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C.ルメール「空気を読まない」武豊斬りの裏で痛恨アクシデント、かつてクラシック候補と呼ばれた逸材が復帰も…待ち受けていた悲しい現実

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C.ルメール騎手

 28日に東京競馬場で行われた11Rの白富士S(L)は、C.ルメール騎手が騎乗したサリエラが、単勝1.8倍の圧倒的支持に応えて優勝した。同馬はG1馬のサリオスをはじめ、サラキアやエスコーラなどの素質馬を出した名牝サロミナを母に持つ良血馬。クラシック出走は叶わなかったものの、仕切り直しの一戦で好発進を決めた。今年の牝馬路線でも注目の存在となりそうだ。

 このレースには、JRA通算4400勝にリーチの武豊騎手も、『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)のヒットで知られる藤田晋オーナーの所有馬ドーブネと参戦。果敢にハナを奪うと、まんまとマイペースに落として押し切る勢いを見せたのだが、ゴール寸前で凄まじい切れを見せたサリエラの末脚に屈して2着に惜敗した。

 レジェンドの偉業達成を阻んだルメール騎手は、この勝利を含む1日6勝と絶好調。武豊騎手からすれば、「空気の読めないフランス人」に映ったかもしれない。日曜東京でも3鞍に騎乗したものの全敗。前人未到の大記録達成は翌週以降に持ち越しとなった。

 競馬界を代表するトップジョッキー2人の白熱した戦いが繰り広げられた一方で、白富士Sのレース中に残念なアクシデントが発生していたことにも触れておきたい。

かつてクラシック候補と呼ばれた逸材が復帰も…

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サトノフラッグ

 というのも同レースには、かつてクラシック候補の1頭として名を馳せたサトノフラッグ(牡6、美浦・国枝栄厩舎)も出走していたからだ。

 本馬は未勝利戦から3連勝で2020年の弥生賞(G2)を制覇。奇しくもレース名にディープインパクト記念と加えられた初年度の回の優勝馬でもあり、勝利へと導いたのが武豊騎手、皐月賞(G1・5着)で騎乗していたのがルメール騎手だった。春二冠は凡走に終わったが、秋の菊花賞(G1)では無敗で三冠を制したコントレイルの3着に好走した。古馬になっての飛躍を期待されたものの、2年前のエプソムC(G3・2着)後に骨折が判明してしまった。

 1年7ヶ月に渡る長期休養を余儀なくされての復帰初戦。陣営も「正直八分くらい」と半信半疑だったように、当日の馬体重も16キロ増と余裕残しだったことを考えれば、「まずは無事に回ってくれれば」といったところだろう。

 しかし、残念なことに残り1000mを切ったあたりで鞍上の田辺裕信騎手が手綱を引くような格好で競走中止。レース後、JRAから競走中に疾病(左前肢跛行)を発症したと発表されたが、命に別状がなかったことは不幸中の幸いである。

 だが、あえなく競走中止となったサトノフラッグに痛恨だったのは、長らく戦列を離れていた間にJRAが今年から実施しているルール改正が、まったく無関係に思えなかったことだ。この日の斤量は60キロで、昨年までなら59キロで出走できていた。

 勿論、陣営も1キロ増えることを承知の上での出走だったと思われるが、クッション性の高い欧州などの馬場に比して、速い時計の決着が特徴である日本の馬場は、脚元への負担が大きくなるという声も多い。日本でも一昔前は平地競走で60キロを超える斤量が課されるケースは珍しくなかったものの、馬場の高速化が進んだ近年と同一視していいのかとなると、少なからず疑問が残る。

 日経新春杯(G2)を制したヴェルトライゼンデが59キロのトップハンデを克服して快勝したケースもあるが、管理する池江泰寿調教師も「58キロを超えてからの1キロ増はこたえる。しかも、馬場が重たくなるとなおさらね」とレース前に懸念していた中での勝利だった。

 先入観のみで一概に1キロ増のルール改正を危惧することについては、時期尚早かもしれないが、2月以降の競馬も実際に“酷量”なのかどうかを見極める必要がありそうだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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