高松宮記念(G1)「万馬券の使者」ネロは二人乗り!? ドイツが誇る「驚異の粘り腰」F.ミナリク騎手を狙える3つの理由
無論、だからといってG1で馬券になったことさえないネロが、そう簡単に勝ち負けできるとは限らない。昨年のスプリンターズSでも最下位に大敗するなど、G1の壁は決して低くないといえるだろう。
ただ、今回のネロに可能性を感じる理由が3つある。
1つはミナリク騎手が「気分よく先頭を走らせた方が良さそうな印象」と語るように、積極策に迷いがないことだ。実際に京阪杯(G3)を連覇して重賞2勝を上げているネロだが、いずれも逃げ切り。一昨年のセントウルS(G2)では5番手から2着した経験もあるが、やはり抜群のダッシュ力に物を言わせて、レースの主導権を奪う競馬の方が「一発」が狙えるのかもしれない。
ただ、快速馬の揃うスプリントG1では、主導権を奪うことさえ骨が折れることは確かだ。仮に強引にハナに立ったところで、スタミナのロスが響けば最後までもたない。追走する他の「番手グループ」の動向も重要になってくるだろう。
その点で、今回のネロには大きなアドバンテージがある。何故なら、もう1つの前哨戦となるシルクロードS(G3)で逃げたセイウンコウセイが「同じ西山茂行オーナーの所有馬」だからだ。
その西山オーナーだが、自身のブログで「セイウンコウセイとネロのハナの叩きあい。絶対に見たくないと思う反面、個人馬主でG1で4コーナーまで同じ勝負服が前2頭なんてまずありません。まあ、展開については、騎手の判断ですが、(中略)誰もがひとつでも前の着順を狙います。高松宮記念を楽しみにして」と綴っている。明確な作戦の記述こそないものの、何らかの”配慮”が図られる可能性はありそうだ。
昨年の高松宮記念を4番手から押し切っているように、セイウンコウセイには「逃げ」に対する執着が薄い。レッドファルクスやレッツゴードンキといった有力なライバルは後方勢。わざわざペースを上げてやる義理はなく、仮にネロを前に行かせて可愛がるような展開になれば「あれよあれよ」ということもあり得るのではないだろうか。西山オーナーにとっても2頭出しする以上、ワン・ツーゴールが最良の結果であることは述べるまでもないだろう。
最後の1つは、今回のネロが”二人乗り”で挑める点だ。
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