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世紀の3強対決制した「香港の怪物」が安田記念(G1)視野も…待ち構える無数のハードル

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 29日、香港のシャティン競馬場で開催された古馬三冠の第1戦・スチュワーズC(G1、芝1600m)は、国内外で大きな注目を集めた。

 7頭立ての少頭数ながら、レースには香港を代表する3頭が集結。昨年12月の香港C(G1)でダノンザキッドに4馬身半差の圧勝を収めたロマンチックウォリアー、同日に開催された香港マイル(G1)でクビ差の接戦を演じたカリフォルニアスパングルとゴールデンシックスティが初めて揃い踏みを果たした。

 レースは大方の予想通り、3強の3強による3強のための競馬となった。

 ハナを切ったのは3番人気(3.9倍)のカリフォルニアスパングル。3強の中では最もゲートの出が甘かったが、テンからスピードに乗って、ややスロー寄りの平均ペースに流れを落として単騎先頭に立った。これを1馬身半離れた2番手でマークしたのが1番人気(2.0倍)のロマンチックウォリアー、そしてそのすぐ内を2番人気(2.5倍)のゴールデンシックスティが進んだ。

 隊列がほぼ変わらないまま4角を回って直線を向くと、ロマンチックウォリアーが先頭に並びかける。それを見て、ワンテンポ遅れて仕掛けたのがゴールデンシックスティだった。

 残り200mを切ったところでゴールデンシックスティが2頭の間を割ると、最後は「負けるわけにはいかない」といわんばかりに力強く伸びて先頭でゴールイン。2着ロマンチックウォリアーには1馬身差、3着カリフォルニアスパングルには1馬身1/4差をつけての完勝だった。

 レース前は世代交代を図る5歳馬2頭を推す声も多かったが、終わってみれば7歳馬ゴールデンシックスティがあっさりとこれを阻んだ。これでゴールデンシックスティの通算成績は27戦23勝。これまでも日本から送り込まれた一流マイラーたちに立ちはだかってきた怪物は、7歳を迎えてもやはり怪物だった。

「香港の怪物」が安田記念(G1)視野も…

 レース後には、今後のプランとして「3月のドバイターフ(G1)から6月の安田記念(G1)への転戦も視野に入っている」と現地メディアは報じたが、実は昨年もゴールデンシックスティは同レースに予備登録をしており、出走にも前向きだった。ところが、4月下旬のチャンピオンズマイル(G1)後に熱中症のような症状が出てしまい、来日回避を余儀なくされている。

「昨年は叶わなかった安田記念参戦が取り沙汰されていますが、実現の可能性はそう高くはないと思います。主戦のC.ホー騎手も『(安田記念での来日に向けて)暑さになれる必要がある』と語っているようですし、この馬はデビューした年を除けば夏場にはそもそも出走していませんからね」(競馬誌ライター)

 そしてもう一つ、ゴールデンシックスティに立ちはだかるのが東京競馬場のコース形態だという。

「これまでの27戦はすべてを右回りで、平坦なシャティン競馬場で走っています。左回りで府中のような直線に坂があるコースは未経験。ドバイのメイダン競馬場は左回りですが平坦コースです。もしドバイで左回りをこなしたとしても、坂がどうかという課題が残ります。そして何より高いハードルとして立ちはだかるのが東京の超高速馬場です。

ゴールデンシックスティのマイル戦の自己ベストタイムは1分32秒81なのですが、近年の安田記念は良馬場なら1分31秒台での決着がほとんど。暑さ、左回り、急坂のすべてをこなしたとしても、時計を1秒も詰めなければいけません。さすがの怪物も東京では厳しい戦いを強いられるのではないでしょうか」(同)

 今年の始動戦でしっかり健在ぶりをアピールしたゴールデンシックスティだが、初来日には越えるべきハードルが少なくないようだ。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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