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武豊、C.ルメールが「将来性」に太鼓判!前走はデビューから46キロ増…無敗の怪物ヤマニンウルスが克服すべき課題【プロキオンS】

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武豊騎手もヤマニンウルスを高く評価 撮影:Ruriko.I
武豊騎手もヤマニンウルスを高く評価 撮影:Ruriko.I

 衝撃のデビュー勝ちを決めた小倉の地にダートの怪物が戻ってくる。

 7日、小倉競馬場で行われるプロキオンS(G3)にヤマニンウルス(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)が出走を予定している。

 デビューから4戦無敗の快進撃を続ける本馬は、22年8月に小倉・ダート1700mの2歳新馬で大楽勝を決めた。勝ちタイム1分44秒3はダート1700mの2歳レコードを0秒5更新しただけでなく、2着馬に4秒3もの大差をつける圧巻の走り。これはグレード制が導入された1984年以降、JRAの平地戦で史上最大着差となった。

武豊騎手とルメール騎手も将来性に太鼓判

 このとき手綱を取った今村聖奈騎手も「後続の足音が聞こえなかった」「最後は流す形で本当に強い内容」と驚きを隠せず。ついには「強い馬に乗せてもらい、大変光栄に感じております」という感謝のコメントも飛び出した。

 続く2戦目の1勝クラスは、武豊騎手と初コンビを組んで順当に勝利。主戦の負傷でC.ルメール騎手が代役を務めた3戦目の2勝クラスも余裕を持って抜け出した。そして再びレジェンドに手綱の戻った前走の雅S(3勝クラス)も危なげなく勝利。武豊騎手は「これから先が本当に楽しみ」、ルメール騎手も「いいダートホースに成長しそうです」と将来性に太鼓判を押している。

 今回は相手が一気に強化される重賞レースだが、まだ底を見せたことのないヤマニンウルスとしては、大舞台を見据えるためにも通過点としたいところだ。

 ただ、そんなダートの怪物にも不安材料が全くない訳でもない。

「デビュー勝ちからクラスが上がるごとに、2着馬との着差が徐々に詰まっていることは気になります。57キロの斤量については問題ないと思いますが、ゴール前は流していたとしても前走は0秒2差でした。本来なら使われる予定だった平安S(G3)を裂蹄で回避したことでも順調さを欠きましたし、まさに試金石といえる一戦となりそうです」(競馬記者)

 もう一つ別の意味で不安があるとすれば、レースに使われるごとに増え続けている馬体重かもしれない。

 536キロでデビューしたヤマニンウルスは、2戦目に24キロ増、3戦目に16キロ増、4戦目に6キロ増と巨大化。46キロもパワーアップした前走で582キロをマークした。これは昨年のプロキオンS(中京・ダート1400m)を594キロで優勝したドンフランキーのJRA重賞の最高馬体重勝利記録の更新も視野に入る数字である。

 1月の前走から半年ぶりの実戦復帰となるため、おそらくプラス体重で出走すると推測されるものの、中京で行われた前年に対し今年は小回りの小倉。あまり大きくなり過ぎるとコーナリングで膨れる可能性もある。かといって、馬体増の続いた馬がマイナス体重で出て来てもかえって不安だ。

 いずれにしても今週末で最も注目を集めるヤマニンウルスの復帰。答えの出る日曜小倉を楽しみに待ちたい。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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