【RTDリーグ2018萩原聖人インタビュー】アマ最強雀士が盟友・藤田晋の思いを継いで参戦した「意味」と「矜持」

萩原:彼は彼で、すごく麻雀界全体のことを考えている。多井はトッププロで、麻雀界の人間として僕とは違う視点をたくさん持っている。それはとてもすごいこと。一方で僕も麻雀界とはつながりが深いですけど「外側の人間」として多井が持っていない視点がある。

牌の動きとか、上がりまでの過程とか、麻雀の対局そのものだけじゃ、常に面白いものを提供するのは難しい。実際にトッププロ同士でもつまらない対局はありますしね……。多井や僕だけじゃなく、みんなで協力して、解説や実況などを含めたすべてで番組としての面白さを追求できればと思います。

――「解説」でいえば、開幕2戦目で早くも解説を担当した萩原だが、同じく今回初出場で最年少の松本吉弘(日本プロ麻雀協会)に厳しい言葉を投げかけるシーンも。率直な意見が大きな反響を呼んだことを伝えると「結構(反響が)あったみたいね」と苦笑した。

萩原:僕なりには緩めで言ったつもりだけど……(笑)。実はあの後、親友の鈴木達也(日本プロ麻雀協会)から「聖人さんの解説、ちょっと厳しくないですか? オレは聖人さんみたいな解説が好きだけど」って言われました。まあ、厳しいことを言うとどうしても反響があって、達也は僕の発言がネット上などで批判されるのを気にしてくれたんだと思います。「これまでのRTDリーグの解説の流れでは、あまり厳しいことは言わなかった」って。

でも、それが果たして良いことなのかは僕にはわからない。僕は思うことを言うし、思うことを言ってほしい。RTDリーグは日本じゃなくて、世界最高峰のプロが集まっているリーグ。だからこそ、そんな甘い解説じゃダメなんじゃないだろうか、いい意味での叱咤激励があってもいいんじゃないかと思うんですよね。

ただ、その一方で「萩原さんの解説が新鮮で面白かった」という声もあるんですよね。そこで一度、AbemaTVのスタッフさんに「そういう(厳しいという)意見もあったんですけど」と聞いたら「全然OKです。むしろこのまま行ってください」と言ってくださったので、よかったなと(笑)。

――ネット上でも「萩原さん、松本プロのこと好きなんだな」という声があった。

萩原:競技面とか、技術面での細かい解説はプロの方々がたくさんされています。ならば、僕は僕なりの着眼点で面白おかしく、違和感があることや僕が思うプロ像に反していることには素直に意見していこうかなと。

松本君は今25歳と出場メンバーの中で1番若くて、大抜擢じゃないですか。だから「結果」を恐れてほしくないんですよ。例え負けても「アイツ面白かったから、また呼ぼうぜ」って言われるような麻雀を打ってほしい。あの年齢でRTDリーグに出られるようになったんだから、小さくまとまってほしくない。”普通のプロ”になってほしくないですね。

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