藤田晋氏『麻雀RTDリーグ2018』欠場「理由」を語る。オーガナイザーとしての「手応え」とプレイヤーとしての「葛藤」の狭間で出した結論とは


「トッププロと戦うのは、コンディションを整えるのも大変で……(欠場の理由は)単純にスケジュールの問題ですね」

 そう、リーグ欠場の理由を切り出した藤田氏だったが、結論に至るまで相当な葛藤があったことは想像に難しくない。

 本来、これだけの大企業の舵を切る立場の人間が、本業と関係のないところでプロと互角になるほど1つのことにのめり込むのは、周囲からすれば決して歓迎できるものではないはずだ。

 それでも藤田氏はここまでそういった”常識”を覆して、サイバーエージェントを成長させ続けてきた。あえて困難な局面を選択する姿勢はさらなるカリスマ性を集め、自身のモチベーションを上げてきた側面もある。そんな人物だからこそ、今回の欠場をただ趣味の節制というわけではなく、ある種の「挫折」と捉えているかもしれない。

 実際に、藤田氏は理想と現実をギリギリまで思案し『WHITE』もしくは『BLACK』の「片方だけ出ることも考えた」という。しかし、それでは逆に対戦間隔が開きすぎるため、麻雀から遠ざかった日々を送る内に「競馬でいうと休み明けみたいな」状態になってしまうそうだ。

 競馬でも、最もハイレベルなG1レースに出走する際は、日頃の鍛錬に加え、基本的に1戦もしくは2戦の”叩き台”を使う。そうしてコンディションと実戦感を万全に整えるからこそ、本番で最大限のパフォーマンスを発揮できるというわけだ。

 そういった意味で団体の垣根を超えてトッププロがしのぎを削る『RTDリーグ』は、すべての戦いが「G1級」ということなのだろう。実際に出場選手のほとんどがタイトルホルダー、競馬で言えばG1馬である。

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