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ドゥレッツァに「楽勝」した相手がまさかの低迷…ドゥラメンテ、アーモンドアイなども経験した敗戦、何があるか分からない競馬の面白さ

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撮影:Ruriko.I

 C.ルメール騎手とのコンビで臨んだドゥレッツァ(牡3歳、美浦・尾関知人厩舎)が、破竹の5連勝で戴冠した今年の菊花賞(G1)。23年ぶりに皐月賞馬とダービー馬が激突することでも話題を呼んだが、終わってみれば春クラシックに出走すら叶わなかった上がり馬ドゥレッツァの圧勝だった。

 G1レースはおろか、重賞すらこれが初挑戦だった。しかも大外17番枠からの発走という厳しい条件だったにもかかわらず、春二冠を分け合ったタスティエーラとソールオリエンスに3馬身半以上という決定的な差をつけて、いきなり世代最強馬にまで上り詰めてしまったのだから恐れ入る。

 ちなみに牡馬クラシック第一弾の皐月賞(G1)が行われた頃、ドゥレッツァはまだ1勝クラスの山吹賞を勝ったばかり。競馬の祭典・日本ダービー(G1)が開催された次の週に、ホンコンジョッキークラブT(2勝クラス)でひっそりと2勝クラスを突破していた。

 そんな裏街道ともいえる道を渡り歩いてきた馬が、ひと夏を越して春の主役2頭を完膚なきまでに蹴散らすとは誰が想像できただろうか。それも元JRAの安藤勝己氏もSNSで「世代最強は遅れてきた大物や」と大絶賛したほどの強さだった。

「陣営も元々はドゥレッツァを春のクラシック路線に乗せたかったのだと思います。しかし、今年初戦に予定していたセントポーリア賞(1勝クラス)は蹄の不安で回避。その後、3月の自己条件に使う予定でしたが、結局ここも回避してしまいました。

ただアクシデントが続いてレースを使えなかった分、うまく成長を促せたという見方もできるかもしれませんね。秋になってビッグタイトルを掴めたのですから、今となっては結果オーライともいえるでしょうか」(競馬誌ライター)

 ライターが話す通り、ドゥレッツァが春の大舞台に立てなかった理由には、順調に使えなかったことが挙げられる。また単勝1倍台に推されていた昨年9月のデビュー戦を3着に取りこぼしてしまった影響も大きいだろう。

 なお、現在のところドゥレッツァの唯一の黒星となっているデビュー戦で、同馬に4馬身近い差をつけて楽勝したのがネビュルーズ(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)である。

ドゥレッツァに「楽勝」した相手がまさかの低迷…

 インゼルレーシングが所有するジャスタウェイ産駒の期待馬は、近親に海外G1・6勝のムーンライトクラウドがいる良血だ。昨年9月の中山・芝2000mで行われた2歳新馬戦で道中2番手を追走すると、最後の直線で後続を突き放す強い競馬。中団後ろからレースを進めていたドゥレッツァに影を踏ませることすら許さなかった。

 ちなみにこのときの2着が、後にプリンシパルS(L)を制するパクスオトマニカである。同馬とドゥレッツァを下してデビュー戦白星を決めたのだから、いま考えるとネビュルーズは今年のクラシック戦線で主役クラスになっても不思議ではなかった1頭だろう。

 だが同馬は現時点で未だ1勝クラスの身。14日の自己条件でも2着に敗れたばかり。ドゥレッツァとパクスオトマニカがその翌週に菊花賞に出走していたことを考えると、デビュー戦で2頭を一蹴したネビュルーズとしては、その後にあまりにも大きな差をつけられてしまったといえよう。

「ネビュルーズは初戦白星を飾った後、暮れの葉牡丹賞(1勝クラス)を目指していたものの回避。鞍上に武豊騎手を配して3月のゆきやなぎ賞(1勝クラス)で復帰したのですが、12頭立ての9着に大敗したことで歯車が狂ってしまったかもしれませんね。

ただドゥレッツァが初戦でネビュルーズに敗れたように、後のG1馬が初戦で伏兵に足元をすくわれるのは割と見られる光景ですよね。ドゥレッツァの父でもある二冠馬ドゥラメンテや、国内外でG1を9勝するアーモンドアイといったスーパーホースも、新馬戦ではそれぞれラブユアマン、ニシノウララの後塵を拝しています」(同)

 ちなみにラブユアマンとニシノウララは負かした相手が活躍しただけに、ファンからも注目を集めたが、その後、自己条件で1勝を挙げたのみでキャリアに終止符を打っている。

 はたしてネビュルーズも2頭と同じような道を辿ることになるのだろうか。初戦を見れば分かる通り、素質は間違いないと思われるだけに、ここから何とか巻き返してほしいものだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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