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怪我を乗り越えたタイトルホルダー姉がマラソンレースで本領発揮か

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メロディーレーン 撮影:Ruriko.I

 12月3日、中山競馬場にてJRAの平地競走で最も距離の長い重賞となるステイヤーズS(G2)が開催される。知っての通り、このレースは中山の内回りコースを2周する芝3600mを舞台に競われる。スタミナ自慢にとって貴重な重賞となっている。

 今年もスタミナに自信を持つ14頭がエントリー。例年、人気の割れる傾向にあるのだが、『netkeiba.com』の想定オッズでも、5番人気まで単勝オッズが一桁台との混戦が予想されている。

 その中にあって離れた6番人気想定となっているのが、「長距離界のアイドル」と呼べそうなメロディーレーン(牝6、栗東・森田直行厩舎)だ。

 400kg台でも小柄な牝馬と評される中、メロディーレーンは400kgすら大きく割る350kg台というさらに小柄な馬だ。体は小さいながらも、2019年9月の阪神6R、3歳以上1勝クラス(芝2600m)では馬体重338kgで出走しながら後続に2馬身半差をつける勝利を挙げ、JRA最少馬体重優勝記録を樹立しただけでなく、3歳以上芝2600mのJRAレコードを更新した。

 遡ること4年前の新馬戦と未勝利戦では芝の1600、1800m戦を使われているが、ともに二桁着順。3戦目は芝2000mで3着するもその後5連敗。数えて9戦目は2400m戦で人気薄を覆して3着に好走。次戦も芝2400m戦でようやく未勝利を脱出する。

 続く1勝クラスでは芝2000m戦で距離が足りなかったのか13着に大敗するが、芝2600m戦となった次走では2馬身半差をつけて完勝した。さらに菊花賞(G1)にも登録し、抽選をくぐり抜けて出走。12番人気と当然の人気薄をはねのけて牝馬ながら5着と掲示板を確保し、勝ったワールドプレミアとの着差はわずか0.4秒の大健闘だった。

 その後は芝の2400mを超えるレースを中心に使われ、重賞でも20年の阪神大賞典(G2)でやはり掲示板を確保する5着と健闘。なかなか勝ち星には恵まれなかったが、21年1月に2勝クラス突破、同年10月の古都Sで芝3000mの距離を走りきり、上がり最速を記録するおまけつきで3勝クラスを突破し、オープン馬として今に至っている。

「アイドルホースオーディション」で2位を獲得

 上記のように長距離に適性があるのは明らかだが、350kg前後の小柄な馬が長距離を一生懸命走り、勝っても負けてもひたむきに走るその姿にファンがつき、昨年京都競馬場が主催した「アイドルホースオーディション」でヨシオに次ぐ2位を獲得。ぬいぐるみ化されて人気を博した。

 そんなメロディーレーンだが、前走の宝塚記念(G1)で13着に大敗したあと、札幌の丹頂S(OP)で復帰を目指していたが、左前脚に球節炎を発症し休養に入った。管理する森田調教師は「よくある球節炎。症状は重いものではない」としていたが、結果的に秋シーズンも終わりかけのここまで時間がかかってしまった。

 今回はG2戦ということでメンバーも揃ったが、森田調教師は「中間も脚元の様子を見ながらやってきた」として、「とにかく長い距離がいい馬だからここは使いたかった」と状態の良さを強調。

 今月末には暮れの大一番、有馬記念(G1)に2歳下の半弟タイトルホルダーが出走し、年度代表馬の座をかけた戦いに挑む。そんな「よくできた弟」の露払いをするためにも、小柄な姉は最長距離重賞で初重賞制覇を飾りたいところだろう。

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