
わずか「2年足らず」でグランアレグリアに並んだヤマニンウルスの成長力…ダートの怪物はクロノジェネシスとも共通点

1番人気のヤマニンウルス(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が3馬身差の完勝を飾った今年のプロキオンS(G3)。同馬はデビューから無傷の5連勝で重賞タイトルを手中に収めた。
騎乗した武豊騎手はレース後「今日がまだ5回目のレース。この先どこまで強くなるのかすごく楽しみです」とパートナーの潜在能力を絶賛し、「(久々に騎乗の小倉は)やっぱり暑いですね。馬の方は涼しそうに走っていました(笑)」とウイットを含んだ言葉で締めくくった。
また、ヤマニンウルスは600キロにも迫る雄大な馬体の持ち主であることも話題の1つとなっている。出走するたびに馬体重を増やしており、今回は半年ぶりの一戦でプラス2キロに留まったものの、それでも一昨年8月のデビューから2年足らずで48キロも増えている計算だ。
グランアレグリアやクロノジェネシスも大幅に馬体増

デビューから年を追うごとに体重を増やしていくとともに、力をつけていった馬といえば近年ではG1・6勝を挙げた名牝グランアレグリアが思い浮かぶ。同馬は2歳新馬戦での馬体重が458キロだったものの、5歳秋のマイルCS(G1)で有終の美を飾った際は506キロ。奇しくも現在のヤマニンウルスと同じく48キロもボリュームアップしていた。
他にも国内外でG1・4勝を挙げたリスグラシュー、G1・4勝した女傑クロノジェネシスなどが初戦からラストランまでの間に40キロ近く成長を遂げたことで知られる。
過去の名馬たちと重なるような成長過程をたどるヤマニンウルスを管理するのは、そのクロノジェネシスと同じ斉藤崇厩舎。同厩舎は「史上最重量でのJRA重賞勝利」の記録を持つドンフランキーも手掛けており、2018年の全日本2歳優駿(G1)を勝ったノーヴァレンダも526キロの馬体を誇っていた。
そんな重量級の馬などで実績を残している斉藤調教師もプロキオンSの後、ヤマニンウルスには「またひとつステップアップできたなという感じで頼もしいです」と期待を寄せ、今後については「暮れのチャンピオンズC(G1)に行けるなら行きたい」と話していた。
主戦を務める武豊騎手もノットゥルノで一昨年のジャパンダートダービー(G1)制覇があるものの、中央のダートG1はインティで勝った2019年のフェブラリーS(G1)から遠ざかっている。成長を続けるヤマニンウルスとともに、久々の中央G1制覇を期待したい。
PICK UP
Ranking
11:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- お宝馬券がザクザク…2024年の荒れたレース、3連単とWIN5には夢がいっぱい
- ヤマニンウルス、オーサムリザルトに新たなライバル登場か…元クラシック候補が路線変更ズバリ、M.デムーロ「強かった。乗っていただけ」
関連記事
武豊「どこまで強くなるのか」ヤマニンウルス圧巻V!プロキオンSで初重賞勝ちも通過点か…「G1級ポテンシャル」証明の大器に残された課題
キングズソードとブエナビスタが強力援護!?小倉のプロキオンSは過去2回で大波乱…打倒ヤマニンウルスの「怖い刺客」はこの2頭!
武豊、C.ルメールが「将来性」に太鼓判!前走はデビューから46キロ増…無敗の怪物ヤマニンウルスが克服すべき課題【プロキオンS】
武豊「完璧超人」から一転リーディング陥落!今週末は大器ヤマニンウルスと小倉参戦…函館開催は激戦必至の大混戦に
【プロキオンS(G3)展望】武豊×怪物ヤマニンウルス登場! 過去2回大荒れ決着の小倉ダート1700m開催で平穏を築けるか