武幸四郎、田中博康など新人調教師7名を徹底解剖。管理馬、馬主、デビュー週の勝負馬は?
その武幸四郎の再従兄弟にあたるのが武英智調教師。重賞は未勝利、通算66勝と騎手としての成績は今一つ。2012年に騎手を引退して木原一良厩舎で調教助手を務め、木原調教師の勧めで調教師を目指し合格した。デビュー週は2月末で解散した福島信晴厩舎のテイエムファンドルとテイエムグッドマン、そして同じく2月末で解散した柴田光陽厩舎のシゲルポインターの3頭が出走。新規馬主の獲得はなかなか苦しんでいるようだが、関西系馬主と九州系馬主の預託馬が増えそうだ。
もう一人の元騎手が美浦で開業する田中博康だ。平成21年のエリザベス女王杯をクィーンスプマンテで勝利してG1ジョッキーの仲間入り。通算勝利数は129勝だがフランスで競馬を学んだり、なかなか行動的。さらに栗東の中内田調教師の元で修行するなど視野が広く、結果として多くの馬主から預託依頼が殺到。馬房の都合上で断りを入れる状況になっているほどだ。管理馬を見ると社台グループのクラブ馬主である社台レースホースとグリーンファーム、ラフィアン系、ダーレー、ノースヒルズなど幅広い。今週は出走馬がいないが、騎手時代に騎乗したクィーンスプマンテの子供であるアスティは注目の一頭。デビューは夏以降だろうが覚えておきたい。
残り4名は騎手経験がなく厩務員~調教助手~調教師という経歴。中でも注目は安田隆行調教師の息子である安田翔伍調教師だ。父の影響が強いのか、安田翔伍本人の評価が高いのか、管理馬は大手クラブや良血馬がズラリ。特筆すべきはロードカナロアの全弟であるレディブラッサムの2016がその管理馬にいること。さらに解散した二ノ宮厩舎から移籍となるダーレーのリンクス、キャロットファームの2歳馬も加わり、豪華なメンバーとなりそう。またノーザンファームで研修をしていたルートから、ノーザンファーム生産の期待馬も今後増えてくるだろう。今週は父の安田隆行厩舎から転厩した土曜阪神12レースのダノンシーザーと、1月の新馬戦で快勝したオメガパフュームが日曜阪神6レースにデムーロで出走。いきなり初勝利も狙える。
高柳大輔調教師も安田隆行厩舎で調教助手を務めていた経歴の持ち主。つまり安田隆行厩舎からは2人の調教助手が調教師としてデビューすることになる。高柳大輔調教師は解散した佐藤正雄厩舎からの転厩馬が多い。今週は3頭を出走させるが、すべて解散した厩舎からの馬。土曜中山12レースにはグランドポピー、小倉2レースにはアドバンスマルス、日曜小倉2レースにはグレートブレスが出走するが、このグレートブレスは人気の一角で前走同じ条件で2着に好走。連闘で出走してくるが上位争いが期待できそうだ。
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