GJ > 競馬ニュース > 「逃げを捨てた」ジャックドールが直面した苦悩…個性全開のパンサラッサと分かれた明暗
NEW

「逃げを捨てた」ジャックドールが直面した苦悩…個性全開のパンサラッサと分かれた明暗

【この記事のキーワード】, ,

「逃げを捨てた」ジャックドールが直面した苦悩…個性全開のパンサラッサと分かれた明暗の画像1

 先週末に行われた天皇賞・秋(G1)は強烈な差し脚を見せたイクイノックスが勝利。見事な大逃げから2着に粘りこんだパンサラッサを含めて、見どころの多い好勝負だった。

 その一方、今夏の札幌記念(G2)で、そのパンサラッサを壮絶な叩き合いの末に破ったジャックドールは4着に惜敗。自らの個性を前面に押し出す走りでターフを沸かせたパンサラッサとは対照的に、前走で活路を見出した番手に控える競馬で大舞台へと臨んだが、結果に結びつけることはできなかった。

 ジャックドール陣営としては今回もパンサラッサにハナを譲り、自らは好位につけるレース運びを想定していたはずだ。だが、パンサラッサが逃げたはいいが、後続を大きく引き離し、ハイペースでの大逃げを図ったことは誤算であっただろう。正攻法の競馬で勝負に出たことが、結果的にジャックドールを苦しめてしまった側面もあるかもしれない。

 天皇賞・秋でジャックドールを交わして馬券圏内に食い込んだイクイノックス、ダノンベルーガはそれぞれ上がり3ハロンで32.7秒、32.8秒と驚異的なタイムをマークしている。

 パンサラッサが刻んだ前半1000m57.4秒という驚愕のラップが目立っているが、実は2番手のバビットが1000mを通過したのは60秒~61秒とやや遅め。1分57秒5という全体時計も、近2年のスローペースで進んだレースと大きな差は無かった。

「逃げを捨てた」ジャックドールが直面した苦悩…

 こうした点を踏まえれば、今年の天皇賞・秋は実質的には後傾ラップのスローな展開でレースが進んだとも捉えられる。だからこそ最後の3ハロンでの”決め手勝負”となり、末脚の瞬発力が抜群である2頭の3歳馬に、ジャックドールは後塵を拝したのではないだろうか。

「逃げを捨てた」ジャックドールが直面した苦悩…個性全開のパンサラッサと分かれた明暗の画像2
藤岡佑介騎手

 鞍上の藤岡佑介騎手はレース後に「前が少し離れていたので難しい競馬にはなった」と敗戦の弁を述べた。逃げるパンサラッサと後方の面々、その両方を気にしながら仕掛けるタイミングを探る必要があったことは、鞍上としても悩ましい展開だったに違いない。

 だが1月に同コースで行われた白富士S(L)にて、ジャックドールは1分57秒4という今回と同水準の時計で勝利している。その際は前後半を59.4-58.0のラップで纏めて逃げ切っており、馬場の違いはあれど同程度のタイムで走破可能な力は持っていたはずである。

 仮にジャックドールが前も後ろも気にすることなく、白富士Sのように淡々と自分のペースを刻んで走ることができていれば、結果は違っていたのかもしれない。

 今回に関しては結果的に、控える意識が裏目に出たとも捉えられるジャックドール。敗れはしたものの大舞台での4着は立派な成績であり、充実一途の4歳馬であることも考えれば今後も中距離のG1戦線で活躍を見せてくれるはずだ。この敗戦を糧に念願のG1タイトルを手にする日が来るだろうか、今後の奮闘に期待したい。

「逃げを捨てた」ジャックドールが直面した苦悩…個性全開のパンサラッサと分かれた明暗のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
  2. 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
  3. 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
  4. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  5. 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
  6. 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
  7. 【オークス】石川裕紀人が滑り込みでラストチャンスをゲット!?血統的に距離延長歓迎の穴候補に浮上…カワカミプリンセス、カレンブーケドールに続けるか
  8. 「うまく力を出せた」2年目女性騎手が2ヶ月ぶり白星! 「負担重量の注意義務」を怠り戒告処分も…翌日1Rで名誉挽回の好騎乗
  9. 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
  10. 【NHKマイルC】“アスコリピチェーノVSジャンタルマンタル”仁義なき社台グループの頂上決戦に決着をつける不気味な伏兵!