安田記念　8頭
オパールS（L、OP）　3頭
スプリンターズS、ヴィクトリアマイル、毎日王冠、京王杯SC、京成杯AH、ポートアイランドS（OP）　各2頭
NHKマイルC、函館記念、キーンランドC、安土城S（L）、都大路S（OP）　各1頭
条件特別（3勝クラス）　2頭
となっている。安田記念（G1）からの転戦馬が多いのは、マイルCSに向けて秋初戦をここに選ぶ馬が多いからだろう。それ以外は多種多彩なローテーションになっている。ただ、条件戦からの勝ち上がりは少ないので、割り引いて考えていいだろう。基本は前走重賞組を重視だ。

　続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気　3-2-1-4
2番人気　4-1-2-3
3番人気　1-1-1-7
4～6番人気　0-4-3-23
7～9番人気　1-1-2-26
10番人気以下　1-1-1-63
となっている。1番人気と2番人気は信用していい数字だろう。近5年で絞ってもそれぞれ4頭来ていて、両方飛んだ年はないので軸で考えられる。3番人気が数字の上では不振だが昨年3着、一昨年2着に来ているので数字だけ見て軽視すべきではなさそう。人気馬が全部飛んだのは13年の1度だけだが、毎年中穴以下の馬が必ず1頭は入っているので、穴馬の精査は必要だろう。

　これを踏まえて「◎」は7番ロータスランドとする。

　前走は安田記念。緩いペースの中、中団に控える競馬で4コーナーから動き出すが直線で伸びを欠き10着に沈む。

　昨夏から重賞の常連となっているが、条件戦を走っていた頃ほど安定した成績を残しておらず、マイルのG1、G2では二ケタ着順に終わっている。だが、一方で今年は初戦の京都牝馬S（G3）で番手から押し切る競馬で勝利、続く高松宮記念（G1）でも中団から伸びてきて2着するなどマイルより短い距離は好走している。

　これらを鑑みると京都牝馬Sと同じ舞台でマイルより短いだけに好走が期待できそうである。ここを叩いて大目標のマイルCSに向かうのだろうが、本番よりここでこそ勝っておきたい。

「○」は人気薄の12番サブライムアンセムを挙げる。

　前走は桜花賞（G1）。中団に控える競馬で、直線良く伸びてきたところで着差0.2秒と大接戦の9着となった。

　未勝利脱出まで6戦を要したが、未勝利を脱出するとフィリーズレビュー（G2）も連勝して桜花賞切符を手に入れた。桜花賞は上記の通り着順こそ9着だが、2着と3着が半馬身差、そこから10着までがハナからクビ差までに収まる大接戦となり、ちょっとしたきっかけさえあれば、もっと上位にいてもおかしくない内容だった。

　桜花賞からの休み明けということで割り引きは必要かも知れないが、陣営からは仕上がりの良さを匂わしつつ「好勝負期待」というコメントが出ている。阪神1400m条件は3走してフィリーズレビューの勝利も含むパーフェクト連対。コース相性が抜群な上にフィリーズレビューの走破タイムも優秀。古馬とは初対戦になるが好勝負してもおかしくない。

「▲」も穴馬の16番レイモンドバローズを推す。

　前走は白秋S（3勝クラス）。出遅れて後方からの競馬になったが、4コーナーから動き出し、直線で先に抜け出していたアネゴハダをゴール前ハナ差捉えて勝利した。

　この馬も未勝利脱出に4戦かかったものの、1勝クラスを連勝してアーリントンC（G3）でも3着に好走。NHKマイルC（G1）では大敗したが、自己条件に戻って2着→1着と勝ち上がり、前走は連勝でオープン入りを果たした。相応にポテンシャルを持った馬と言える。

　上記のように前走重賞組が強いレースではあるのだが、この馬と同じ前走を経由して3着に好走した例がある。今回は重賞勝ち馬はいるものの、G1実績となると3頭が連対したのみでレースレベルは高くない。そうであれば、連勝の勢いを買ってここでの好走も期待できるのではないか。

　1400m戦を3勝しているなど距離適性もハマっている感があり、馬券妙味もあるので積極的に押さえてみたい。

「△」は人気サイドだが1番ホウオウアマゾンと17番スカイグルーヴの2頭を挙げる。

　ホウオウアマゾンの前走は安田記念で、単騎でハナに立ちスローペースを作り出したが、直線で粘りきれず12着に大敗している。

　この馬は戦績を見ると傾向がわかりやすい。これまで5回の着外を経験しているが、うち4戦はすべてG1。残る1走は東京新聞杯（G3）だったが、道中の緩みないペースが影響して勝負所で上がっていったはいいが、直線でお釣りをなくしてしまったのが敗因だ。

　この東京新聞杯を除くと5戦の重賞で1勝を挙げたほか、残る4戦も馬券圏内に好走している。つまり単純にG1では荷が重すぎて好走できないという馬。昨年のこのレースで3着に入っているほか、年末の阪神C（G2）でも2着に入っており、阪神1400m戦は得意な舞台だ。

　大目標のマイルCSでは用なしになるかもしれないが、ここでは十分好走の目があると見ていいだろう。人気サイドだが、分かりやすい傾向がある以上、押さえる必要はある。

　スカイグルーヴの前走は関屋記念（G3）で中団より前で競馬を進め、直線でも伸びてきたが前が止まらなかったこともあり4着に終わっている。

　以前はこの馬に関して取捨に迷うところがあった。だが、関屋記念の予想でも書いたがこの馬はマイルでは少し長く、1200mでは少し短いという案配で、個人的には1400m戦専用機だと見ている。実際、前走の予想ではこう分析して4着に終わっているあたり、証明できたのではないかと思う。

　今回はその得意距離の1400m戦。◎ロータスランドが勝った京都牝馬Sで2着に入っており、阪神1400mも問題なくこなせると見ている。陣営もこの点に関して期待をかけており「仕上がりもいい」とコメント。人気サイドになるのは致し方ないが、1400m戦を得意にしているのであれば、押さえざるを得ないだろう。

　人気サイドでは6番マテンロウオリオンを切り。

　前走は日本ダービー（G1）で、致命的な出遅れから後方待機策を選択したものの4コーナーで一杯になってしまい、ブービー負けしている。

　前走こそ大敗しているが、NHKマイルCで2着があるほか、ニュージーランドT（G2）2着、シンザン記念（G3）勝ちと重賞で好走しており、実績で言えばメンバー中でもトップクラスと言えよう。

　仮に春シーズンをNHKマイルCの2着までで終わらせて、秋の初戦にここを選んできたとするなら十分馬券圏内と見ても良かったのだが、その後にダービーへ出走してしまったのが余計だった。過去データを遡ってもダービー敗戦からここで好走した馬がいない。ダメージが残っているという話ではなく、単純に前走2400m戦から一気に5ハロン距離短縮はないだろう、ということだ。

　短距離戦で実績を残してきており、1勝クラスで今回と同じコースを経験済み。距離適性やコース適性はクリアしているが、実績だけで買ってはいけない1頭のように感じる。ここは黙って切りとしたい。

　ということで、今回は1番、7番、12番、16番、17番の3連複BOX10点勝負としたい。印通りきた場合は万馬券が見えてくる。