
コントレイルと0秒3差…「トウカイテイオー一族」の良血馬が1年半ぶり実戦!注目の鞍上は「今年1勝」の苦労人

今週末の中央競馬は、福島・小倉・札幌の3場開催。重賞は日曜の小倉で中京記念(G3)の1鞍が組まれている。
同日の福島メインは、ダート1700mが舞台のジュライS(L)が行われるが、出走馬15頭の中に芝の重賞で勝ち負けを演じたこともある馬の名前が……。それが2年前のオールカマー(G2)2着のロバートソンキー(牡7歳、美浦・林徹厩舎)である。
3歳秋にはまだ1勝クラスでありながら神戸新聞杯(G2)に格上挑戦。1か月後に無敗の三冠馬に輝くコントレイルから0秒3差の3着に好走し、菊花賞(G1)に駒を進めた。菊の舞台でも9番人気ながら6着とまずまずの走りを披露したロバートソンキー。その後は1勝クラスと2勝クラスを連勝し、順調に出世の階段を上っていた。
5歳夏に3勝クラスを突破すると、その後はオールカマーでジェラルディーナの2着に好走。そして迎えた6歳初戦の日経新春杯(G2)は、ヴェルトライゼンデら強豪馬に交じって、堂々の1番人気に支持された。ところが、この一戦で5着に敗れると、新潟記念(G3)に向けての調整過程で骨折。6歳秋を前に無念の戦線離脱となった。
年齢的には“引退”の二文字がよぎってもおかしくないが、陣営は現役続行を選択。前走の日経新春杯から1年半が過ぎ、ようやくターフではなくダートで実戦復帰を果たす。
「ダートは初めてになりますが、これは脚元への負担を考えた陣営の策でしょう。まずは一度使ってみて、問題がなければ芝に戻すことも考えられます。
7歳になりましたが、キャリアはまだ12戦と使い減りしていません。最終追い切りは美浦坂路でラスト1ハロン12秒0の鋭い伸びを見せていましたし、トウカイテイオーの一族だけに骨折明けで奇跡を起こしてもおかしくないですよ」(競馬記者)
ロバートソンキーの血統表にその名前は入っていないが、祖母のトウカイテネシーはトウカイテイオーの全妹にあたる。トウカイテイオーといえば、1993年の有馬記念(G1)を1年ぶりの休み明けで制覇。競馬史に残る名シーンを演じた名馬だ。
注目の鞍上は「今年1勝」の苦労人

そんな良血馬ロバートソンキーの復帰戦では、引き続き主戦の伊藤工真騎手が手綱を取る。
これまでの12戦中10戦で手綱を取っている伊藤騎手だが、今年は1勝のみ。騎乗回数も46回で、騎乗馬がない日も珍しくない。ただし、ロバートソンキーを管理する林調教師と伊藤騎手は競馬学校時代からの付き合いで、強固な結びつきを持っている。
林厩舎にとってG1初出走はロバートソンキーで臨んだ2020年の菊花賞。つまり、神戸新聞杯で14番人気だった同馬を3着に導いた伊藤騎手の手腕があったからこそだった。林師も「工真が(初G1に)連れて行ってくれた」と感謝を忘れていない。
林厩舎はその後、ソングラインの活躍もあって“勝てる”厩舎に成長。一方で、伊藤騎手は騎乗機会に恵まれない日々が続いている。
17年目を迎えた苦労人にとって、ロバートソンキーは最も思い入れのある1頭なのは間違いない。まずは復帰戦を無事に走り終え、夢の続きを我々ファンにも見せてほしいところだ。
PICK UP
Ranking
11:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 武豊の次に「上手い」のはアキヤマ!?「世界No.1」のR.ムーア騎手が「上手な日本人騎手」として武豊騎手の次に挙げた”意外”な名前
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 「オグリキャップ負けた」が話題となった宝塚記念…悲運の鞍上は武豊と同世代、勝ち馬の騎手は後に競馬界から追放のショック【競馬クロニクル 第60回】
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
関連記事
日経新春杯(G2)ロバートソンキー「期待ハズレ」も見限りは早計!? 崖っぷち騎手の騎乗に賛否も…最大のチャンスで浮上した重賞勝ちの課題
JRA「特大万馬券」の使者を見つけたゾ! ロバートソンキーら上位人気馬に隙あり…武豊ヤマニンゼスト以外もお宝馬券にワクワク【日経新春杯(G2)予想】
日経新春杯(G2)血統にエアグルーヴ、トウカイテイオーの名も入る良血馬に絶好チャンス、「崖っぷち」ジョッキーに懸かる初重賞勝ちの期待
JRA 福永祐一も絶賛したコントレイル世代「秘密兵器」が戦列復帰!日経賞(G2)で「苦労人騎手」とのコンビ復活に喜びの声続々
JRA神戸新聞杯(G2)単勝112.7倍ロバートソンキーが菊花賞(G1)切符ゲット! 祖母の全兄は29年前「無敗2冠」達成も骨折で3冠逃したアノ名馬