【京阪杯(G3)展望】今村聖奈×テイエムスパーダ「日本レコード」コンビ復活!
27日、阪神競馬場ではスプリント重賞の京阪杯(G3)が行われる。阪神で開催された過去2年は2桁人気の伏兵が1頭ずつ馬券に絡んだが、今年もその流れは続くのか。早速展望していきたい。
遅咲きのダイワメジャー産駒、サンライズオネスト(牡5歳、栗東・河内洋厩舎)の重賞初制覇がそろそろあってもおかしくない。
今年1月にカーバンクルS(OP)を勝つと、続く阪急杯(G3)で3着に好走。高松宮記念(G1)は9着に敗れたが、勝ち馬からは0秒3の僅差だった。この秋はセントウルS(G2)3着、オパールS(L)2着で賞金加算には失敗したが、展開・馬場に左右されることなく常に上位争いに加わっている。
そんなサンライズオネストを高く評価しているのが、2走前からコンビを組む横山典弘騎手だ。初コンビのきっかけは自ら河内調教師に直訴したことだったとか。
2度目の手綱を取った前走後には「ちょっと難しいですね。返し馬から全然ですからね。頑張っているんですが……」と、大ベテランが嘆くほどの癖馬。かつて騎乗していた武豊騎手も調教で跨った際、「一気に持って行かれた」というから乗り難しさがあるのは間違いない。
3回目のコンビとなる横山典騎手は、今年2月上旬までに重賞3勝のロケットスタートを決めたが、その後は10か月近く重賞勝利から遠ざかっている。そろそろ「典マジック」を見ることはできるか。
現役スプリンターの中でも屈指の末脚を持つのがタイセイビジョン(牡5歳、栗東・西村真幸厩舎)だ。
2年7か月以上勝利からは遠ざかっているものの、重賞では7回の連対(1着2回、2着5回)を数える堅実派である。この夏はCBC賞(G3)、北九州記念(G3)で連続2着。スプリンターズS(G1)では6番人気に推されたが、人気を大きく裏切る13着に敗れた。G3なら巻き返す可能性は高い。
鞍上は昨年の阪神C(G2)以来3度目のコンビとなる三浦皇成騎手。過去2回の騎乗では馬券圏外に沈んでいるが、どちらもレース中に不利を受ける不運もあった。19日には東京スポーツ杯2歳S(G2)を制し、目下絶好調の三浦騎手が、今年重賞4勝目を飾れば、年間自己最多を更新するが果たして……。
今夏のCBC賞を格上挑戦で制したテイエムスパーダ(牝3歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)にもチャンスがある。
CBC賞は斤量の関係で主戦の国分恭介騎手が乗れず、代打で一発回答したのが重賞初騎乗で勝利を飾った1年目の今村聖奈騎手だった。
レースでは好スタートを切ると、何が何でも行く構えを見せ、前半3ハロン31秒8のハイラップを刻んだ。小倉の高速馬場と48kgの軽ハンデも味方に、最後まで後続馬に影を踏ませず。3馬身半差の完勝は日本レコードタイムのオマケ付きだった。
その後は国分恭騎手に手が戻り、北九州記念が2番人気7着、スプリンターズSが4番人気15着と期待に応えられていない。今回は国分恭騎手が落馬負傷で戦列を離れていることもあって、今村騎手に再び白羽の矢が立った。
開催が進んだ阪神の芝は外差し馬場の傾向が顕著になっているが、ちょうど当該週からBコースへと替わる。このコース替わりはテイエムスパーダにとってプラスになってもマイナスにはならないはず。今村騎手の任務は前回と同じ。ハナを奪って逃げるだけだ。
テイエムスパーダとハナ争いが予想されるのがスプリント重賞3勝の実績があるビアンフェ(セ5歳、栗東・中竹和也厩舎)。テンのスピードは現役馬の中でも屈指のレベルで、5か月半ぶりの実戦とはなるが、ハナを切れば驚異の粘り腰に期待できる。デビューから全ての手綱を取る藤岡佑介騎手とのコンビで重賞4勝目を狙う。
エイティーンガール(牝6歳、栗東・飯田祐史厩舎)は、スプリント重賞2勝の実績馬。うち1勝が10番人気で制した昨年の当レースだった。こちらは追い込み一辺倒の脚質のため、レース展開に左右されがちだが、今年の高松宮記念とスプリンターズSでともに0秒3差と大崩れしていない。
2走前の高松宮記念で17番人気ながら3着に激走したキルロード(セ7歳、美浦・田村康仁厩舎)は、福永祐一騎手と新コンビを結成。いつも通り好位から一発を狙う。
トウシンマカオ(牡3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)は、前走・オパールSでサンライズオネストに完勝し、リステッド2勝目を飾った。重賞6度目の挑戦で初勝利はなるか。
この他には、1年2か月の長期休養明けから3連勝中のスノーテーラー(牝5歳、栗東・飯田雄三厩舎)、8月のキーンランドC(G3)で3着に入ったヴァトレニ(セ4歳、栗東・長谷川浩大厩舎)、昨年の当レースで3着に逃げ粘ったファストフォース(牡6歳、栗東・西村真幸厩舎)など多士済々のメンバーが集まりそう。
激戦必至の京阪杯を制するのは果たしてどの馬か。発走は27日、16時15分となっている。
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