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カンティアーモ回避もボンドガール「全幅信頼」に危うさ?絶好調の武豊に立ちはだかる血の宿命

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ボンドガール 撮影:Ruriko.I
ボンドガール 撮影:Ruriko.I

 7日に土曜中山で行われるのは、昨年からG2に格上げされた紫苑S。近年の勝ち馬からディアドラ(17年)、スタニングローズ(22年)が秋華賞(G1)、ノームコア(18年)が翌年のヴィクトリアマイル(G1)を優勝したように、素質馬が集まる注目の一戦だ。

 今年は当初ボンドガール、カンティアーモが出走を予定。武豊騎手とC.ルメール騎手がそれぞれコンビを組む両馬の激突が楽しみだったものの、カンティアーモは左前脚の球節に痛みがあるため回避が決定。これによりボンドガールで一強の様相が色濃くなった。

 本馬は前走のクイーンS(G3・芝1800m)でコガネノソラの2着に惜敗。ただ1頭後方から出色の伸び脚で迫ったがアタマ差だけ届かなかった。これには手綱を取った武豊騎手も「あと2歩でしたね。でも、こういう競馬が出来たのは大きいと思います。収穫がありました」と振り返っていただけに、難敵不在の今回は負けられないレースとなりそうだ。

 ただ、ひとつ気になったのは折り合いがついたとはいえ、レジェンドが後ろからの競馬を選択していた点である。前進気勢の強い馬を脚質転換で好走させたことには価値がある一方、距離延長を意識して手探りしていた可能性も考えられるからだ。

 最後の直線で駆使した末脚を考えれば、一定の目途が立ったといえそうだが、今回はさらに1ハロン延びる芝2000m。舞台も中山へと替わるため、前走だけで問題ないと決めつけてしまうには早計かもしれない。

 やはり懸念されるのはダイワメジャー産駒の距離適性。自身の現役時代に天皇賞・秋(G1)の優勝し、芝2500mの有馬記念(G1)で2年連続3着に入った父だが、これまで世に送り出した産駒は芝2000m以上の重賞を未勝利なのだ。

 芝1800mの場合は、2012年の毎日王冠(G2)と15年の小倉大賞典(G3)をカレンブラックヒルが制しているのだが、同馬はNHKマイルC(G1)を優勝したG1馬。前例もこの馬のみであり、それ以外の産駒は2着までしか入れていない。

 当然ながら1ハロン延びる芝2000mはさらに深刻。ボンドガールも過去の先輩たちと同様に距離の克服が争点となるだろう。

「重賞以外なら勝ったケースもありますが、それは相手関係が楽な2歳戦や条件戦がほとんど。1800mの重賞でも都度話題になる父の血ですが今回は2000m。同距離の秋華賞を見据えるためにも試金石となります。

晩年の代表産駒セリフォスも初の芝1800mだったドバイターフ(G1)で後方から鋭い末脚を見せながら、残り1ハロンで一気に脚が鈍って5着に敗れていました。やはり産駒の勝率がもっと高いマイルがベストということなのでしょうね」(競馬記者)

 ちなみに秋華賞の歴史を遡ってみると、1997年キョウエイマーチ(2着)、2001年テイエムオーシャン(優勝)、05年ラインクラフト(2着)、21年ファインルージュ(2着)、22年ナミュール(2着)といったマイラー色の強い馬たちの好走例はある。

 ダイワメジャー産駒は19年のシゲルピンクダイヤが3着に入ったが、ボンドガールは今度こそ父の血の宿命に抗うことができるだろうか。そのためにも前哨戦の紫苑Sで何としても結果が欲しいところ。札幌リーディングを獲得して絶好調のレジェンドの手綱捌きに期待だ。

GJ 編集部

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