
【名古屋グランプリ(G2)展望】「20連勝」のJRA勢が圧倒的有利、注目の3歳馬がここでも主役か

8日、名古屋競馬場にて名古屋グランプリ(G2)が開催される。ダートの2100mという距離は川崎記念(G1)やエンプレス杯(G2)、白山大賞典(G3)と並び、交流重賞としては2番目に長い距離のレースとなっている。
2024年に施行時期の変更が決まっているが、現状は年明けに開催される川崎記念を睨んだ前哨戦という位置づけになろう。
これまで21回の歴史の中で第1回に笠松所属の馬が勝った後は、JRA勢が20連勝しているようにJRA勢が圧倒を続けているレース。直近では16年と17年に3着に入ったカツゲキキトキトが地方勢最先着となっている。
今年も5頭のJRA勢が参戦しているが、いずれも有力馬揃い。筆頭に挙げられるのが中央でも勢いのついた3歳勢の1頭、ペイシャエス(牡3、美浦・小西一男厩舎)だろう。
前走は盛岡で開催されたJBCクラシック(G1)。3番手からの競馬で直線でも粘ったものの勝ったテーオーケインズにあっさり交わされて3着に終わったが、先週行われたチャンピオンズC(G1)ではここで逃げて2着に入ったクラウンプライドが再び2着しており、0.2秒差で3着となった本馬の実力も証明された。
2走前の日本テレビ盃(G2)は案外だったがジャパンダートダービー(G1)2着、ユニコーンS(G3)勝利と3歳ダート界でもトップクラスの実績を持っており、ここでは順当に勝ち負けまで期待される。
前走の浦和記念(G2)から中1週というタイトなローテーションで臨むのがラーゴム(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。その浦和記念では2走前の白山大賞典2着の戦績を買われて3番人気に支持される。結果的に勝ったクリノドラゴンからは2馬身半差をつけられる完敗だったが、中団からよく伸びて2着を確保。中1週で重賞に臨むのは余力があったか。
同じく浦和記念から臨むのが、1番人気に推されて5着に敗れたケイアイパープル(牡6、栗東・村山明厩舎)。いつもは前目につけて抜け出すレースをしているが、このときは中団につける競馬で結果的に伸びきれず、4着馬から半馬身差をつけられた。
だが、この馬の場合左回りコースが極端に苦手で過去6走して2着がわずか1回あるのみ。戦前から言われていたことだけに、左回りだった浦和競馬場は凡走もある意味当然。こちらも不完全燃焼で中1週ながら右に替わる名古屋競馬場で一変する可能性は十分にある。
相手が揃ったJRA勢に対し、一矢報いたい地方勢。近3走で重賞3連対、前走で重賞を初制覇したアンタンスルフレ(セ4、愛知・角田輝也厩舎)が一番手だろう。
元々は短距離が主戦場だったが、近走で2000m前後の距離で好走するようになり、前走は2600mとダートではかなりの長丁場になる重賞を勝っている。前につけて抜け出す競馬が板についてきた感もあり、展開次第でスタミナを活かして一発、の可能性はある。
近走の好調さで言えばタカジョー(牡4、浦和・宇野木博厩舎)もチェックしておきたい。今年の春先から重賞戦線に参戦。2走前は9着と案外だったが、前走と3走前はともに3着といいところを見せている。特に前走は今回と同じコースで上がり最速の脚を使って馬券圏内に食い込んできただけに、こちらも展開次第で侮れない1頭だ。
その他、ダート重賞4勝で名古屋大賞典(G3)を連覇している古豪クリンチャー(牡8、栗東・宮本博厩舎)や今年重賞3連勝を飾るも近走凡走続きで巻き返したいタニノタビト(牡3、愛知・角田輝也厩舎)もチェックしておきたい。
今年も残すところ東京大賞典(G1)だけとなった古馬中距離の交流重賞。来季を見据えてここで必勝を期したい馬がそろった一戦に注目したい。発走は8日15時45分予定となっている。
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